*** 本ページの目次 *** 1.基本情報 2.諸元 3.探訪レポート 4.補足 5.参考資料 |
1.基本情報
所在地
群馬県前橋市文京町3-2
駐車場無し
現況
登頂可能(草が刈ってあれば)
史跡指定
前橋市指定史跡
名称:不二山古墳
指定日:平成9年4月21日
出土遺物が見られる場所
2.諸元
築造時期
6世紀後半
墳丘
形状:前方後円墳
墳丘長:54.5m(『群馬県古墳総覧』)
段築:不明
葺石:不明
埴輪:あり
主体部
角閃石安山岩の削石積み両袖型横穴式石室
出土遺物
墳丘:家形埴輪
主体部:須恵器、刀、馬具、武器、玉、耳環、冠、装身具
3.探訪レポート
2019年8月18日(日)
⇒前回の記事はこちら
今回はクラツーにて来週の日曜日に催行される古墳ツアーの下見にやってきているわけですが、朝倉・広瀬古墳群には4年前に訪れています。
⇒そのときの探訪記事はこちら
そのとき、比較的狭いエリアに見ごたえのある古墳が集まっていることを知り、その後クラツーと契約してからはお客様をご案内したいと思っていました。
それが今回ようやく叶うのですが、今日は事前の確認をする前に4年前に見落とした不二山古墳へ行ってみます。
そういえばさっき偶然に見た古墳も「ふじやま」古墳でしたね。
この辺にあるはずですが・・・
おや、駐車場の奥に墳丘らしきものがありますよ。
これですね。
こちら側が後円部のようです。
朝倉・広瀬古墳群は説明板がきちんと立てられているので、ここにもそれがあるはずです。
おー、あったにはあったけど・・・
残念な状況だ!
こういうのを見て文句を言う人もいると思いますが、草刈りをするのも大変なんですよ。
不二山古墳は前橋市指定史跡ですから、前橋市に文句を言いたくなるかもしれませんが、現実的には史跡の草刈や清掃は地元の有志の方々やボランティア団体などが担っていることが多いため、無理なことは言えず、文句を言うのであれば自身から率先してそういった活動に参加するべきだと私は考えています。
朝倉・広瀬古墳群は、往時は150基とも200基ともいわれる古墳があったのですが、現在残っているのは、この不二山古墳を含めて10基もないはずです。
ですから不二山古墳は貴重な古墳なのです。
朝倉・広瀬古墳群の古墳分布図を見ると、不二山古墳は最西端に位置し、しかも興味深いのはこの古墳の周辺には寄り添うように造られた古墳がほとんどなく(カロウト山古墳のみ近くにあります)、他の同規模やそれ以上の規模の古墳と違って何か特殊な扱いを受けているように感じます。
もしかしたら単に見つかっていないだけかもしれませんが面白いです。
なお、前橋市のパンフレットによると不二山古墳の形状は一世代くらい前に造られた天川二子山古墳の相似形とありますが、各数値を電卓で叩いてみると相似形ではありません。
この相似形という表現はくせもので、偉い先生がもしそう言っていたとしても、自身で電卓を叩いて確認してみることをお勧めしますし、そもそも正確なサイズが分かっている古墳は近年に高精度の測量をしたもの以外はほとんどないと考えておいた方が無難です。
それでは、朝倉・広瀬古墳群の事前下見を済ませてしまいましょう。
(つづく)
4.補足
5.参考資料
・現地説明板(当日は上述の通り読めなかった)
・パンフレット「朝倉・広瀬古墳群」 前橋市教育委員会/編 2017年
・『群馬県古墳総覧』 群馬県教育委員会/編 2017年
・『群馬の古墳物語 上巻』 右島和夫/著 2018年