10月29日(金)
ウルムチ観光 (紅山公園、新彊ウィグル自治区博物館)
ウルムチ →専用バス→ トルファン
トルファン観光(バザール)
8時モーニングコール、それでも外はまだ暗い。ウルムチは北京と1時間の時差があるが北京時間に合わせているとのこと。
8時30分、不気味な骸骨のイラストが描かれているディスコ会場で朝食、連日の中華料理のせいかあっさりしたお粥が美味しかった。
10時出発、外は小雨が降っている。ウルムチでは雨は貴重、ガイドから日本人が雨を持ってきてくれたと礼を言われる。
近代的なオフィスやショップが並ぶ繁華街を通り、紅山公園に向かう。人気がない遊園地を抜けると展望台に出る。高層建築物や高速道路が見え、ここは人口200万人の大都会なんだと納得する。頂上の岩山の上に小さな石造の塔が建っているのが見えた。この塔は鎮龍塔と言い、1776年に洪水等の災害を及ぼす悪霊からウルムチを守るために建立されたもので朝日や夕日があたると紅山の名の通り赤く染まるとのことであった。
頂上付近の柵に鍵が沢山下がっているのを発見、ガイドに聞いたところ、恋人が心変わりしないようにと願をかけたものとのこと、恋心は何処も同じ心情になると言うことであろう。
街路樹に根元から高さ1メートル位の高さまで石灰の様なものを塗っているのが目についた。虫除けだろうか、ガイドに聞きそこねた。
次にバスは新彊ウイグル自治区博物館に向かう。大きな新館が建築中で、現在使用している建物は玄関に日除けのある博物館とは思えない小さな建物であった。
ガイドから「博物館にはトイレがないので別棟のトイレを使うように」と言われツアー一行は言われるままトイレに入った。ここで思いがけず中国式トイレと遭遇することになった。
小便器は2つの内1つが壊れ、2つの大便器は扉がなく、高さ90センチ位の横の仕切りのみ、当然汲取式で臭いもキツイ。私は誰もいないと思って小田実の「何でも見てやろう」精神で大便器を詳しく観察しようと覗くと、そこに中国人がこちらを向いてしゃがんでいた。目が合ったが何事もなかったように平然としていたが、こちらは大いに慌ててしまった。
みすぼらしい建物で少しがっかりさせられ、凄まじいトイレのことが頭から離れないまま博物館を見学したが,大変感動させられた。特に桜蘭から発掘されたミイラは素晴らしかった。その内のいくつか紹介したい。撮影禁止のため写真をお見せ出来ないのが残念である。
推定年齢40歳の女性のミイラは毛皮の服を着て毛皮の靴を履いていた。皮膚や髪は完全に残っており驚くほど保存状態が良い。長い金髪からヨーロッパ系と言われている。当時の中国とヨーロッパの交流がしのばれる。
生まれて間もない赤ん坊のミイラは丁寧に布に包まれ、帽子を被り何故か両眼には石が置かれていた。ガイドによるとこの世を見ないですむようにとの親の願いが込められているとのこと、この世が素晴らしいからか、醜いからか聞きそこねてしまった。知っている人がいたら教えて下さい。布と帽子の色は鮮やかであった。いつの世も変わらない親の子への思いが伝わってきた。
夫婦並んだ状態で出土したミイラがあった。夫が早く亡くなり、30年後、妻が亡くなった時に夫の墓を掘り返し並べて葬ったとの説明であった。妻の思い、家族の思いがあってこのような埋葬になったのであろう。夫婦や家族の絆の強さを感じた。
O脚の将軍のミイラがあった。常に馬に乗ってのでO脚になったのである。一種の職業病であろう。
中国のミイラはエジプトと異なり内蔵を付けたままミイラ化しているとのこと、それほどこの地域は乾燥しているとのことであろう。ミイラ以外の出土品も当時の生活がしのばれ大変興味深かった。ツアーの宿命、残念ながら全部見きれないで移動の時間となってしまった。トルファンに行かれたら必ずこの博物館を訪れて下さい、お勧めいたします。
この博物館で今までの好奇心的ミイラ感から異なるミイラ感を得たと思った。大げさに言えば人が生きていることの意味を教えてくれる存在、私はこれらのミイラに親しみさえ感じた。
ホテルのレストランで昼食、そして昼食後、例によって土産屋へ立ち寄らされる。アンティックのトンボ玉を買う。3個で5000円ちょっと高い。
バスはいよいよウルムチを離れ150km先のトルファンに向かう。真新しい道路は往復4車線、中央分離帯がやたらと広い。時折旧道が並行して走る。周囲は砂漠、ただ道路だけ一直線に走っている。
旧道には時折ポツンと崩れかかった日干しレンガのドライブインのような建物が見える。車が停まっていたり、まったく人影が見えない建物もある。新道ができて役割を終えたものかと想像する。
しばらくすると砂漠の中に数十基の風力発電機が見えてきた。びっくりしたが巨大な風車と砂漠の組合せは違和感がなかった。それどころかモダンアートのような感動があった。
今にも砂漠に呑み込まれそうにチョロチロ流れる川、その周辺に息も絶え絶えの樹木が
見える。そんなところを男が一人歩いていた、周囲には集落らしいものも見えない、一体何処に行こうとしているのか。
途中のドライブイン(ちゃんとした建物)で小休止をとって、走ること3時間ようやくトルファンの町に入る。バザールを見たいと言う客の要望で予定外のバザール見物となる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます