『ろばや』のブログ

現在このブログは更新を停止しています。最新情報はホームページをご覧下さい

カフェインのはなし

2018年01月27日 | 珈琲

コーヒーと言えば、カフェインを気にする方が多いと思います。カフェインは植物に含まれるアルカロイドの一種で、脳内物質に似た構造をしており、「目が覚める」などの覚醒作用のほかに、血管拡張、基礎代謝の促進、骨格筋興奮作用など様々な効果・影響があることが分かっています。アスリートの運動能力を一時的に上昇させる効果から、ドーピング検査の対象にもなっていたそう(2004年に禁止薬物からは除外)。

一方、コーヒーにはカフェインを上回る量のポリフェノールが含まれ、健康効果についても時々話題になります。「コーヒーを1日3~4杯飲む人は、全く飲まない人に比べて心臓や脳血管、呼吸器の病気で死亡リスクが4割程度低い」という研究結果(国立がん研究センター)がありましたが、それでも「1日5杯以上」飲む場合には全く飲まない人に比べてリスクがやや上昇するなど(心疾患の場合)、摂り過ぎはよくないようです。

カフェインには利尿作用もあるため、暑い時季の水分補給には不向きです。長期間にわたって毎日飲み続けているとカフェイン依存症になる可能性もあります(離脱症状は頭痛、イライラ、不安など)。ポリフェノールの健康効果は大きなメリットですが、脳に侵入するカフェインの特性、子どもへの影響を考えると妊娠・授乳中の方は避けたほうがよいですし、妊婦については世界保健機関(WHO)も一日のコーヒーの摂取はカップ3~4杯以下にするよう勧告しています(英国食品基準庁は1日200mg以下を推奨)。カップ一杯のコーヒーに含まれるカフェインは60~180mgですが、緑茶、紅茶、カカオにもカフェインが含まれるので、好きな方は全体的なバランスに注意が必要です。

このカフェインを除去したものが「デカフェ」(英語ではDecaf=ディキャフ)です。以前は「デカフェはおいしくない」と言われていましたが、加工技術が進化して風味が向上したこともあり、ここ数年で随分認知されるようになってきました。カフェインを抜いていない普通のコーヒーに比べると香りも味も及ばないのは確かですが、妊娠中や服薬中の方など、色々な状況の方と一緒に飲めるコーヒーとして、選択肢のひとつに加えてみるのはいかがでしょう。

尚、コーヒーを飲むと胃が荒れる、というのは、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種(クロロゲン酸)に胃酸の分泌を促進する作用があるからだそう。胃が弱い方は空腹時を避け、食べ物やお菓子と一緒に、または食後に飲むことをお勧めします。  

(夏)


最新の画像もっと見る