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腎臓はある日突然力尽きる 異常値が出たら放置は禁物

2022-02-21 12:00:00 | 日記
下記の記事は日経グッディ様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

健康長寿を支えている私たちの「腎臓」。だが、健康診断の結果を見て、腎臓が弱っているかどうかを瞬時に知るのはなかなか難しい。尿検査の結果の多くは(-)(+)という記号で示されるだけだし、血液検査の項目も今一つなじみが薄い。腎機能はあるときから急激に落ちるため、気付いた時には深刻な状態になっている可能性もある。そうした事態を防ぐため、今回は、血液検査から腎臓の状態をどう知ればよいのかを見ていこう。
  • 健康長寿の生命線 「腎臓」を守る
腎臓の状態を知るために欠かせない、血液検査のクレアチニンとは?
血液中の老廃物をろ過して尿と一緒に排出するなど、生命の維持に欠かせない機能を担う、腎臓。「腎臓が悪くなると透析治療が必要になる」ということはよく知られているが、その異変を早めにキャッチする方法や、腎臓の健康を守る方法は、よく知らない人が多いのではないだろうか。
腎臓は、全身の血管の老化の影響を受けやすい臓器でもあるため、腎臓の機能が低下すると、心筋梗塞や脳卒中といった血管の障害を起こしやすくなり、死亡リスクも上昇する。腎臓の健康の維持は、健康長寿の生命線の1つと言っていいだろう。
だが、腎臓は、肝臓や膵臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれており、腎臓の異変を症状からキャッチすることは難しい。第1回では、そんな腎臓の異常を察知するのに非常に優れた情報源が「尿」であることを解説した。
今回は、腎臓の状態を示すもう1つの指標、健康診断の血液検査の項目にも入っている「クレアチニン」から何が読み取れるかを、横浜市立市民病院腎臓内科長の岩崎滋樹医師に聞いていこう。
健康診断の血液検査のうち、腎臓に深く関係するのは「血清クレアチニン」という項目だ。腎臓の異常を指摘されない限り気にする機会がない用語であり、「クレアチニンって何だっけ?」と思う人もいるかもしれない。だがこの数値、もし基準値を上回り、B判定やC判定がついているようなら、要注意だ。
図1 健康診断で腎機能を示す検査項目とは?
クレアチニンは「腎・尿路」の検査値として表示される。この図の基準値は男性のもの。
クレアチニンは筋肉の老廃物のような物質で、本来は腎臓でろ過され、尿とともに排出される。腎臓のろ過機能が落ちれば、ろ過しきれなかったクレアチニンが血液中に残ってしまう。血液中のクレアチニン(血清クレアチニン)の数値が高くなれば、腎機能が落ちたことが疑われるわけだ。
しかし、腎臓は我慢強い臓器で、少し悪くなったくらいで症状が出ることはない(第1回参照)。「血清クレアチニンの数値も、少々のことでは上がってきません。腎機能がかなり落ちてから急に数値が上がるのが、血清クレアチニンの特徴です。その理由は、血清クレアチニンが示すのは『見かけ上の腎機能』だからです」と岩崎医師は話す。
見かけ上の腎機能とは、一体どういうことだろうか。岩崎医師によると、腎機能とクレアチニンの関係は、「働く人」と「仕事の量」に置き換えると分かりやすいという。
クレアチニンが上がらなくても、腎機能は着々と落ちていく
「1日8時間労働で残業ゼロの人が、仕事量が2倍に増えて16時間労働になっても、何とかこなせば仕事は残りません。でも、仕事量がさらに増えて限界に達して倒れてしまうと、急に大量の仕事がたくさん残ってしまいます。それと同じことが、血清クレアチニンが『突然に増えた』ように見えるときに起こっているのです」(岩崎医師)
それをイラスト化したのが図2だ。
図2 腎機能が最後に急激に悪化するイメージ
血清クレアチニン(Cr)の基準値は男性1mg/dL以下、女性0.7mg/dL以下程度(検査機関により異なる)。2mg/dLを超えて老廃物を処理する作業員が減る(腎機能が落ちる)と、1人当たりの仕事量が増え、腎臓の負担が増す。(参考資料:岩崎滋樹『腎臓病をよく知りともに闘っていく本』p.127 桜の花出版)
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老廃物を処理するという腎臓の仕事を、10人の作業員が支えているとしよう(A)。作業員が5人に減る(腎機能が半分まで落ちる)と、作業員の1人あたりの仕事量は倍増する(B)。それでも持ちこたえるが、作業員が3人に減ると不眠不休で働いても老廃物を処理しきれなくなる(C)。いよいよ作業員が倒れて末期腎不全に至ると、透析に頼るしかない(D)。作業員は倒れるまで仕事をこなすから、処理しきれなかった老廃物である血清クレアチニンはなかなか上昇せず、症状も出てこないのだ。


腎臓を長持ちさせる「たんぱく質」「水分」「塩分」のとり方

腎機能の低下が気になる人向けに腎臓を守る生活のポイントを紹介する。腎臓の負担を減らすためには、水分はしっかりとるべきか、あるいはセーブするべきか、たんぱく質や塩分はどの程度に抑えればいいのか…よくある誤解を取り上げつつ、山積する疑問を解決していこう。
健康長寿の生命線 「腎臓」を守る 特集の内容

残された腎臓の機能を守るにはどんなことに気をつければいい?
加齢や高血圧、糖尿病などによって、じわじわと機能が落ちていく「腎臓」。腎臓の機能がゆっくり落ちていく病気の総称である「慢性腎臓病」が怖いのは、状態がかなり悪化してからようやく症状が出てくるところだ。しかも、一度落ちた腎機能は、生活改善や治療によって簡単に取り戻せるものではない(第2回参照)。
腎臓の検査値が悪くなり始めたら、残された腎機能を長持ちさせ、それ以上悪くならないよう対策を講ずることが大切だ。もし、腎臓の機能を悪化させる高血圧や糖尿病といった持病があるなら、それらの治療をしっかり受けて、血圧や血糖値を正常値に維持していくことも重要となる。そのうえで、腎臓をいたわる生活を心掛けていきたい。
では、具体的には日常生活においてどんなことに気をつければいいのだろうか。腎機能が低下してきた人の生活上の主な注意点を、表1にまとめた。
表1 腎機能が低下した人の生活上の注意
たんぱく質の摂取量を減らす
(そのぶん炭水化物と脂質で補う)

体重の増減が起こらないように注意する

水分をきちんととり、脱水が起きないように注意する

塩分摂取を減らす

血糖値や血圧が上がらないようにコントロールする

適度な運動を取り入れる

禁煙やストレス対策など

※推奨される食事や運動の程度は人によって異なるため、医師の指導を受けながら進めよう。ステージが進むとカリウムやリンの制限も必要になる。
3大栄養素のうち、腎臓の負担に関係するのはたんぱく質
「腎機能が落ちてきたとき、腎臓にかかる負担を減らすには、まずはたんぱく質の摂取を減らすことが大事です」と、横浜市立市民病院腎臓内科長の岩崎滋樹医師は話す。
腎臓が悪くなるとたんぱく質を制限しなければならない、と聞いたことのある人は多いだろう。腎機能が下がると尿にたんぱく質が出るようになり(たんぱく尿)、尿検査で引っかかってしまう(第1回参照)。そのことを踏まえると、「たんぱく質が尿中に出て失われているのに、なぜ摂取を抑えるのか? むしろ多く摂取するべきなのでは?」という疑問がわいてこないだろうか。
たんぱく質の制限が必要な理由について、岩崎医師は、「3大栄養素の特性を見れば分かります」と話す。3大栄養素とは、おなじみの炭水化物、脂質、たんぱく質だ。
3大栄養素のうち炭水化物と脂質は、体内で燃焼すると最終的に水と二酸化炭素に分解される。二酸化炭素は呼吸によって体の外に排出され、水は体に残っても害になることはない(図1)。
図1 3大栄養素のうち、腎臓から排泄されるのはたんぱく質だけ
一方、たんぱく質の場合はそうもいかない。たんぱく質が体内で燃焼すると、そこに残るのは窒素化合物(尿素窒素や尿酸など)という最終産物(老廃物)だ。窒素化合物は呼吸によって排出されることはなく、腎臓から排出されるしかない。そのため、腎機能が下がっていると、たんぱく質の摂取量が増えれば増えるほど、血液中の老廃物をろ過する腎臓に負担がかかることになる。
「第2回でお話しした通り、腎機能が下がると老廃物をうまくろ過できなくなります。その状態でたんぱく質をとり過ぎると腎臓の負担がさらに増大するので、非常に良くない状況になります(図2-上)。でも、たんぱく質の摂取を減らして腎臓の負荷が半分になれば、急激な悪化を回避することが可能です(図2-下)」(岩崎医師) 
図2 たんぱく質の摂取を減らして腎臓の作業量を減らせば、腎機能の低下を止められる
たんぱく質の摂取を減らすと血液中の老廃物も減るので、腎臓の負担を減らすことができる。Cr(血清クレアチニン)は腎機能の指標。(参考資料:岩崎滋樹『腎臓病をよく知りともに闘っていく本』p.129、桜の花出版)


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