Runrun日記

最近読んだ本ー物語 フィンランドの歴史

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 雨が降ったりやんだりで、昨日・今日と、朝の散歩が出来ていません。体調不調です。先日の散歩道。公園では、公園の器具を使ってストレッチする女性を見かけました。

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 スウェーデンとフィンランドが、NATOへ加盟申請したと聞いて、読んでみたいと思いました。日本の歴史もよくわからないのに、北欧の国の歴史なんぞ・・・(トホホ)

石野裕子 著 『物語 フィンランドの歴史 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年』 中央公論新刊

 民族の大移動時代にフィン族がここに移り住んだのが始まりかと思っていましたが、そうでもないらしい。この国にも石器時代があったし縄文時代があった? スウェーデンによるフンランドへの植民は8世紀半ばに始まったと書いてありました。

 12世紀にはキリスト教を信じない異教徒の国を制圧する十字軍遠征が行われ、それをスウェーデンが担った。それによりスウェーデンによるフンランド支配が600年に渡って続いたそうです。スウェーデンによる治世は、いたって民主的だったらしい。公用語はスウェーデン語を用い、農民はフンランド語を使っていた。

 ナポレオンがやってきて状況が変わります。1808年からのロシアとスウェーデンとの戦争で、フィンランドはロシアに割譲されます。ロシアのフィンランド支配は、最初は緩やかだったが、次第にフィンランドの自治を認めなくなっていきます。

 19世紀にフィンランドでは、民族意識が芽生え、成長していったのでしょう。伝承を編纂した「カレワラ」は、芸術・音楽に大きな影響を与えた。スウェーデン語を母語としていた貴族たちもフンランド語を使うようになり、1917年のロシア革命を契機とした独立へと向かいます。

 独立宣言をしたものの、「持てるもの」白衛隊と「持たざる者」赤衛隊の間で内戦が起きます。赤衛隊にはロシア、白衛隊にはドイツ、スウェーデンが援助に回る。結果として、白衛隊が勝利をおさめます。独立後は、共和制の国家となります。

 第二次世界大戦の間際、ソ連はフィンランドをドイツに対する盾にしようと、フィンランド国内の割譲や租借を要求します。フィンランドが拒否すると、攻め込んできます。冬戦争そして継続戦争と呼ばれる戦争をソ連と行った。しかし、ドイツに援助を頼んだところから、大戦終結後、敗戦国となり責任を問われます。かろうじて独立は守るが、その後、ソ連による内政干渉が続き、政治的に難しい時期が続いたようです。しかし、中立国を守り、北欧の日本と言われる程の速さで経済の復興を果たします。東西の大国に挟まれながら北欧の先進国と言われる迄に成長したのは素晴らしい。

 この本では、フィンランドの政治家の、細々とした政治経済への対応が書かれていました。私には理解できません。ここにきて、NATOへの加盟申請です。東西の狭間にある国の舵取りは難しそうです。 

この本のお気に入り度:★★★★☆

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