あちらはいかがですか、たかちゃん?

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回想:娘の結婚 1

2021-09-27 06:48:30 | 日記
たかちゃんが、緩和病棟のある病院から自宅に戻って、自宅療養をしていた頃、娘から電話で、

「お母さん、今から帰るけど、◯◯さん(お付き合いをしている人)を連れて帰るね。」

ええっー、今何時よー、夜の10時過ぎだよー
娘とN君は、酔っぱらって一緒に帰って来た
酔っぱらっていたのはN君で、娘はいくら飲んでも酔うことを知らない。

家に上がるなり、娘が、
「N君、今日うちに泊まるって、全然歩けないんだものー
2階の空いている部屋に布団を敷いて、N君は挨拶もそこそこで寝てしまった。

翌日、N君は日曜日ということもあり、朝風呂に入って、うちで朝食を食べていった。
初対面が酔っぱらっている時で、一緒に朝食というのは何を話してよいものか、N君は困ったような顔をしていた。
娘の話だと、N君は無口だけど、娘の話をよく聞いてくれるらしい。
でも、N君がいるにも関わらず、私とたかちゃんと娘で、いつものガヤガヤ世間話を延々としていた。
N君が帰るときに
今度は酔ってないとき来ます。ごちそうさまでした。
と言って、N君は帰っていった。

2回目に来た時には、N君の実家の、九州の大宰府天満宮の梅ヶ枝餅を持って、また酔っぱらって娘と来た。
たかちゃんと私は、またなのー、、
と思ったけど、そのお土産を食べると、
なんておいしいのと私と二人でニコニコしてしまった。
もちの部分が、もち米100%で多分余計なものは入ってない。
母が正月に作って送ってくれた、餅のなかにあんこが入ったあんこもちの小型版の一口サイズといったところ。
たかちゃんは、N君が酔っぱらって来たことなんか忘れて、
またこのもちを頼むよ」

すっかり、N君の梅が枝餅に買収されてしまった。
約束通り、それを持ってN君はまた来た。

たかちゃんは、亡くなってから聞いたのだが、
なかなかいい人じゃないか」
と娘に話していたらしい


N君は、たかちゃんの葬儀にも来てくれた。
娘とN君は、できちゃった結婚、いや今は授かり婚と言うらしく、たかちゃんの喪が明けるのを待たずに結婚した。
たかちゃんの喪が明けることよりも、結婚式の日取りは、母が亡くなった同じ月の月末で、どうしようかと姉にも相談したが
「お母ちゃんはそんなことを気にする人じゃないし、結婚式は予定通りしていいと思うよ。」



結婚式は、
娘の陽気さで笑いあり、和やかに行われた。
まず、
娘は、誓いますかと聞かれて、まるで小学校1年生のように大声で
「はい」
そこで皆、爆笑。
おいおい、少しはしとやかにやってくれよ、、

誓いのキスでは、
「誓いのキスを」と言われて、娘は上唇をなめて待ってる姿に、みな爆笑。
あなたはペコちゃんですか?、、やっぱり、娘には厳かにというのは、ないんだな、、

娘は
「バージンロードは、ともじいちゃんにお願いする。
と言って、私の叔父に頼んだ。




たかちゃん、

一緒にバージンロードを歩きたかったね、
でも、安心して。
叔父さんが一緒に歩いてくれたよ。
たかにゃんもここにいるのかな?

娘の結婚式に、たかちゃんの写真を持って、心の中で語りかけた。