一寸の兎にも五分の魂~展覧会おぼえがき

美術展のおぼえがきと関連情報をすこしばかり。

本日のミュージアムグッズ25 踊るタコの団扇@太田記念美術館

2013-08-01 | ミュージアムグッズ
東京は原宿にある浮世絵専門の美術館、太田記念美術館の今年の団扇の柄は、「踊るタコ」


(歌川貞秀「蛸踊り」太田記念美術館蔵より)

一枚800円。限定100枚(?だったような)らしいです。

流し目をくれる色っぽいタコとか、もろ肌ぬいでるいなせなタコとか、見れば見るほどおもしろいです。



このタコは、太田記念美術館の10月からの展覧会「笑う浮世絵 戯画と国芳一門」展でお目見えするようです。



楽しみですね~。

そして、折りしも開催中の展覧会は「江戸の美男子 若衆・二枚目・伊達男」展

浮世絵に登場する「イケメン」にスポットをあてた画期的な展覧会。

「若衆・二枚目・伊達男」それぞれどう違うのか、というのはぜひご自分の目で確かめてみてください。

いやもう、単に顔がいいとかいうレベルの問題ではなく、江戸の男たちは髪型から着物の柄から着こなしからポーズから、なにからなにまでトータルしたかっこよさを追及していることを実感。

「かっこよさ」にも奥行きを感じます。

まあもちろん、そういう人たちは役者を中心にごく限られた人々だったというのは今も昔もかわらないのでしょうが。

この展覧会の図録がまた、なかなかのすぐれものです(2000円)。


(裏表紙もきまってます。三色の格子柄も粋な歌川国貞の「御あつらへ三色弁慶」より。太田記念美術館蔵)

展示されている全作品が掲載されており、適宜ちりばめられているコラムが当時の風俗のことから関連する歌舞伎や浄瑠璃のことだったり、なかなか読み応えがあります。

そしてこれぞ、という作品はかなりどーんを大きく扱っていたりしています。

今回は絵はがきが少ないこともあるので、気に入ったお兄さんがいたら、ぜひ連れて帰りましょう。遠方の方には、通信販売もしているようです。


(左は本展の看板男子、歌舞伎堂艶鏡「三代目市川八百蔵の梅王丸」。右は歌川豊国「市川八百蔵の古手屋八郎兵衛」共に太田記念美術館蔵。同じ役者さんでも、ちょい雰囲気が違いますね)

文楽や歌舞伎の「夏祭浪花鏡」でおなじみ、の団七九郎兵衛も登場します。


(ともに歌川国貞描く団七九郎兵衛、太田記念美術館蔵)

伊達男と菖蒲など、花を組み合わせた作品が多いのも見どころ。江戸の色男は、花を背負ってもきまるんですねえ。

ちなみに、花を背負った伊達男は、江戸東京博物館で開催中の「花開く江戸の園芸」展にもたくさん出ているようなので、こちらもおすすめです。

というわけで、タコの団扇も展覧会も図録もおすすめの今夏の太田記念美術館です。

「江戸の美男子 若衆・二枚目・伊達男」展は8月25日(日)まで。

タコの団扇は売り切れるまでだと思いますので、お早めに。





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