『ろばや』のブログ

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上野さんからのお手紙 10月「秋の実りに恵まれて明日みる」

2017年10月25日 | 生産者

コシヒカリ新米とともに届いた上野長一さんからのお便りを紹介します。上野さんは栃木県上三川町で長年農薬を使わない米づくりに取り組んでこられました。今年は夏の天候不良で稲の病気、収量減など大変な影響があったようです。けどこのお手紙で私が一番驚いたのは上野さんの長年のライバル「クログワイ」との闘いに大きな進展があったことです!田んぼだけでなく生態系全体への並々ならぬ上野さんの観察力を感じます。 (早川)

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 いつもいつもありがとうございます。

 ここまで稲刈りも大きなトラブルもなく進んできましたが、収量は少ないようです。栃木県は作況指数も悪く、不良と好評されました。 例年より二~三割少ないようです。その上クズ米は例年の何倍も出るしまつです。(すくわれるのはクズ米30kg3千円と例年の五倍くらいの高値)

 品質も悪く、その上病気も多発。特に穂が出てから稲穂が付け根のところでイモチ病におかされ枯れるもの ゆうれい病で茎ごと枯れ、白穂に。また、コウジカビ病になり米粒がカビでパチンコ玉ぐらいにみどりのカビでおおわれるなど病気も多かったです。特に8月から出穂(しゅっすい)に入った稲は良くない結果となりました。

 ただ私にとって長年の課題、雑草(特にクログワイ)に対して、今までにない成果を上げました。

 今年は昨年秋に地力作り、稲の肥料として生のケイフンを入れました、田植えまでに草を生やすというこころみをしたところ的中。そのことによってクログワイに稲が勝され草をおさえたのです。それだけではありませんが、今までは田植え前まで草を生やさないよう耕運したり、田植え前の床かきを三回も行ったりと、生やさない為のことばっかり考えておりました。が、そんなことを行っても昨年一枚の田んぼ、田植えして一ヶ月もたたないのに草なのか稲なのかわからず、再度田植えをやり直したところ草がずいぶんおさえられた経験によって、そのような草の生える田んぼは川に水が来たら、一回田を均平にする為に床かき、そのまま20日間位放置し、草が青々と育った六月の中旬、もう一度上床かき(田植え前の床かきのこと)し、田植え行ったことも、ケイフンと合せ、草をみごとにおさえてくれまして、今年の大きな収穫です。もうクログワイは有機の農業30年 長年の課題でしたので、うれしい限りです。

 これも様々なめぐり合いの中、さぐりあてたのかなと思っております。

 稲刈りも残り1/4ですが、今年は色々米も倒してしまいました。欲が出たことと、品種選定も大きな原因のようです。そんな倒れた稲を見るとつらいし、作業の大変さが心に重たいです。また振り出しなのかと思いも深く、来年へと。そしてもうすでに来年に向けての稲作りも始めております。 肥料としてケイフンも入れ始めたり。人家の近くは臭うこともあり使用できず、そんな田にはれんげ草も稲の収穫後に種をまいてあります。

 来月には冬水たんぼを今年も行います。白鳥が来るのが楽しみなんですが、太陽光パネルが出来てからはあまり来てくれなくなりました。人にはわからない、鳥にとってはマイナスなことが多いのだろうと思ってます。

 また今年は耕やすこと(を)秋から春まで止める田も作ります。そこで冬草、春草、夏草の関係を見たいと思っております。

 草達も肥料。冬草が夏草をおさえるのではと自分なりの直感です。草も同じことを何年も続けると耐性がつくのだろうと思っております。

 ここ三~四年はプラウ耕で土を秋の内に反転させて深耕と雑草の球根を冬に凍らせる対策をとってきましたので、今年は大きく変える意味でも止めるつもりです。草ばかりでなく、生き物、特に越冬する生き物に対して、マイナスでもあるのではと考えておるからです。

 今年の稲まだ終わってもないのに、来年の企てる気の早い人間で、笑われそうです。

 今年は近所の農家より、稲刈りを頼まれました。コンバインが壊れたり、乾燥機が壊れたりして、刈って頂けないかと来られました。ので、いやとも言えず刈りとりしてあげました。みなさん私と同年代、息子達は別な仕事、外で働いておりますので、もう機械更新はしないことにしたとかです。どんどん稲作りの仲間が減って行きます。どうなるんだろうか?

 新米です。よろしくお願いします。夏の天候、もろにお米にも出ておりますね。合掌。

 

 


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