一寸の兎にも五分の魂~展覧会おぼえがき

美術展のおぼえがきと関連情報をすこしばかり。

本日のミュージアムグッズ6 狩野山楽・山雪展@京博の図録が届きました。

2013-04-28 | ミュージアムグッズ
京都国立博物館で開催中の「狩野山楽・山雪」展。

幕府御用絵師として江戸に移って活躍した「江戸狩野」に対して、京の地にとどまって、独自の画風を確立した「京狩野」。

その草創期を築いた初代山楽と二代山雪にスポットをあてた「史上初の大回顧展」。

山楽と山雪の作品がこれだけ一堂に介する機会は滅多にないこと。しかも、京博だけの展示とあれば、ぜひとも行きたいところなのですが。

折りしも大阪では文楽がかかっているし、これはなんとしても行きたいと、計画はしてみたのですが、やはりかなわず。

いたしかたなく、図録を取り寄せました。



表と裏に山雪の「雪汀水禽図屏風」をあしらった表紙の豪華なこと。



ページをめくってみると、狩野山楽・山雪 「朝顔図襖」(妙心寺・天球院)は、朝顔好きにはこたえられない作品です。

印刷も美しく、ため息がでます。実際の作品をみていないので、色がよくでているかどうかについてはなんともいえないのですが、図録だけみるかぎりは限りなく美しい。

山雪の「猿猴図」(東京国立博物館)を使ったクリアファイルは、行ってきた方のお土産です(感謝!)



個人的には、同じく山雪の「松梟図」(根津美術館)のすねたような梟の表情も好きなのですが(写真の上のほうにちらりと見えます)。

そのほか、山楽の「車争図屏風」(東京国立博物館)やメットから里帰りした山雪の「老梅図襖(旧・天祥院客殿襖絵)」など、見ごたえのある作品が目白押しです。

会期は5月12日(日)まで。京都にいける方、いく用事のある方は、ぜひ時間をつくって京博へGO!

《おすすめの本》
狩野永徳と京狩野について、わかりやすくまとめられた入門書はこちら。
上にあげた、山楽と山雪の作品も多数掲載されています。

もっと知りたい狩野永徳と京狩野
成澤勝嗣 著
本体1,800円、2012年03月刊行、B5判、96ページ


*******以下、美術館HPの開催概要より******

 桃山から江戸への過渡期。それは豊臣につくか徳川につくかで後の人生が大きく変わる時代。武将だけでなく、狩野派の絵師たちもまたその渦中で運命を大きく左右されました。

 徳川幕府御用絵師となり軽淡な画風を開拓した狩野家本流「江戸狩野」と、京の地にとどまり永徳の弟子筋によって独自の画風を確立する「京狩野」の誕生です。

 本展は狩野永徳の画風を受け継ぎ、見事なまでに昇華させた京狩野草創期に焦点をあて、初代山楽、二代山雪の生涯と画業を辿る初の大回顧展です。波瀾の時代に生き、窮地に追いやられながらも、絵師としての気概を持って運命に立ち向かった2人の魅力あふれる絵画世界を、重要文化財13件、新発見9件、初公開6件を含む83件の作品によりご紹介いたします。

 激動の時代に生きたもう一つの狩野派の物語がここからはじまります。

特別展覧会 狩野山楽・山雪

Special Exhibition Kano Sanraku and Sansetsu

会期 2013年3月30日(土)~5月12日(日)

(前期:3月30日~4月21日/後期:4月23日~5月12日)
※会期中一部の作品を展示替えいたします

会場 京都国立博物館 [東山七条]

〒605-0931 京都市東山区茶屋町527

開館時間 午前9時30分~午後6時 金曜日は午後8時まで
 (入館は閉館の30分前まで)

休館日 月曜日
※ただし、4月29日(月)は開館、翌30日(火)休館。5月6日(月)は開館

主催 京都国立博物館、毎日新聞社、京都新聞社

後援 文化庁、テレビ大阪

協賛 ニューカラー写真印刷株式会社、NTT西日本、大和ハウス工業

協力 日本航空、日本香堂







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