心を閉ざした多頭飼

19時チャイムを押して、毎日すみません、捕獲機置かせて貰って良いですかと声を掛けると、40代後半の女性が顔を出した。お母さんにはお話していたんですけど、中々捕獲機に入ってくれなくて、と言うと警戒してるんで小ねと言われたので、手伝っていただけますかと言うと、急いで表に出てきた、猫好きなんですか、植え込みに5匹箱に入れておいて有ったんです。可哀想でえさをあげてました。２、3年でこんなに増えたんです。動物愛護団体にも相談したんですけど、場所も遠く、無責任な餌の遣り方をするからと怒られ、愛護団体に押し付けないで、貴方が増やしたんでしょう、と言われ、近所からは攻められ、避妊去勢する事も後で知りましたが、病院代が追いつかず、高齢の母と2人暮らしで、どうしたら良いか途方にくれてました。近所との付き合いも絶ち、隠れて餌を遣ってましたが、道路向うに餌をやっている人が居る、と聞きホットしてました。私餌を遣ってませんからと言いながら帰って来ない子がいると心配したりしていたんです。私がつれて帰ってました。避妊去勢の為、3匹ほど預かっていますと言うよりも家にいます。それにあのグレーの子、お腹大きかったでしょう、1週間ほど前に避妊しました。私も余裕は有りません、獣医さんに、分割払いにして貰ってるんです。30年以上遣ってますから、家も母子家庭で常時20匹前後の犬や猫と2人の娘、大変でしたよ、ただ可愛そうな命増やしたくないの、其れだけなのと説明すると、多頭飼いのかたも、少しずつなら払えます、払っていきます。堂々と餌をやれるようにして、猫トイレもスーパーのごみ置き場からもらえる発泡スチロールの箱で作って、何箇所かにおきましょう。他の庭に迷惑掛けないように餌もしっかり食べさせて、全部避妊去勢しましょう。数は減っていきますから。彼女の顔が見る見る明るくなって、殺処分０の署名の話もさせていただき、喜んで署名のお手伝いしますと言ってくださって、今日はぐっすり眠れそう、其れに、捕獲機に入ったら連絡しますと言うことで、捕獲機を置いて帰ってこれたし、有難う御座います、よろしくお願いしますと、何度も頭を下げて下さって、幸せな気分でいっぱいです。