定年夫婦の暮らし方(店長日記)

盛岡に住む定年夫婦(昭和20年生)の暮らしを分ち合います。

2006年ピースボート世界一周の旅49/アラスカ・フィヨルド3

2008年09月13日 | 思い出の旅行
3)ハーバード氷河
 7月3日早朝、トパーズ号はプリンスウィリアムズ湾に入り最深部のハーバード氷河に向かう。
 フィヨルドを挟んで左右に小さな氷河がいくつも並んで見える。これらの氷河に大学の名前がついていて左側が女子系、右側が男子系の大学で男子系のほうが後退が早いとのこと。源にあって一番大きい氷河がハーバード氷河である。
 削り取った痕だけ残し海岸から奥に後退ている氷河、山の中腹まで後退し先端を見せている氷河、かろうじて海に到達している氷河等様々な状態の氷河が見らる、まるで氷河の展示場である。双眼鏡で見ると氷の奥に不気味な青い色がのぞいている。
 緑青色の海面を氷がゆっくり流れてくる。そして遠くに波のない静かな水面を1本の線を描いてラッコが横切って行く姿が見える。デッキで見物している乗客は「ラッコ!ラッコ!」と声を上げてラッコを見つけたことに興奮。
 横断するラッコの数が増え、トパーズ号の近くを通る。背泳ぎのようにお腹を上にして泳ぐ姿はかわいい。 子どもを乗せている親子のラッコがトパーズ号のすぐ脇を通過する、お腹の上の子どもが我々を見ている様子もはっきり見える、巨大な闖入者に恐れている様子はない。10頭位の群れで移動しているところも見えた。
 フィヨルドの奥にこのフィヨルドをつくり今では後退しているハーバード氷河が見えてくる。アラスカのガイド安藤さんは船内の講演で「今回のフィヨルド見物ではハーバード氷河が一番の見物で、先端の氷河が崩落するシーンを見ることができるでしょう」と説明していた。
 船はぐっと速度を落としてのろのろ進む、止まっているのか進んでいるのかわからない程の減速運行であった。氷にぶつかっても衝撃を最小限に押さえるためと思われた。氷河は普通の氷の4倍の密度であるので小さな氷の塊でも油断はできない。どこまで近づくかはこの氷河を熟知したパイロットの判断になる。
 12時頃、トパーズ号が氷河に接近する限界の位置にくる。船から数キロメートルは離れていると思われたが巨大なハーバード氷河が迫ってくるのを感じた。山の中腹から移動してきたいくつかの氷河が合流しハーバード氷河になっているのが分かる。ここからは見えないが、更にその奥には氷河の源である大氷原があるのであろう。何千万年もかかって大氷原に積もった雪がその重みで密度の高い氷になりやがてその重みに耐えかねて山をえぐりながら滑り出したのが氷河である。
 長さ2500m、高さ100m以上と説明されてもその大きさの実感がわかなかったが氷河近くに船が見えた瞬間、その巨大さを感じることができた。
 突如、操舵室にいる安藤さんから「氷河が崩落した」と船内放送がある。あわてて氷河を見たが分からない。わずかにもやのようなものが見えただけ。目を凝らしていると再び放送がある。今度は氷が崩れ落ち海に落ちて水しぶきをあげている様子が分かった。その後も崩落が続き、時折水しぶきとともに雷鳴のような異様な音も聞くことができた。乗客はクジラやラッコを発見した時のように思わず興奮して歓声をあげていた。私たちも崩落を見つけると「いった、いった!」と叫んでいることに気づいた。スケールの大きな地球の営みを目の前にして感動し同時に地球の温暖化を感じざるを得なかった。
 この3日間、フィヨルド、氷河、クジラ、ラッコ、アザラシ、ハクトウワシとアラスカの船旅ならではの醍醐味を味わうことができた。 



         連続する氷河風景



    氷河見物



         氷河見物風景



         ラッコの群れ



         2頭のラッコ



         親子のラッコ



       ハーバード氷河の全景



        氷河見物風景


      崩落する氷河/水しぶきに注意



         航跡を残して




        アラスカへ向かう



          夕焼け


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