「ミスタードール先生!もっと王子に厳しくしてもらわないと困ります!王子は隙があれば抜け出す天才あのですから…このままでは悪魔族の将来が…トホホ」
塾長の嘆きにドールは頷いた
「確かにこのまま魔法の勉強もしないと、あの怪物こぞうに負けてしまうかもしれん。そうなると悪魔族の立場がないな」
ドライブから帰って来たデモキンを待っていたのは小さな白熊の子供だった。
「こんにちは王子様ー」
やたらに人懐っこい喋り方で白熊はデモキンの足元にすり寄る
「早く一緒に来てよー!」
マントを引っ張る白熊に油断して、一緒に部屋に入るデモキン。白熊はそこで煙とともに大きな獣人に変身した
「そして私と魔法のお勉強しましょうね!」
その身体に似合わない喋り方で白熊の獣人が言う。デモキンはぎょっとするが部屋のドアはきっちり閉じられた後である。
「お前はブラックベア!何で小熊のふりなんかするんだよ!」
「王子様が抜け出すからいけないんですよ。毎回毎回先生を困らせるのは良く無いですぞ」
ブラックベアは落ち着いた声で言いながら、ドアの入り口に鍵をかけている。
「これは預かっておきます」
黄色いオープンカーの鍵を手に取りブラックベアはニコニコしている。
「あんなのズルイや」
不満そうに言うデモキンに対してドールは笑いをこらえながら応える
「いやいや。変身術は悪魔族の得意技の一つですよウシャシャ!さぁ王子様、さっきの授業の続きを始めましょう」
「僕からも頼むよ」
ドールが腹話術の人形を手にして話す。人形のマッド君が本当は本体で長身の男はクグツだが他の悪魔達には秘密にすると約束したので黙ってうなずく。
「わかったよ。ちゃんと授業を受けるよ」
デモキンは渋々椅子に座る。たしかにサタン先生も犬に変身して自分を脅かした事がある。あれ以来、犬が大嫌いだ。
ドールは黒板に魔法の方式の字を書きながら、懸命に魔法の説明をした。しかし振り返るとデモキンは退屈したのかやる気が無いのか寝ていた。王子は手ごわいと愚痴をこぼす塾長の言葉を思い出したが、流石にこれにはカチンと来た。
「さぁ、今回の授業は魔法の人形ですぞ!!これは悪魔の魔法でも基本中の基本ですぞウシャシャ」
ドールは大声で言うと、デモキンそっくりの人形を取り出した
「これは王子の分身なのだ。これをこうするとー」
手にした羽ペンの羽で人形を撫でまわした
「あはははは!くすぐったいよ!あははは!」
デモキンは笑い転げてひっくり返る。
「この人形は王子の分身なのだ。くすぐれば同じようにくすぐったくなるし、人形にダメージを与えたら王子も同じように痛くなるのだ。試してみるか?」
ドールが怖い声で言う。手にはトンカチを持っている。
(あの怪物こぞうには破られたが、王子はどうかな?)
内心試すように思う。
「王子様、これからは真面目に勉強しますか?」
腹話術の人形が合わせるように言う。
「わかったよ!あはははは!僕の負けだよ!ちゃんと勉強するよ!」
流石に怖くなってデモキンは降参する。
「…ところで怪物こぞうって誰だい?」
真面目に机に向かいながらデモキンは質問した。怪物族に関してはパパが良く奴等さえ居なければとか邪魔だとか言ってた気がする。しかし悪魔ランドから出た事が無い自分にとっては良く分からない。
「我が悪魔族の先祖代々の敵の怪物族の王子だ」
ドールは言った。以前人間界で悪事を働いた時に敗北した相手。あの時は怪物王子だけでなく3人組のお供が居たが、売り出し中で自信家だった自分にとっては、あの敗北は非常に悔しい過去である。
「王子様は後に大魔王デーモン様の後継ぎになるお方なのですぞ。敵である怪物族の王子より強くなってもらわないと」
「わかってるよ。僕は2代目なんだろ」
正直面白くなかった。その怪物王子より強いかどうかさっきの魔法で試されたのが気に入らない。
塾長の嘆きにドールは頷いた
「確かにこのまま魔法の勉強もしないと、あの怪物こぞうに負けてしまうかもしれん。そうなると悪魔族の立場がないな」
ドライブから帰って来たデモキンを待っていたのは小さな白熊の子供だった。
「こんにちは王子様ー」
やたらに人懐っこい喋り方で白熊はデモキンの足元にすり寄る
「早く一緒に来てよー!」
マントを引っ張る白熊に油断して、一緒に部屋に入るデモキン。白熊はそこで煙とともに大きな獣人に変身した
「そして私と魔法のお勉強しましょうね!」
その身体に似合わない喋り方で白熊の獣人が言う。デモキンはぎょっとするが部屋のドアはきっちり閉じられた後である。
「お前はブラックベア!何で小熊のふりなんかするんだよ!」
「王子様が抜け出すからいけないんですよ。毎回毎回先生を困らせるのは良く無いですぞ」
ブラックベアは落ち着いた声で言いながら、ドアの入り口に鍵をかけている。
「これは預かっておきます」
黄色いオープンカーの鍵を手に取りブラックベアはニコニコしている。
「あんなのズルイや」
不満そうに言うデモキンに対してドールは笑いをこらえながら応える
「いやいや。変身術は悪魔族の得意技の一つですよウシャシャ!さぁ王子様、さっきの授業の続きを始めましょう」
「僕からも頼むよ」
ドールが腹話術の人形を手にして話す。人形のマッド君が本当は本体で長身の男はクグツだが他の悪魔達には秘密にすると約束したので黙ってうなずく。
「わかったよ。ちゃんと授業を受けるよ」
デモキンは渋々椅子に座る。たしかにサタン先生も犬に変身して自分を脅かした事がある。あれ以来、犬が大嫌いだ。
ドールは黒板に魔法の方式の字を書きながら、懸命に魔法の説明をした。しかし振り返るとデモキンは退屈したのかやる気が無いのか寝ていた。王子は手ごわいと愚痴をこぼす塾長の言葉を思い出したが、流石にこれにはカチンと来た。
「さぁ、今回の授業は魔法の人形ですぞ!!これは悪魔の魔法でも基本中の基本ですぞウシャシャ」
ドールは大声で言うと、デモキンそっくりの人形を取り出した
「これは王子の分身なのだ。これをこうするとー」
手にした羽ペンの羽で人形を撫でまわした
「あはははは!くすぐったいよ!あははは!」
デモキンは笑い転げてひっくり返る。
「この人形は王子の分身なのだ。くすぐれば同じようにくすぐったくなるし、人形にダメージを与えたら王子も同じように痛くなるのだ。試してみるか?」
ドールが怖い声で言う。手にはトンカチを持っている。
(あの怪物こぞうには破られたが、王子はどうかな?)
内心試すように思う。
「王子様、これからは真面目に勉強しますか?」
腹話術の人形が合わせるように言う。
「わかったよ!あはははは!僕の負けだよ!ちゃんと勉強するよ!」
流石に怖くなってデモキンは降参する。
「…ところで怪物こぞうって誰だい?」
真面目に机に向かいながらデモキンは質問した。怪物族に関してはパパが良く奴等さえ居なければとか邪魔だとか言ってた気がする。しかし悪魔ランドから出た事が無い自分にとっては良く分からない。
「我が悪魔族の先祖代々の敵の怪物族の王子だ」
ドールは言った。以前人間界で悪事を働いた時に敗北した相手。あの時は怪物王子だけでなく3人組のお供が居たが、売り出し中で自信家だった自分にとっては、あの敗北は非常に悔しい過去である。
「王子様は後に大魔王デーモン様の後継ぎになるお方なのですぞ。敵である怪物族の王子より強くなってもらわないと」
「わかってるよ。僕は2代目なんだろ」
正直面白くなかった。その怪物王子より強いかどうかさっきの魔法で試されたのが気に入らない。