自然食品店・オーガニック珈琲店「ろばや」のブログ

小金井にある自然食品店『ろばや』のブログです(※2014年2月閉店しました。珈琲、紅茶、一部の雑貨等は国分寺店にて継続)

春の皿 ~ノカンゾウ編

2009年03月22日 20時43分23秒 | 青果・レシピ
ここ数日、ろばや小金井店の店頭に並ぶようになった「野萱草(ノカンゾウ)」と「蕗の薹(フキノトウ)」で春のパスタをつくってみました。

「ノカンゾウ」とはちょっと馴染みの薄い名前ですが、藪の中に咲くきれいな橙色のユリの花は、見たことがある方も多いはず。日本全国の土手や山の中など、やや湿った場所に自生するユリ科ワスレグサ属の多年生植物で、花が咲くのは7月頃。春には柔らかい茎や葉を食用に、初夏につく花の蕾は不眠症などに効く「金針菜」(きんしんさい)という生薬の原料になるそうです。

野萱草の葉は生のままかじっても特に苦味もなく、茹でても炒めてもおいしく頂けます。おひたしを酢味噌や胡麻ダレで和えれば春らしい一品に。お酒のお供にしてもよさそうです。

今日のパスタには「春の使者」、蕗の薹(フキノトウ)も加えました。フキノトウはみじん切りにしてノカンゾウと一緒に炒めます。味付けは塩、胡椒、醤油少々ですが、苦味はフキノトウの量で調節できます。パスタ2皿分に対してフキノトウ一つ分だと苦味は「ほんのり」、ですが、もう少し季節を感じたい方は2つ分、3つ分加えてもいいと思います。苦味が気になる方は刻んでから水に晒したり、パスタを茹でるお湯で湯掻いてもいいかもしれません。

春のパスタには野萱草のほか、同じユリ科の野草「野蒜(ノビル)」もおすすめです。




★野萱草(ノカンゾウ)と蕗の薹(フキノトウ)のパスタ(2人前)

〔出演〕

・スパゲティ2人前
・野萱草(ノカンゾウ) 1袋(写真参照)…3cm程に刻んでおく
・蕗の薹(フキノトウ) 1~3個…刻んで水に晒しておく
・新玉葱 小1玉…薄くスライスしておく
・オリーブオイル 加熱用、生食用…胡麻油でもOK
・にんにく 1/2片
・塩(ゆで用)、おいしい塩(仕上げ用)、粗挽き黒胡椒
・おいしい醤油
・白炒り胡麻

※調味料や油は、比較的大量に使う「ゆで/炒め用」と、隠し味などの「仕上げ用」を使い分けると貴重な素材を効率的に使えて便利です。


〔手順〕

1.鍋で湯を沸かし、塩を一つかみ入れてよく沸騰させてからパスタを茹で始める。
2.フライパンで温めたオリーブオイル(加熱用)にニンニクを加え、弱火で炒める。
3.ニンニクが薄いきつね色になったら、新玉葱、ノカンゾウの根元、葉の順に炒める。
4.フキノトウを加え、おいしい塩、粗挽き黒胡椒で味付けする。
5.茹で上がったパスタをザルに上げて湯を切り、フライパンに入れて野菜と絡める。
(スープパスタ風の仕上がりが好きなら、パスタの茹で汁を少々加える)
6.お好みで、少量の醤油をたらして、できあがり。
7.皿に盛り付け後、生食用のエクストラバージンオリーブオイルをかけ、白炒り胡麻を振るとさらにおいしくなります。

※にんにくと一緒に、生椎茸やエリンギなど、肉厚系キノコ達のスライスをカリッと炒め、ちょっと濃い目に味付けしておくと食べ応えがぐんとアップします。



●オリーブオイルについて
有機栽培のオリーブオイルはいくつかありますが、生食用のエクストラバージンオリーブオイルはスペイン・チャンベルゴ社製のオイル(500ml入り/写真右)が、(個人的に)大変おすすめです。レンガ色の遮光ビンでデザインも素敵な上、「飲める」ほど美味しい、のです。伝統的なコールドプレス(低温抽出)によるオイルというだけでなく、遠心分離も濾過もされておらず、「絞りたてのジュースのよう」という謳い文句も大げさでないことが分かります。香りも食味も素晴らしいですが、何より「口当たりが軽やか」なのです。オリーブの品種が「アルベキナ種」という高級種であることも、この軽やかさの理由なのかもしれません・・・と、知れば知るほど贅沢な品物ですが、生野菜やパンにかけるだけで「一品」として仕上がる、ありがたいオイルです。
(尚、製品には注ぎ口ついた専用蓋が添付されています。この注ぎ口をつけたまま保管する場合は、中のオイルが外気に触れないよう、アルミホイルなどで口部分を覆うことをおすすめします。)

価格的にもう少し気軽に使えるオイルとしては、カルボネール社のオーガニック・エクストラバージンオリーブオイル(500ml)があります。スペイン・アンダルシア産の有機栽培オリーブを低温抽出した無濾過のオイルで、上品な香りとフルーティーな味わいが特徴。使い勝手も◎です。

心身ともに軽くなりたい春には、シンプルな旬の野菜料理にちょっと贅沢でヘルシーなオリーブオイル。この組み合わせがおすすめです。

(夏)

最新の画像もっと見る