ろこの絵本

ユニークな名まえのいぬとねこと ちょっとドジな男の子と おしゃまな女の子と いたずらからす一羽の たのしいお話

猛ちゃんと アオダイショウ

2012-07-09 | 

          猛ちゃんと アオダイショウ

     猛ちゃんは 黒っぽいひもを ふりまわしながら 
   女子のところに 近づいていった。
   ひもは アオダイショウの死骸だった。
   「きゃあ きしょくわるー」
   「やめてえやあ。 すかんねえ」
   女子たちが 逃げまどった。
   逃げるとちゅうで 新聞紙につつんだイナゴを 
   落とす子がいた。
   猛ちゃんは その戦利品を 
   みせびらかすようにして 食べた。
                  P.74

ヒシの実とり

2012-07-09 | 

           ヒシの実とり

     女子が 土手の カヤの中に かくれて 
   見張りをしているあいだに 
   男子が いかだをこぎだして ヒシの実を とった。
   ヒシの実は 生で食べても おいしかったが 
   トタン板の上で 炒ると また べつのおいしさになった。
   カヤの中にも よく アオダイショウや ヤマカガシや ハミがいたので 
   かくれるまえに 竹の棒でつついて たしかめた。
   えみも りえも たくましい村の子に なっていった。


         P.78

シジミをひろう朝子ちゃん

2012-07-09 | 

       しじみをひろう朝子ちゃん

     子どもたちが シジミをひろうのは 
   川の水が 足首ほどの 浅いところだった。
   深いところは 猛ちゃんが  行かせなかった。
   川原でも 朝ちゃんと久美ちゃんのまわりには 茶づけたちが まぶれついた。
   猛ちゃんが 自分の帽子の中から シジミをつかみだして いった。
   わしのをわけちゃるけ 母ちゃんに くわしちゃれ」
   「まあ たえがたいねえ」
   朝ちゃんは うれしそうに 受けとった。


        P.81

服がぬれても 平気な 武ちゃんとかねちゃん

2012-07-09 | 

     服がぬれても 平気な 武ちゃんとかねちゃん

     男子は 半ズボンだったが 女子は もんぺだったので 
   すそを たくしあげて ぬれないように 気を つかった。
   えみは 着がえに よゆうが なかったので とくに 
   ぬらさないように 気をつけた。
   武ちゃんとかねちゃんは あまり 気を つかわなかった。
   ふたりは 裁縫の時間に こさえた キャラコのブラウスを
   ふだん着にしていた。
   えみは よそ行きにしていた。


        P.83

家族の人数にみあった シジミをとった

2012-07-09 | 

       家族の人数にみあった シジミをとった

     シジミを もって帰れば 子どもたちが 川原で ヒシやフナを焼いたことが 
   バレバレになってしまうのだが 子どもたちは それに 気がつかなかった。
   晩ごはんのおぜんに シジミ汁が 一品くわわったとき 
   家族がよろこぶ顔を見るのが 子どもたちは すきだった。
   おとなたちは しらんふりを してくれた。
   よき時代だった。




         P.85