第3話 あおいのかおり #2
<大学構内>
茜:葵、「カオス・カフェ」、
今日も寄ってくやろ?
葵:うん、でも、
ちょっと図書館で調べたいことあるから、
ちょっと寄ってから行こうと思うの。
アロマの本でも探してみようと思って。
あんまり遅くならないから、
お姉ちゃんは先に行って。
茜:そうか、じゃ先に行ってるわ。
<大学の図書館>
葵:アロマの本は…
あっそうだアロマの前にジャム、
調べとこうかな。
食品関連は…
あっちね。
<カオス・カフェ店内>
灯:アオネエ遅いね。
茜:ちょっとアロマの事調べるって
言ってたけど、
また別の事に調べ始めたんんやないか?
葵:お姉ちゃんごめん。
遅くなっちゃった。
茜:別にいいけど。
あんまり遅いからもう引きあげようと
思っとったところや。
で、アロマのことはわかったんか?
葵:・・・んー。
・・・実はジャムのことが気になっちゃって
そっち調べてたの。
気が付いたら外、真っ暗になってて。
あわてて帰ってきたから、
アロマのことはほとんど調べてないの。
茜:そう思ってたけどな。
葵は何かに夢中になると、
大事なこと忘れるからな。
葵:だからお姉ちゃん、今度、
図書館でアロマのこと一緒に調べよっ!
アロマの資格もあって結構人気らしいの。
この前オイルを買った雑貨屋の店員さんも、
アロマの資格いくつか持っているって
言ってたのよね。
そんなに難しくないから
取ってみるのもいいかもしれませんよって。
ねえ、お姉ちゃんも一緒に取らない?
一人で勉強するとなんか続かなそうだし。
茜:アロマかぁ・・・。
今まであんまり興味持ったことないけど、
この機会に勉強して資格取るのも
いいかもしれへんな。
うちの女子力もさらにアップするねん。
灯:アカネエの女子力無駄に高いんですけど。
葵:じゃ、お姉ちゃん、明日から一緒に
勉強しよう。
茜:でも葵、明日からって、
どんな資格なのかぜんぜん
調べてこなかったんやろ?
葵:・・・
灯:一応灯が知ってる範囲で解説するねっ!
茜:灯ちゃん知ってるんか?
葵:灯、すごいじゃない。
灯:実は、あの「P」が、
「アロマテラピー検定1級」の資格を
持っているらしくってちょっと調べたんだ。
アロマの資格もいくつかあって、
国内の資格ばかりでなく海外の資格や
医療系の資格もあるみたい。
ずれも、民間資格で免許などと違って
独占業務ができるわけじゃないから
資格を取って仕事にしようとするときには
注意が必要だね。
また名称や呼称で商標権などを
取っていることもあるので
勝手に肩書として使えない場合や、
会費を払ってその団体の会員になる
必要がある場合もあるからそこも
要チェックな点だよ。
葵:なんかやっぱり迷っちゃうな。
灯:日本では
公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)が
主催している資格が一般的なのかな?
「P」が持っているのもこの資格。
「アロマテラピー検定」は
1級と2級の 二つで、年2回、
5月と11月の日曜日に実施していて、
いずれも自宅で受験できる
インターネット試験方式だよ。
合格基準は80%の正答率で、
何問か、たぶん2問は実際の香りを嗅いで
回答する問題があるみたいだよ。
茜:合格基準がレベル高いな。
普通60とか70ぐらいやないか?
灯:灯は実際に試験受けたわけじゃないから
わからないけど、「P」が言っていたのは、
P:協会発表の合格率は90%。
だから普通に試験対策の勉強すれば
誰でも受かる試験。
この試験は『落とすための試験』ではなく
『受からせるための試験』で、
アロマテラピーを広く一般に広めるための
一種のPR用。
協会としてはもっと上位の資格である、
「アドバイザー」や「インストラクター」
などの資格を取って欲しいんだと思う。
もっともこの上位資格は、
会費を払って協会に入会し
指定の講座を受講したり、
その後も年会費など維持費用が必要など
金銭的な負担が大きいから
趣味で取るにはハードルが高いかな。
灯:あと「P」が言っていたのは、
「AEAJのアロマテラピー検定は
実績も認知度もあるからいいけど、
民間資格の一部には所謂『資格商法』と
呼ばれる悪質なものもあるから注意が必要。
公的資格に似せた名称を使ったり、
高額な取得費用が掛かるものもあるから
資格を取る際には十分に調べておくことが
重要。
あとは資格取得一般に言えることで、
『その資格が本当に必要か』
『資格取得から得られるものと
費用のバランスはいいか』は
必ず検討すること。」
だって。
葵:資格取るのもちゃんと
調べないといけないね。
お姉ちゃん!
茜:それじゃ、後は葵が調べておいて
ほしいねん。
葵:お姉ちゃん、また丸投げ!
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