北九州市、門司港、トラック街道を足を引きずりながらうろついている、黒の成犬を運送会社の事務員さんが保護、会社の車庫に何時までも置いておけず、愛護団体さんから、一時預かりのお願いが有ったが、家も借家住まい、、預かれば、3頭、猫11匹、もう預かれない、仕事も有るし、保健所に行くと何時も殺処分対象の子達ばかり、此れが最後と預かった。後で解った事、彼は癌だった、顔、頭、首の左半分に転移していた。手術出来ない場所も有り此処に置くしかないと思った。私が赤ひげ先生と呼んでいた獣医は苦しませるより安楽死を進めたが、決心が付かないままに苦しむと痛み止めを大好きな餌に混ぜて、眠るのを見計らってから寝た。間隔が短くなって、自分が酷い事をしているのではないかと、安楽死を決意した。決意したその夜、黒の苦しむ声が聞こえ、痛み止めを飲ませ、明日仕事を休んで病院に行こう、眠った黒をそっと床に寝かせ少し寝た。その日の朝、そっと伸ばした手に、硬くなった黒が居た、黒は2度と目を開けることは無かった。もっと早くに安楽死を願うべきだったのか?ご免ね、苦しませてご免ね。色んな事が頭を過ぎる、散歩の時、必ずボールを銜えて持っていく黒、白の軽ワゴンが来ると、急いで駆け寄って車の中を見る黒、小柄で細身の年配のおじさんとすれ違うと、嬉しそうに尻尾を振って近づく黒、最初の飼い主をいつまでも忘れなかった黒、最後にお母さんでも良かったと言って欲しかったなー。
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