日本史大戦略 ~日本各地の古代・中世史探訪~

列島各地の遺跡に突如出現する「現地講師」稲用章のブログです。

東大寺|奈良県奈良市 ~大和国分寺かつ全国の国分寺の総国分寺~

2020-09-06 20:54:58 | 歴史探訪
 奈良古代史探訪の4日目が終わり、17時ちょっと過ぎに京都に戻ってきました。

 京都からは往路と同じく高速バスで帰りますよ。

 出発時刻は23時半なので、まだまだ時間があります。

 明日の朝、バスから降りたら我が家から徒歩10分の場所です。

 京都についてからどこで時間を潰そうか考え、いっそのことカラオケでも行こうかなと思ったのですが、旅のまとめもしたいので居酒屋を探しました。

 すると駅のすぐ近くに居酒屋ビルのようなものがあったため、「竹取酒物語」に入りました。

 京都に来てまで居酒屋チェーンというのはどうなの?と思われるかもしれませんが、チェーン店ですとクオリティや金額が予想できるため、逆に安心なのです。

 全国どこへ行ってもチェーン店がある日本って本当にいい国ですね。

 5時間くらい店にいてそれからバスに乗って帰りますので、あまり酔わないようにペースと酒の種類に気を付けつつ、本日の記事を書こうと思います。

 なお、本日はいつもの奇妙な映像はありません。

 ※書いている途中に食べ物や飲み物が運ばれてきますので貼り付けます。

 いつもはハイペースですが、今日は気を付けますよ。



 チャンジャというとタラが多いと思いますが、えんがわのチャンジャは珍しく、しかも美味い。



 大瓶のビールの方がコスパが良いです。

 海鮮アヒージョもあるんですね!



 もっとバケットを浸して食べたいと思ったら、バケットは追加可能でした!

 ナイス。

 ビールはやめてハイボールにしましたよ。



 チジミ。



 食べすぎだ・・・

 というわけで、食事を楽しみつつ、ひとまず東大寺の探訪記事を書き終えましたが、まだ21時です。

 あと2時間ありますよ。

*     *     *


 昨日までの3日間で行きたい場所には結構行けたので今日は「完全適当日」にします。

 行きたい場所には結構行けたと言っても、奈良県内だけでもまだまだ行きたい場所は大量にありますよ。

 でも、一度にたくさん行き過ぎると自分の脳内で処理しきれないので、残りはまた後日にしようと考えています。

 さて、天気予報によると今日は台風の影響で畿内も天気が良くないようです。

 ただ、日中は曇りではあるものの雨は降らないようなので、東大寺の大仏殿や春日大社へ行ってみようと思います。

 7時過ぎに起床し、遅い朝飯を食べ、9時過ぎにチェックアウト。

 のんびりとした出発だ。

 ホテルを出て少し歩くと路上で鹿に遭遇してビックリです。



 イメージでは公園になっている場所に鹿さんがいると思っていましたが、普通に通行人のように歩道を歩いているんですね。



 なんでこんなことに驚くのかというと、これから向かう場所は奈良の観光では誰しも絶対に訪れるといってよい場所なのに、なんと私は一度も行ったことがないからです。

 奈良にはよく来ているのに無い・・・

 修学旅行で行かなかったの?と聴かれそうですが、確かに中学の時の修学旅行は奈良・京都でした。

 ところが、私は初日の奈良めぐりには参加しなかったということは、以前お話ししましたのでここでは省きます。

 東大寺の南大門が現れ、まずはその大きさに感動。



 多分ですが、あまり古代寺院跡や官衙跡の遺跡などに行ったことが無くて、普通に観光でここにきてこれを見たら、でかいとは思っても、「まあ、こういうものだろう」と思う程度かもしれません。



 でも、なまじ地方の古代寺院跡や官衙跡などの遺跡をたくさん見てきた挙句にこれを初めて見ると、国家権力の強大さがよく分かるのではないでしょうか。



 こうして巨大な建築物を見ると、古代に租税を納めに初めて上京してきた東国の人の気持ちになれます。

 ところで、現在の南大門は、この鹿さんの解説によると、正治元年(1199)に上棟されたものです。



 東大寺では人間の言葉に堪能な鹿さんがボランティアガイドをしているんですね(註:妄想です)。

 向かって左側の「阿形のアニキ」。



 右側の「吽形のアニキ」。



 このアニキたちは全国のアニキたちの中でもとくに著名なアニキで「東大寺のアニキ」の名で親しまれています(註:これも妄想で、実際は「東大寺の仁王さま」です)。

 つづいて中門が現れました。



 立派過ぎて、聖武天皇に心の中で快哉を叫びます。

 こちらは享保元年(1716)頃の再建とされており、国指定の重要文化財ですよ。

 東大寺はその名の通り「東大寺式」の伽藍配置ですから、中門には回廊が接続されていますね。

 そしてここから先は有料なのです。

 東大寺ミュージアムとセットだと1000円ですが、今日は大仏殿だけを拝観したいのでその場合は600円です。

 律令国家に収める租庸調と比べたら安いもんだ!

 せっかく来たのにミュージアムを見ないのかと不審がる方もいると思いますが、今日はなんだかそういう気分じゃないの。

 最近はちょっと考え方が変わってきて、今日みたいに「趣味」で歩くときは基本的に自分の「気分」を尊重し、ピンポイントの遺跡でもその地域内の遺跡でも、そもそも一度ですべてを見ることはできない場所が多いため、縁があれば絶対また再訪できると信じていますから、次回来た時に気分が乗れば見学しようと思うわけです。

 さて、回廊から金堂(大仏殿)を見ますが、結構距離がありますね。



 広い・・・

 そして大仏殿もまたでかい!



 おっと、ここでお天気雨が降ってきました。

 面白いですね。

 まるで浄められるかのようで、雨に当たると気持ちよいです。



 この八角灯篭も凄いですよ!



 なんと、8世紀の創建当時のものなのです!

 ここには鹿さんガイドがいないので、鹿さんガイドも研修で使っている東大寺のパンフレットを参照したところそう書いてありました。

 さて、いま創建当時の8世紀と言いましたが、このお寺のツールは、聖武天皇の男子(名前は基<もとい>と伝わっていますが実際は不明)が満1歳にもならずに神亀5年(728)に亡くなってしまい、その菩提を弔うために建てた「山房」が発端で、その「山房」はのちに「金鍾寺」と呼ばれるようになります。

 そののち、聖武天皇は全国に国分寺と国分尼寺を建立する構想を打ち立て、大和国の国分寺でかつ全国の総国分寺として金鍾寺を選び、それが東大寺と呼ばれるようになりました。

 聖武天皇による国分寺建立の詔は、『続日本紀』の天平13年(741)3月24日の条にありますよ。

 この辺の話は鹿さんに教えてもらわなくても知っています。

 でも、現地のガイドの方の前では、「その話は知っています」的なことは言わないように、また、その場では余計なことは言わないように私はクラツーの仕事の時は気を付けています。

 現地のボランティアガイドの方に自分のことを変に「講師」と自己紹介すると、相手の気分を害することもあるようなので、私は何も知らない添乗員のようなふりをしていることもあり、実際、現地の方からそう思われて、こういったら添乗員さんに失礼ですが、現地ガイドの方から歴史を知らない人と思われて「ぞんざい」な扱いを受けることもあります。

 ただし、ちょっと対応が酷いなと思った場合は、そのガイドの方との別れ際に「実は・・・」と名刺を渡して自己紹介して去るようにしています。

 あ、これはこれでいやらしいか。

 話を元に戻します。

 では大仏殿に入りますよ。

 こちらが奈良の大仏様ですね。



 本当であれば三十数年前に拝していたはずですが、ようやくお会いできました。

 しかしでかいですね。



 さっきから「でかい」ばっかり言っているな・・・

 でもそれが最初に口から出る正直な感想であり、これは聖武天皇の狙い通りであり、聖武も未来人がやってきて「でかい」と呟くのを「狙い通りだ!」と喜んでいると思いますよ。

 脇侍の虚空蔵菩薩。



 横顔も素敵。



 広目天。



 こちらは増長天の頭部。





 さきほど金堂を外から見て、でかい鴟尾(しび)だなあと思ったのですが、ここにありました。



 また「でかい」が出ちゃった。



 隅の方にジオラマがありますよ!



 こういうの大好きですから堪りません。



 金堂の中には仏様が安置されています。







 創建当時はこうだったんですね。



 東大寺についてまとまった説明がここにありました。











 仏様を背後から。



 背後を気にする人は少ないと思いますが、もし後ろから拝見できるのであれば必ずチェックしておきましょう。

 建物模型がまだあります。

 鎌倉時代に再建された金堂。



 奈良少年刑務所の受刑者たちが作ったんですよ!



 感慨深いものがあります。

 こちらは江戸期の再建。



 「職業訓練の技術の集大成」と書いてありますが、本当に凄い。



 「でかい」、そして「凄い」・・・

 そんな言葉ばっかり。

 多聞天。



 持国天の頭部。





 算額だ!



 今年奉納されたものですよ!



 でも数学が苦手な私は答えられません。

 というか、考えようとも思わないので典型的なダメな大人です。

 脇侍の如意輪観音。





 私は如意輪観音と薬師如来のファンなのです。

 天井を見上げ、柱や梁を見て感嘆・・・



 しかし改めてこういう木造建築を見ると、もちろん今見ているのは古代に建てられたものではないですが、古墳の築造技術も凄いといつも思っているものの、こういった木造建築の技術もまた凄いですね。

 大仏殿のなかで感動に包まれ、外へ出ます。

 つづいて春日大社へ詣でてみようと思います。




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