その嘘は、罪ですか。
このコピー、終わりが「？」じゃなくて「。」なのがミソですな。
西川美和
原作・脚本・監督作品『ディア・ドクター』の試写会に行って来ました～。山あいの村の医師失踪事件から地域医療の抱える問題を浮き彫りにしたストーリーで、
他にも高齢化社会とか昨今の様々な問題が含まれた映画でした。
主演は笑福亭鶴瓶。
めちゃくちゃ自然に大らかに伊野医師を演じていて、何だかすがすがしかったです。そして、研修医役で瑛太。鶴瓶と対照的な役柄で、今や主演級の瑛太が、
この映画では（結果的に）鶴瓶の引き立て役的な役どころだったのには少々驚きました。
失踪事件を捜査する刑事役が岩松了
と松重豊の組み合わせだったのにはニヤリ。相変わらずステキなお二人です。この映画（というか監督？）、映像のつなぎ方や場面転換がかなり独特なので、
西川監督作品を初めて観た私はそういう部分が結構気になってしまいました。
笑いが所々あるので大丈夫でしたが、
少々慣れが必要かも…と感じるくらいクセは強め、かな。
～以降、少々ネタバレ含みますので、ご注意下さい。～
伊野がニセ医者だとわかった後、
村人は口では悪口を言いつつも内心は違うんだろうなぁと思わせる場面、
ニセ医者と知りつつもそれぞれの理由で口をつぐんでいた周囲の人々の姿、
刑事が言う「周囲が伊野を医者にさせた」的なセリフ、
には色々と考えさせられるものがありました。
ニセ医者事件が報道される度に、
何で何年もバレないんだろう？と不思議に思っていたのですが、
この映画を観るとそれもアリだな、と納得できました。
この映画のように、
最初は自己満足や金銭欲・名誉欲で始めた嘘かもしれないけど、
周囲の期待感や依存やらでがんじがらめになって引くに引けなくなり…
みたいな構図もあるんでしょうね～。集団心理的な恐ろしさも垣間見えました。
伊野と八千草薫
演じる未亡人の淡い恋のような交流には心温まります。なんと言ってもラストの八千草
さんの笑顔がとても可愛らしい！エンディング曲は心に沁みる曲で、これも良かったなぁ。
ディア・ドクター＠映画生活
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