Runrun日記

すかたん

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 相変わらず、熱帯夜、猛暑日が続いています。
 朝散歩に行けず、体調崩します。


 朝井まかてさんの小説を読んでいます。
 今まで読んだ本は、『恋歌』、『雲上雲下』、『阿蘭陀西鶴』どれも面白かった。しかし、何やら? この作者は何者なのだろうかと思ってしまった。それで、発表された順に読んでみようか?
 デビュー作は2008年発表の『花競べ』、二作目は2010年発表の『ちゃんちゃら』でした。三作目が2012発表のこれ。

朝井まかて 著作『すかたん』講談社文庫

 主人公は江戸っ子の知里。饅頭屋の娘だったが美濃岩村藩藩士に見初められ夫婦になった。藩主の大阪城代赴任に伴い夫と共に大阪で暮らすようになったが、夫は病死してしまいます。
 江戸の実家にも帰れず長屋暮らしで困窮していたが、ひょんなことから天満青物市場の頭取を務める「河内屋」の若旦那・清太郎に引っ張られ、「河内屋」の上女中になります。上女中とは、お家さん(女主人)付の女中。お家さんのお志乃は、はじめ江戸者はいらんと言って採用を断るが、清太郎の引きだと聞いて、上女中に採用し、知里を厳しく鍛えます。

 清太郎は後先なしに行動するすかたん。難波村農民の立ち売り(直売)の後押しをします。青物市場問屋頭取の息子が農民の直売を後押しなんぞは認められず、父親は頭取の地位から降ろされます。直売が認可されても、農民たちは販売は得意じゃない。市場の青物価格が乱れます。すかたんですねぇ。
 青物問屋伊丹屋が裏で清太郎を貶めるよう暗躍していたのです。知里と清太郎は、伊丹屋が美濃岩村藩家老へ賄賂を贈る所を取り押さえます。

 清太郎は、すかたんだけれど、青物狂い。此処でも朝井まかてさんの植物愛が伺えます。大根の新種の開発とか、青物の直売騒動、清太郎と知里の恋。お志乃は、初めから知里を清太郎の嫁として見込んでいたのだろうか。

 朝井まかてさんの作品は、一作ずつレベルアップしていきます。江戸の花の苗育、植木屋の話、大阪の青物市場。江戸時代の植物・お仕事物語が続きます。四作目は長崎出島の薬草園。面白い!!

この本のお気に入り度:★★★★☆

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