たかちゃんの葬儀から一週間位した夜に、学生時代のいつも隣の席にいた、しづちゃんから電話があった。
しづちゃんは故郷の山形に戻り、小学校の養護教諭(保健の先生)をしていた。
毎年、年賀状のやりとりをしていて、この電話の8年前の同窓会の前日に会ったきりだった。
懐かしさと今の近況を伝えると、しづちゃんはたかちゃんの死にびっくりしていたが、、
それから、
しづちゃん「お願いがあるんだけど」
と話し始めた。
しづちゃんのその年の年賀状には、「乳癌の初期で手術しました。」
そう書いてあったのを思い出していた。
しづちゃん「乳癌の転移かもしれないけど、肝臓に癌が見つかって山形で治療したけど、もう治療の方法がないと言われたんだ。(母校の)◯◯大学病院で診てもらいたいけど、あさり、ツテはないかな。」
私は、一瞬言葉を失って、、黙ってしまった。
しづちゃん「聞こえてる?あさり」
たかちゃんが亡くなってから、ボーとしていたので、頭が回らない。
私「うん、聞こえてる。」
私としづちゃんは都内の某大学病院の医学部付属の看護学校の同級生だった。
私は、すぐに結婚して地域病院の小児科に2年働いただけで、その後はたかちゃんと自営業の事務、経理をしていた。
看護については、もう遠い昔しか知らない。
それでも、看護には携わっていたくて、午前中に家の事務仕事をして、午後は保健センターで仕事をしたり、市の社会福祉協議会の自立支援のデイサービスで血圧や健康管理、たまにはクリニックに行ったこともあった。
我にかえって、しづちゃんをどうにか助けないと、、
そう思った後に、
私「待ってて、同窓会名簿をもってるから連絡してみるね」
さて、誰に連絡を取ろうかな、
◯◯は病棟看護師長してるけど、顔が広いのは◯◯だしと、
結局、名簿を見て、手当たり次第電話をかけていた。
(この写真はしづちゃんの故郷の月山)