『ろばや』のブログ

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モカの不在

2014年05月14日 | 珈琲

 久しぶりの投稿でなんとも申し訳ないタイトルですが、有機栽培「モカ」がありません。生豆が入ってこないのでそうなるわけですが、「モカ」がないと、「モカブレンド」も作れません。ついでにドリップバッグの「モカブレンド」も作れません。

 どうしてこんなことを書くかというと、「モカ」「モカブレンド」を目指してご来店下さる方が、たまに、というか、結構いらっしゃるわけですね。モカは「酸味系が苦手」な方にも一度はおすすめしたい珈琲でした。過去に何度も生豆が在庫切れとなっている、不安定な珈琲とも言えます。

 「モカ」というのはもともとイエメンの港の名前で、大昔は一帯で収穫されたコーヒー豆はそこから世界へ出荷されたそうです。今ではその港は使われていないそうですが、「モカ」と呼ばれるコーヒーには、イエメン産のものと、コーヒー原産国であるエチオピア産のものがあり、ろばやの「モカ」はエチオピアのイルガチャフが産地です。

 モカの魅力は何と言っても「香り」、そしてさわやかだけど奥行のある、フルーティな酸味、でした。モカのない珈琲屋は、プリマのいないバレエ団…と言ったら言い過ぎですが、まぁ、それくらい「ないんですよ~」と答えるのに欠落感を覚える存在でもあります。そしてその先は必ず「じゃあどれが一番近いんでしょう?」という質問を受けます。

 プリマ欠番のメリットはやはり「代役」に光が当たることではないでしょうか。同じ酸味系で行くならニカラグアあたりかなと思いますが、モカの名声の陰でかすんでいた、他の候補者にも意外な魅力があって、「ほ~」と唸ってしまうことがあります。コロンビアのオーソドックスな安定感、ブラジルの「天日干し!」な感じとか、ラオスはやっぱアジアなんだなぁ~とほっとしたり。同じ「コーヒーノキ」の実であっても、気象条件や土壌、栽培方法・精製法によってこれほどバリエーションがあることに面白さを感じます。

 そういう意味では同じエチオピア産の「ベレテ・ゲラ」を淹れて、品種改良していない珈琲を味わってみるのもおすすめです。コーヒーの「原産地」であるエチオピアの、アラビカ種、さらにその品種改良していない原木。「ここ」から世界のアラビカ種が、「モカ」が発展していったのかぁ~、というルーツを確認して感慨に浸る…。森林の減少が危ぶまれるエチオピアに思い馳せながら。

 最近なんとなく見過ごしがちだった「ルワンダ」を、取引先のカフェで頂いて、「あ、こんなにおいしかったっけ?」と思ったついでに「モカ欠番のメリット」を書きたくなりました。肝心の「モカ」は今月再入荷の「予定」(あくまで予定)です。

(夏)





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