ホシ りえの草をたべる

　　　　　　　　　ホシ　りえの草を食べる

　　　　　馬の　おけつばっかり　見て　あるきよったら　
　　　背中が　おかしな感じが　したんよ。　
　　　それで　ひょいと　ふりむいたら　
　　　目の前に　大きな　馬の顔があった。
　　　馬が　うちの背中の草を　食べよった。
　　　びっくりしたの　なんのって・・・




　　　　　　　　P.56

えみさん 腰をぬかす

　　　　　　　　　　えみさん　腰をぬかす

　　　　　　「りえちゃんの悲鳴で　ふりむいたら　
　　　馬が　りえちゃんの頭を　食べよるごと　見えた。
　　　びっくりして　腰がぬけてしもうて　田んぼの　みぞの中に　
　　　へたりこんでしもうた」
　　　えみさんが　いいました。





　　　　　　　　P.58

ダンベに落ちた

　　　　　　　　　ダンベに　落ちた

　　　　　　「草が　ようけ　はえちょるところを　よって　落ちたら　
　　　そこが　ダンベじゃった。　あはははは・・・」
　　　また　りえさんが　笑います。
　　　「あぜのみぞに　へたりこんでしもうたうちは　おしりが　びしょびしょにぬれたけど　
　　　りえちゃんは　大丈夫じゃろうかと　急いで　立ち上がった。
　　　まわりを　みたけど　りえちゃんが　どこにも　おりゃあせん。
　　　どねしたんじゃろうかと　心配しよったら
　　　草の中から　まっ黒けなおばけが　ぬーっと　出てきた。
　　　きもが　つぶれたかと　　思うたよ」

　　　　　　　　　　P.61

川まで歩く

　　　　　　　　　　　　　　川まで歩く

　　　　　　「川まで歩くのが　難儀じゃった。
　　　えみねえちゃんは『ほうとくない。近よりんな』ていうては　笑うし」
　　　「逃げたんじゃないよ。母さんに　知らせに行ったんよ」
　　　「肥まみれで　川まで歩くとちゅう　村の子らに　見られてしもうた。
　　　学校に行ったら　みんなから　ひやかされると思うた。
　　　ところが　うちは　英雄になった」
　　　「えー　どうして」
　　　「なんで」
　　　みきちゃんと翔が　身をのりだして　たずねます。
　　
　　　　　　　　P.63

イヨッ ダンベ大将

　　　　　　イヨッ　ダンベ大将

　　　　　猛ちゃんと　宗ちゃんが　えみとりえに　
　　　挙手敬礼をした。
　　　女子も　よってきて　いった・
　　　「ダンベ勲章に　バンザイ」
　　　村の　どうかん坊主たちは　みんな　
　　　一回や二回　ダンベにはまったことがあった。
　　　それは　本人にとっては　悲劇だったが　
　　　ほかの子どもたちにとっては　
　　　お祭りと同じくらい　楽しいできごとだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　P.68