中条流では、ほおずきの根を煎じて堕胎薬を作っていたらしい。
未だ有効な避妊の方法が無かった江戸時代は、堕胎は必要悪だったのでしょうか?
天保時代には飢饉もあって、飢えからやむなく生まれた子供を間引きするという事もあったらしい。
この小説の時代背景は、そんな所なんでしょう。
諸田玲子 作 『恋ほおずき』 中公文庫
中条流の若い女医師・江与が、悩みながら堕胎の仕事をしていく話でした。
堕胎を取り締まる側の、奉行所同心・清之助にほのかな恋心を持ってしまうという。
かかわりの無さそうな短い一場面ごとを描きながら、話は進んでいきます。
それでも、江与の過去の悲しい痛みなどが、なかなか現れてきません。
添うことのできない恋人との子供を宿し、自死してしまう娘の話。
役者に熱を上げ子をはらんでしまう、旗本の奥女中の話。
吉原の花魁の悲しい子おろしの話。
堕胎は、母親を助けるためには、必要な悪だったのでしょうか?
清之助との恋はどうなるのか?
清之助には、はたして妻がいるのか?
私に疑問を待たせたまま、この物語は終わってしまいます。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆
今日は、息子夫婦が食事に誘ってくれました。
お孫ちゃんの、保育園への入園祝。
食事処の近くの公園では、さくらが満開でした。
最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事