6月20日 メキシコ アカプルコ (その2)
あまりの暑さだったのでクーラーの効いたマックでアイスクリームを食べる。支払いはドルが使えたがおつりはペソだった。
ビーチを散策したり民芸市場をのぞいたりしながらトパーズ号が停泊する旧市街に向け歩く。観光客の70%がアメリカ人とハイヤーの運転手が言っていたがなるほど家族連れのぶくぶく太ったアメリカ人が目立つ。日本人は10%とのこと。
ビーチのゴミが気になる、海もジャマイカのような透明感はない。ビーチにいる観光客目当ての果物、飲料水、土産等を売る物売りがビーチを歩き回っている。
昼食は外資系ホテルの1階の海が見えるレストランに入り、ひき肉のチリソース、子牛のタコス、ビールを注文する。アカプルコ生まれのメキシコ人に推薦されたタコスはなるほど美味しかった。料理は75ペソ、ビールは25ペソ、2人分で合計248ペソだった。
珍しい鳥が沢山いると言うパパガージョ公園はカラスとアヒルしか見られず期待外れだった。気に登っていくリスを見ることができたので良しとする。
ビーチに戻って船まで歩くことにする。途中パラソルを借りて休む。使用料2ドル、ビール3ドル,少し高いが言い値で支払う。買ったマンゴをつまみにパラソルの日陰で飲むビールは格別だった。「ベリーコールド!」と言っていたがその通り、しっかり冷えていた。ビーチはバカンスシーズンではないので観光客は少なく、静か。しかし、少ない客を狙って物売りが声をかけてくるのでのんびり景色を楽しめない。
物売りの売込みに辟易していると、今度は右手が無い老女の物乞いが来る。お金を恵んでくれと言っていると思えたので、妻が持っていた小銭を4枚あげようとしたが受け取らずに行ってしまった。一瞬唖然としてしまった。小額だったので受け取らなかったとしか解釈出来ない。どんな小額であろうと喜んでもらうと言う常識が通じない世界があることに気づかされた。お金を持っている者が持っていない者にお金を恵むことはあたりまえ、貧しい者はもらう権利があると言うことであろう。船で世界を回りながら名所旧跡を訪れ、毎日美味しい料理を腹一杯食べる生活、こんな生活を夢として持つことも出来ない者にとって、贅沢の一部を割くことは義務で、貧しい者はそれを受け取る権利があると言うことであろう。
土産屋街の表/小さな店が集まっている
土産屋街の中/暑いので買物どころではない
外資系のショッピングビル/あまりの暑さに参って避難する
外資系ホテルにあるレストラン
信号待ちの車のガラス拭きをする青年
ビーチでマンゴを売る青年/嬉しかったのか十字を切っていた
ホテルの日陰で寝ているホームレス
ビーチの風景/シーズンオフで人影も無い
ビーチの風景/土産屋
これからのメキシコを担う中学生
2人とも複雑な思いで船に戻り、シャワーを浴びて気分を変えてメキシコのプロレス「ルチャリブレ」会場に向かう。50ドル分のペソが残っていたのでスーパーマーケットでテキーラ2本、下着、リンゴを買う。
「ルチャリブレ」の会場はごみごみしたいかにも下町と言ったところにあった。会場の建物は古くうらさびれている、クーラーの効いた館内でプロレス観戦と期待していたが無理そう。館内に入ると中央にリングがあり,その周りに粗末な椅子が囲んでいる。恐れていた通りクーラーは無く巨大なファンが熱気をかき回しているだけでやたらと暑い。
アカプルコ市民と一緒にプロレス観戦が出来ると思っていたがピースボートの貸し切りであった。一番前の席をとり、12ペソのビールを飲みながら試合が始まるのを待つ。クーラーの効いた船に一刻も早く帰りたい気分であったが、冷えたビールが私を押しとどめてくれた。
7時40分少し遅れて試合開始、アナウンスはピースボートの西川さんであった。試合は女子も入れて5試合、日本人はウルティモ・ドラゴンを含め8人も出場する。ウルティモ・ドラゴン(浅井義浩)はNHKのドキュメンタリー番組で紹介されたことがあるメキシコで有名な日本人レスラーである。我々もたまたまそのドキュメンタリー番組を見たので興味があった。
ウルティモ・ドラゴンと大浦甫、下田美馬が水先案内人(ゲスト)としてジャマイカから乗船し「ルチャリブレ」の魅力を紹介した。今日の試合はそのお礼と激励を込めて企画されたもの。
まず、日本人同士の試合から始まる、プロレスラーとは思えない貧弱な体格であったが動きが機敏で見応えはあった。日本では通用しないのでメキシコでプロレスラーの夢を実現させたと言った感じである。下田美馬は体格も良く技もあって充分通用する、今日は悪役としてメキシコ人と戦う。セミファイナルは日本人が1人入った3人対3人の試合、日本人以外は立派な体格、この貧弱な体格の日本人を助けながら最後は勝つと言うストーリー。試合はユーモラスな場面もあって楽しんでもらおうとするサービス精神に溢れている。場外での乱闘もあり我々の席まで巨体が飛んでくるおまけまで付いていた。
メインイベントはウルティモ・ドラゴンと日本人の2人と悪役のメキシコ人2人の試合、ウルティモ・ドラゴンは小柄ではあるが鍛えられた体と技は一流、連続技は大きく切れ味があって、且つ技が一つ多い、メキシコで有名になっただけのことはある。悪役にぎりぎりまで痛めつけられるが最後は得意の連続技で逆転勝利するストーリーは分かりやすい。勧善懲悪のプロレスがアメリカに痛めつけられているメキシコ人に人気があるのが分かる様な気がした。若者も熟年も大声でウルティモ・ドラゴンを応援し、悪役にはブーイングを浴びせ盛り上がった。
試合終了後、ウルティモ・ドラゴンから「勇気をくれてありがとう」との挨拶があったが、遠いメキシコのクーラーも無い粗末な会場で夢を持って頑張っている彼らから励まされた。
華やかなリゾート地であるアカプルコでもメキシコの現実が反映されていた。観光客が利用する快適な外資系ホテル、レストラン、ショッピングビル、ファーストフード店の一方でそのわずかなおこぼれをちょうだいするクーラーもない地元の土産屋、信号待ちの間に窓拭きをする青年、ビーチの物売り、ホームレス、乞食、持てるものアメリカと持てないものメキシコの格差でもあった。
プロレス会場/庶民が住む街の一角にある
プロレスラーが飛んでくるとは思わず最前席に座る
場外乱闘/危うく難を逃れる
ウルティモ・ドラゴンの勇姿
出航風景
出航風景
あまりの暑さだったのでクーラーの効いたマックでアイスクリームを食べる。支払いはドルが使えたがおつりはペソだった。
ビーチを散策したり民芸市場をのぞいたりしながらトパーズ号が停泊する旧市街に向け歩く。観光客の70%がアメリカ人とハイヤーの運転手が言っていたがなるほど家族連れのぶくぶく太ったアメリカ人が目立つ。日本人は10%とのこと。
ビーチのゴミが気になる、海もジャマイカのような透明感はない。ビーチにいる観光客目当ての果物、飲料水、土産等を売る物売りがビーチを歩き回っている。
昼食は外資系ホテルの1階の海が見えるレストランに入り、ひき肉のチリソース、子牛のタコス、ビールを注文する。アカプルコ生まれのメキシコ人に推薦されたタコスはなるほど美味しかった。料理は75ペソ、ビールは25ペソ、2人分で合計248ペソだった。
珍しい鳥が沢山いると言うパパガージョ公園はカラスとアヒルしか見られず期待外れだった。気に登っていくリスを見ることができたので良しとする。
ビーチに戻って船まで歩くことにする。途中パラソルを借りて休む。使用料2ドル、ビール3ドル,少し高いが言い値で支払う。買ったマンゴをつまみにパラソルの日陰で飲むビールは格別だった。「ベリーコールド!」と言っていたがその通り、しっかり冷えていた。ビーチはバカンスシーズンではないので観光客は少なく、静か。しかし、少ない客を狙って物売りが声をかけてくるのでのんびり景色を楽しめない。
物売りの売込みに辟易していると、今度は右手が無い老女の物乞いが来る。お金を恵んでくれと言っていると思えたので、妻が持っていた小銭を4枚あげようとしたが受け取らずに行ってしまった。一瞬唖然としてしまった。小額だったので受け取らなかったとしか解釈出来ない。どんな小額であろうと喜んでもらうと言う常識が通じない世界があることに気づかされた。お金を持っている者が持っていない者にお金を恵むことはあたりまえ、貧しい者はもらう権利があると言うことであろう。船で世界を回りながら名所旧跡を訪れ、毎日美味しい料理を腹一杯食べる生活、こんな生活を夢として持つことも出来ない者にとって、贅沢の一部を割くことは義務で、貧しい者はそれを受け取る権利があると言うことであろう。
土産屋街の表/小さな店が集まっている
土産屋街の中/暑いので買物どころではない
外資系のショッピングビル/あまりの暑さに参って避難する
外資系ホテルにあるレストラン
信号待ちの車のガラス拭きをする青年
ビーチでマンゴを売る青年/嬉しかったのか十字を切っていた
ホテルの日陰で寝ているホームレス
ビーチの風景/シーズンオフで人影も無い
ビーチの風景/土産屋
これからのメキシコを担う中学生
2人とも複雑な思いで船に戻り、シャワーを浴びて気分を変えてメキシコのプロレス「ルチャリブレ」会場に向かう。50ドル分のペソが残っていたのでスーパーマーケットでテキーラ2本、下着、リンゴを買う。
「ルチャリブレ」の会場はごみごみしたいかにも下町と言ったところにあった。会場の建物は古くうらさびれている、クーラーの効いた館内でプロレス観戦と期待していたが無理そう。館内に入ると中央にリングがあり,その周りに粗末な椅子が囲んでいる。恐れていた通りクーラーは無く巨大なファンが熱気をかき回しているだけでやたらと暑い。
アカプルコ市民と一緒にプロレス観戦が出来ると思っていたがピースボートの貸し切りであった。一番前の席をとり、12ペソのビールを飲みながら試合が始まるのを待つ。クーラーの効いた船に一刻も早く帰りたい気分であったが、冷えたビールが私を押しとどめてくれた。
7時40分少し遅れて試合開始、アナウンスはピースボートの西川さんであった。試合は女子も入れて5試合、日本人はウルティモ・ドラゴンを含め8人も出場する。ウルティモ・ドラゴン(浅井義浩)はNHKのドキュメンタリー番組で紹介されたことがあるメキシコで有名な日本人レスラーである。我々もたまたまそのドキュメンタリー番組を見たので興味があった。
ウルティモ・ドラゴンと大浦甫、下田美馬が水先案内人(ゲスト)としてジャマイカから乗船し「ルチャリブレ」の魅力を紹介した。今日の試合はそのお礼と激励を込めて企画されたもの。
まず、日本人同士の試合から始まる、プロレスラーとは思えない貧弱な体格であったが動きが機敏で見応えはあった。日本では通用しないのでメキシコでプロレスラーの夢を実現させたと言った感じである。下田美馬は体格も良く技もあって充分通用する、今日は悪役としてメキシコ人と戦う。セミファイナルは日本人が1人入った3人対3人の試合、日本人以外は立派な体格、この貧弱な体格の日本人を助けながら最後は勝つと言うストーリー。試合はユーモラスな場面もあって楽しんでもらおうとするサービス精神に溢れている。場外での乱闘もあり我々の席まで巨体が飛んでくるおまけまで付いていた。
メインイベントはウルティモ・ドラゴンと日本人の2人と悪役のメキシコ人2人の試合、ウルティモ・ドラゴンは小柄ではあるが鍛えられた体と技は一流、連続技は大きく切れ味があって、且つ技が一つ多い、メキシコで有名になっただけのことはある。悪役にぎりぎりまで痛めつけられるが最後は得意の連続技で逆転勝利するストーリーは分かりやすい。勧善懲悪のプロレスがアメリカに痛めつけられているメキシコ人に人気があるのが分かる様な気がした。若者も熟年も大声でウルティモ・ドラゴンを応援し、悪役にはブーイングを浴びせ盛り上がった。
試合終了後、ウルティモ・ドラゴンから「勇気をくれてありがとう」との挨拶があったが、遠いメキシコのクーラーも無い粗末な会場で夢を持って頑張っている彼らから励まされた。
華やかなリゾート地であるアカプルコでもメキシコの現実が反映されていた。観光客が利用する快適な外資系ホテル、レストラン、ショッピングビル、ファーストフード店の一方でそのわずかなおこぼれをちょうだいするクーラーもない地元の土産屋、信号待ちの間に窓拭きをする青年、ビーチの物売り、ホームレス、乞食、持てるものアメリカと持てないものメキシコの格差でもあった。
プロレス会場/庶民が住む街の一角にある
プロレスラーが飛んでくるとは思わず最前席に座る
場外乱闘/危うく難を逃れる
ウルティモ・ドラゴンの勇姿
出航風景
出航風景