あちらはいかがですか、たかちゃん?

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回想:たかちゃんの最期 3

2021-09-19 10:47:28 | 日記
たかちゃんが逝ってしまってから、ダイニングテーブルに座りうなだれていた。

息子が、時間外の在宅の医師が来るまで時間があるなら、朝御飯つくるよとキッチンに立った。
卵焼きを作るにおいがして、出来上がると
息子、「食べないとしょうがないだろ、これから大変なんだから」
私は、「いらない、食べたくない」
息子、「食べろよ」
このやり取りが何回か続き、息子は声を荒立たせるので、仕方なく。
よそったご飯、昨日の味噌汁の残りと漬け物、卵焼きが出されていた。卵焼きを口にすると全く味がなく
私、「おいしくない」
その後すぐに、息子は流しにフライパンを力任せにガシャン。
びっくりした娘は、
「お兄ちゃん、やめてよ。」
私は、言わなきゃよかったと思ったが時すでに遅し。
たかちゃんが逝ってしまったのと、息子のイラつく態度に、ただただうなだれるだけで、
たかちゃんが居なくなってまだ30分でこんなことになるのかと、ため息と涙が。

その後息子は、怒鳴りちらし、何を言っていたのか覚えてない。

今まで息子は、たかちゃんが入院してから何一つ愚痴も言わずやってきた。
それでも、たまに仕事の事で私と衝突するが、たかちゃんがそれをおさめていた。
息子は、父であるたかちゃんの言うことは聴いていた。

私はたかちゃんが亡くなる覚悟はしていたが、そんな覚悟はないに等しく、今思えば、息子も私と同じだったのかもしれない。


時間外の在宅の医師が来たのは、この2時間後。
長かった、私と息子と娘はずっと黙りこくっていた。

その医師と車を運転してきた人が、家に入ってくると、ものすごいお酒のにおいがした。
普通の病院と違って、在宅医療は不規則なのだろう。そりゃーお酒も飲むときもあるだろうけど。
きっと急な呼び出しだったんだろうな、、
脈をとり、眼球をみて、聴診器で心臓音を聞いて、
「8時10分、死亡を確認しました。」
その後、その医師は死亡診断書を書くのだが、よほど酔いが残っているのか、ちっとも書けない。
書類を覗くと、たかちゃんは6時過ぎに逝ってしまったのに、死亡は医師が来た時刻の8時10分になるの?
そんなことをぼーとした頭で思っていた。
お茶を出し、水を出し、字は波打ってる、、
なんとかこれも済み、帰ることになり見送った。

帰った後、息子がまたまたブチ切れて、
息子「なんなんだよ、あれは。酔っぱらって仕事なのか。
私「あなただって、この間、5時に私と待ち合わせなのに、7時に来て、パーキングのトイレに入ったままだったじゃない」
仕事で、私に見積の補助をしてくれと待ち合わせをしたのだが、二日酔いで2時間も遅れ、運転も私で、現地での打ち合わせもひどいもので、、そんな息子をみて仕方ないかと黙っていた矢先のことだった。
自分はよくても他人には非難、それは違うでしょ、

みな精神が混乱して、理性もないのか、

悲しくて泣いているのか、こんなんでやっていけるのかという不安なのか、本当にわけがわからない涙だった。


しかし、これは序章であって、息子との仕事は、表面上はまわっていたが、私と息子は空回りの日々であった。
たかちゃんは、こんなこと想像もしてなかっただろうな、、