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 孫に「何でも買い与える義母」スルーしていい理由

2022-01-07 12:00:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがるから、いい子になるのです」
「子どもを幸せにするのなんてとても簡単なことですよ。親が笑顔ならそれだけで子どもは幸せなのです。自分が親を幸せにしたと思って自信たっぷりに育っていくのです」
児童精神科医として40年以上、多くの子と親に接し、惜しまれながら2017年に逝去された佐々木正美先生のメッセージはいまなお、多くの親たちを励ましつづけています。
『この子はこの子のままでいいと思える本』では、佐々木先生が一番伝えたかったことを、親御さんたちの悩み相談に答える形で伝えています。
本稿では同書から一部を抜粋・編集のうえ、お届けします。

悩み1:孫に「何でも買い与える義母」
娘になんでも買い与える義母にイライラしてしまいます
(3才女の子の母)    先日、わたしは高熱と全身に発疹が出る症状が1週間以上続き、近所のクリニック、皮膚科、総合病院、大学病院と、何度も病院へ通いました。待ち時間の長い通院に3才の娘を伴うことは難しいので、近所に住む義母に預かってもらいました。
何度も快く預かってくれたことには感謝しているのですが、しつけについての考えの違いをあらためて実感し、イライラしました。うちでは与えていないジュースを毎回飲ませる、欲しがるおもちゃをなんでも買い与える……。はたから見ればささいなことだと思うのですが、これからも娘を預けることがあるかもしれません。この先ずっと続いていくのかと思うと憂鬱です。
娘には、おばあちゃんの家と、自分の家では考え方やルールが違うんだということをきちんと伝えていきたいと思っていますが、ほかによい方法があれば教えていただけないでしょうか。
子どもは多様な価値観の中で育つのがいい。「おばあちゃんとママとではルールが違う」ということくらい十分理解しています。親は将来の幸福を考えますが、祖父母はいま幸せを与えたいと思います。
祖父母と親とでは、子どもを育てるときの思いや姿勢が確かに違いますね。ママがダメというものでも、おばあちゃんなら買ってくれる。パパなら怒ることでも、おじいちゃんはしからない。そのような、しつけの方針の違いはままあることです。
一見、親と祖父母は矛盾しているようですが、子どもが健全に育つためには、どちらも必要なことなのです。
幼い子どもを育てる過程には、禁止したりしかったりする場面は必ずあります。しつけそのものは必要なことなのですが、子どもの自尊心を傷つけるという側面があります。傷ついた自尊心を回復させてくれるのが、「いいんだよ」と認めてくれる祖父母の存在です。この、別な価値観をもつ存在が大事なのです。
子どもの幸せに必要な「2つの視点」
親には、子どもの「将来の幸せ」を願う気持ちが強くあります。とくに日本の親は、将来のためにしっかりしつけをしようとか、勉強させようとか、そういう気持ちが他国の親に比べ、とても強いですね。それに対して祖父母は、「いま、目の前にいる孫を幸せにしたい」と思う気持ちが強いのです。だから、「むし歯になったら困る」などとは考えずにお菓子を与えます。
子どもの幸福のためには「将来」と「現在」、その両方の視点が必要です。しかし「将来」を考える親は、現在の幸福を犠牲にしがちです。そのゆがみや偏りを、祖父母が是正してくれているのだと思ってはいかがでしょう。
たとえばの話ですが、わたしがいつも親から「チョコレートを食べたらすぐ歯みがきしなさい」と言われていたとします。親の言うことは聞くけれど、きっととてもめんどうでしょう。チョコを食べる意欲を失うかもしれません。そんなとき、おばあちゃんが「ママにはないしょだよ」とチョコレートをこっそり食べさせてくれたらうれしいでしょうね。でも、わかっているんですよ。これは「たまに」だからいいんだと。
家と外とではルールが違うということを、子どもは理解しています。3才でもわかります。お母さんは「なぜ家ではジュースを飲ませないのか」という自分の価値観を穏やかに伝えればいいのであって、おばあちゃんを否定したり、引き合いに出したりする必要はありません。同様に、お母さんがおばあちゃんの価値観に迎合する必要もありません。
これから先も、子どもは異なる価値観を受け入れて成長していきます。友達の家には友達の家のルールや文化があること、担任の先生が変わるたびに教室内でのきまりが変わること、小学生と中学生では求められるものが変わること……その1つひとつを子どもはとまどいながらも受け入れます。たった1つの価値観の中で育てられるはずはないし、もしそんなことがあるとすれば、子どもはひどく薄っぺらな人間になってしまうでしょう。
「この先ずっと続いていくのかと思うと憂鬱です」とありますが、そんなことはありませんよ。祖父母と孫が親しく過ごす時間は本当に短いものです。子どもも甘えなくなりますし、祖父母もそれを感じとります。
けれど、あたたかい関係はちゃんと残るのです。わが家の例ですが、うちの子たちは祖父母に本当にかわいがってもらったので、祖父母が衰えて手助けを必要としたときに、イヤな顔をしたり、「あとで」と断ったりすることは絶対にありませんでした。物をとってほしいとか、少しだけ肩を貸してほしいとかいう祖父母の願いを、彼らはいつも快く引き受けていました。それは幼いころ、祖父母に同じようにしてもらっていたからにほかならないのです。
祖父母は、親にできないことをしてくれる存在です。そしてまちがいなく、あなたのお子さんをかわいがってくれている人です。愛情を惜しげもなく与え、幸福を願っている人なのです。そんな人は、ほかにはいません。その愛情をもらわないのは、本当にもったいない話です。
悩み2:すぐ「家を出ていく」小1娘
カッとなって家を出て行く“独立心旺盛”な娘に手を焼いています
(小1と4才女の子の母)    先日、母子3人で入浴中に、娘2人が大ゲンカをしました。どう見ても長女のほうが悪かったので、つい一方的に怒ってしまったところ、長女は「こんな家にはいられない!」と言い放ち、びしょびしょの髪のまま家を出て行きました。わたしも次女もあわてておふろを出たのですが、着替えなどに手間どり、追いかけたのは15分後。マンションの外階段にうずくまっていた長女を発見しました。
結局、家のまわりをウロウロしていただけのようですが、「7才でも家出するんだぁ」とびっくりしました。思えば、4才のころから「早く結婚して2人で住むからパパとママはついてこないでよ」と言う子でした。居心地の悪い家庭にはしていないつもりなのですが……。娘のような独立心旺盛なタイプは、気をつけないと将来的に「家出少女」になるのでしょうか?
小学生になったら、親は子どもを後ろから見守る時期ともいいますし、悩むところです。
「家出」は甘えたい気持ちの表れ。本当の独立心は、親にたっぷり依存して安心できて初めて育つものです。
行動の根っこにあるものは妹に対するやきもちなのかもしれません。
この子は「独立心旺盛」でしょうか。わたしはまったく逆だと感じました。お母さんに甘えたくてたまらない子です。妹のほうがお母さんにかわいがられているように思えたのでしょう。自分の気持ちをわかってほしくて、でもそれを言葉で言えなくて、態度で示そうとして家を飛び出したのです。それなのに、お母さんは15分もたってから迎えにきたんですね。この子は外階段の下で、ぬれた髪のまま、お母さんを待っていたのです。その気持ちを考えずに、「独立心」という言葉で納得してはいけません。
ご心配していらっしゃるように、家に戻らず友達の家を泊まり歩く「家出少女」たちも、根っこは同じです。けっして独立心が旺盛なのではなく、自分にもっと目を向けてほしくて、家を出るという極端な行動に出ているだけです。
子どもが本当の意味で自立するためには、家庭に十分なやすらぎと安心を感じる必要があります。イギリスの乳幼児精神科医ウィニコットはこう言っています。
「幼い子にとって母子分離なんてものはありません。お母さんとの関係で十分な安全感(守られているという安心感)を得て、その安全感を持ち歩くようにして、親から少しずつ離れていくのです」と。
子どもは誰しも、新しい世界に出ていくことにおびえと不安を感じるものです。けれど、お母さんへの信頼をしっかり実感できれば、それを安心材料のようにして外の人とのつながりがつくれるようになるのです。
外でいきいきするのは「帰る家のある子」
たとえば不登校の子が学校に行けるようになるのはどんなタイミングかというと、自分の親との関係がよくなり、家庭が本当の意味で居心地よくなったときなのです。外でいきいき活動できる子というのは、帰る家のある子です。子どもは、居心地が悪いから家を出ていくわけではありません。居心地のいい家庭で十分エネルギーをため込むことができたから、自信をもって家を出ていけるようになるのです。逆に言えば、親に不安感をもっているうちに親から離れることほど、危ないことはありません。
このお子さんの心のうちには、「自分より妹のほうが親に愛されている」という思いがあるのではないでしょうか。「2人きょうだい」に顕著なのですが、上の子は「自分は下の子ほど愛されていない」と思いがちです。下の子が生まれるまでひとり占めしていた親の愛情を、下の子の誕生によって半分、いえ、本人にしてみれば「ほぼすべて」奪われてしまうという経験をするからです。
このお子さんも、4才ごろから「ひとりで暮らしたい」と言い始めたのですね。おそらく下の子に親の愛情をとられてしまったと感じ、その不安感がこのような言葉で表現されたのではないでしょうか。
いまからでも遅くはありません。「あなたが大事」「あなたが大好き」というお母さんの思いを、どうぞ上の子に伝わるように届けてください。
「今夜は何が食べたい?」と聞いてみよう
いちばん簡単で伝わりやすいのは、食べ物です。上の子に「今夜は何が食べたい?」と聞いてみてください。思い浮かばないようであれば「スパゲティとオムライス、どっちが食べたい?」と選ばせるのもいいですね。おやつも喜びますよ。「あなたの好きなシュークリームを買ってきたよ」というように、この子の好物を買ってきてあげるのです。
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子どもというのは、たったそれだけのことがうれしいのです。「親に愛されている」と伝わるのです。あまりにささいなことなので親はつい忘れてしまうのですが、それを丁寧に繰り返してみてください。
小学生になったら、「親は後ろから見守るのが当然」というわけではありません。この子はまだ、その段階に来ていないと感じます。寄り添って、支えて、あなたが大好きだよと何度も繰り返し伝えて、「うちがいちばんいい」「親のそばが安心だ」と思わせてあげてください。お母さんにたっぷり甘え、時には反抗し、その気持ちをしっかり受け止めてもらった先に、この子の本当の「独立」があるのだと、わたしは思います。


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