~歩けばわかる やさしくなれる~
なんか良さげで見たくなるコピーじゃございませんか。映画『転々』の試写会に行ってまいりました。井の頭公園から霞ヶ関までいい年をした男二人がお散歩するという新しいロードムービー。大学8年生で借金あり&天涯孤独の文哉(オダギリジョー)に借金取りの福原(三浦友和)が散歩に付き合ったら100万円出すと提案し、二人の散歩が始まります。途中で文哉のファーストキスの相手(平岩紙)に会いに行ったり、福原の知り合いの女(小泉今日子)の家で数日家族ごっこをしたりして…というお話です。
ドラマ『時効警察』を髣髴とさせる絶妙な間の取り方と下手すれば失笑になってしまいそうなくらいギリギリの小ネタに溢れていたこの映画、上映時間の3分の2はこみ上げてくる笑いに対処するのが大変でした。クスクスならいいのですが、時々ブフッと大きめな音で噴き出してしまったりして(笑)。アクアフレッシュに、愛玉子に、ラコステと小道具も効いてますし、こんな事あるある!というシーン(これも小ネタというのかな?)がちらちら入っているのもまた良し。家族団欒の味を知らない文哉が家族ごっこでその味を知るところなんかはジワッと来ましたね~。家族ごっこのきっかけとなるふふみ(吉高由里子)は昔の吉川ひなのを思い起こさせるキャラで、テンションの高いしゃべりに歌に…かなりのヘンテコキャラでした。それにしても三浦友和ってこんなに味のある役者だったっけ?なんか見直しました。
散歩中の二人とは一切絡みがない別動隊の3人組(福原の妻のパート先の同僚)のシーンは…いやぁ、まさに『時効警察』の世界。岩松了とふせえりの相変わらずのやり取りに今や『ちりとてちん』ヒロインのお父ちゃんでもある松重豊が絡んで、、、気の抜けないシーンだらけ。この3人、エンドロール後まで見逃せません。
この3人と同じくらい必見なのが岸部一徳。セリフ全く無しでもあの存在感。街で見かけたら確実に「今日は何かいいことがある」と思えそうです(笑)。エンドロールの「岸部一徳:岸部一徳」というクレジットは笑ったなぁ。一徳さんと共に『象の背中』に重厚さを添えた笹野高史の畳屋さんもナイスでした。
ラストは驚くほどあっけなかったです。もう一場面あってもいいんじゃないかな、いや、それはそれで邪魔かな…うーん。ま、「ラストシーンにはそんなにこだわってませんから。」みたいな雰囲気がまたたまりませんけどね(笑)。
吉祥寺を愛する者としては、井の頭公園やいせやが出てくるのが嬉しかったですね。
転々@映画生活
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