5月4日(水)、挨拶演舞が終了し、御巡幸の列に並ぶために移動を開始します。 御巡幸パレードでの演舞は、今まで遠入羽(とおいれは/隊列のまま前に飛び出すように踊り出る場面)だけを踊っていたそうですが、それだけでは物足りないとの声も聞こえ、中立の角鹿さんがショートバージョンを披露する案を練り、まつりの関係各位の了承も得て今回の演舞披露が実現しました。 2月の寒稽古から週に何日も練習を重ね、午前に披露出来なかった誉め唄を含め、まだ習得していないパートの中のいくつかを今回の新しい踊り手さんたちは新たに教わり、この式年祭で初披露しました。 柿内沢さんに付いて行くつもりが、途中でちょっとした足止め状態に。 結局、御巡幸の途中途中で踊られる演舞の、一番初めの演舞の始まりに間に合いませんでした 太鼓の音が聞こえて慌てて向かいましたが、動画を撮れたのは鹿の子の場面から…。。。 まだ小雨止まぬ中、パレードの列に移動です。 第10代中立がいつも甲斐甲斐しく踊り手の装束の乱れを直しておられました。 すでに鹿の子の場面に入っていました…。。。 鹿の子は 『これのおせど』 鹿の子の前には入羽が入っていたそうです。 『これのおせどの 花の木に 小鳥が住むよ…』 『花が散り揃う 花が散り揃う』 動画で観ると分かりますが、一瞬踊りが揃わない場面が…。 各演舞は、中立が最初に4種類ある内のどの入羽を踊るかを側鹿に伝えるだけで、鹿の子はどれを踊るのかは中立の唄を聴いてから側鹿が判断し追随します。 中立の角鹿氏は、鹿の子はどれとどれを…などと考えながら、幕越しに知り合いの方がいるか踊りながら見たり(後でお礼が言えるように)と注意散漫になりがちで、つい間違ってしまうことがあるのだとか 中立が間違ってもそれに合わせて臨機応変に対応するのが側鹿。 (大変ですね~^^;) 寄せの場面。 みんながちゃんと定位置に揃ったか中立が右見て左見てと確認します。 何気ない場面ですが、ここも好きなシーンです。 引羽の場面。 『かしわの番場に…』 『群々雀が…』 『羽先を揃え 池の恋しさ 池の恋しさ』 踊り始めてやっと1年が過ぎたという人が3名、諸事情でなかなか練習に参加できなかった踊り手さんもいる中で、昨年末の動画で観た頃よりも格段に踊りが揃い、勢いもあって、声もよく出ています。 欲を言えば、唄の音程をちゃんと中立に合わせられたらもっと素晴らしかったなと。 勢い付いてつい出てしまうのかも知れませんが、中立は踊りのリーダーですから何事もリーダーに合わせるべきだと思います。 あくまでも私個人の意見ですが、女性が混じる踊り組で声を合わせるときに女声が飛びぬけて聞こえる(男声に合わせていない)踊り組もありますが、私はそれは残念だなと思うのです。(高校の部活、役踊りは別として) 鹿踊りの唄はそれほど低音ではないはずですし、女声でも合わせることが出来るはず。 おお!女性も踊っていたとは!と思わせる踊りがいいなと、個人的には思うのです(^^) 『太鼓の胴をきりりとしめて…』 『ささらを…』 『揃え…』 『これで納めろ これで納めろ』 中立の角が地面に着いてます! 『角が大きいので着いてしまう、壊れない程度に』 だそうですよ。 御巡幸の最初のショートバージョンの演舞が終了、渡り拍子の太鼓を叩きながらパレードの移動を始めます。 この演舞は… ①入羽→鹿の子(これのおせど)→寄せ→引羽(かしわの番場)、でした。 前方の団体が演舞中、渡り拍子を叩きながら待機。 次の場所に移動し、御巡幸パレードでの2回目のショートバージョンの演舞。 打っ切り(ぶっきり、または抜きばち)と呼ばれる、場面と場面の間に打つ繋ぎの太鼓から始まります。 雨のため午前中の奉納が出来なかったので、それに代えて天照御祖神社に向かって演舞を披露しました。 入羽の場面。 入羽は4種類あり、これは挨拶演舞の入羽 「ザンザンザンザン」 とは違うものです。 (前述したように、さきほどの演舞の入羽は観そびれましたので、どの入羽か分かりません…泣) これは、ザッツャゴザァコ ザッツャゴザァコ… 中立のように、踊りに追随して装束が流れ揺らめく鹿踊りのひとつの美しさを、側鹿さんたちもいつか見事に表現出来るようになることでしょう。 とても楽しみです。 庭廻り(+唄切り)の場面へ。 幕を足したために余裕が出て、ふわりといい踊りの余韻が幕に残ります。 こういった瞬間を観るのも、私にとっては鹿踊りの醍醐味のひとつなんですよ。 ササラを地面に打ち付ける直前。 ササラをねじるようにして打つのが特徴です。 唄切りが入ります。 『京で九貫の 唐絵の屏風 一重にさらり 廻り合わせろ 廻り合せろ』 幕がひらひらと…。 そのまま鹿の子の場面へ。 中立の見せ場の一つ、長いササラが弧を描いて空(くう)をなぞります。 鹿の子は 『奥の御山(みやま)/奥の御山の細筋竹 よれてからまる ばらり離れろ ばらり離れろ』 この鹿の子も私の好きなひとつ。 バチを前に掲げ、バチ同士を叩き鳴らしながらの所作が続きます。 キッカタカタカタ ザンザンザンザン キッカタカタカタ ザンザンザンザン… キッツァゴザンザン キッツァゴザンザン… キッツァン キッツァン キッツァン… ザゴイゴ ザンチキチ… 中立がくるりと後ろを向きます。背中のながしには誇らしげな山口派を示す和歌が。 寄せの側鹿が揃うのを確認する場面以外では、中立が背中を見せる所作はここだけです。 このあと鹿の子の場面は終わります。 寄せの場面。鹿の子の輪の状態からもとの隊列の状態に戻ります。 引羽の場面。 『かしわの番場に 群々雀が 羽先を揃え 池の恋しさ 池の恋しさ』 動画が途中で終わってしまいました。 iPhoneはアラームや電話やメールなどの着信があると動画撮影が止まってしまうことを知りませんでした。 大切な動画撮影の時は機内モードにし、アラームも切らねばいけないそうです。 せっかくの動画だったのに…柿内沢さん、申し訳ありませんでした 御巡幸パレードのショートバージョン演舞は… 1番目が 入羽→鹿の子(これのおせど)→寄せ→引羽(かしわの番場) 2番目が 入羽→庭廻り(+唄切り/京で九貫の)→鹿の子(奥の御山)→寄せ→引羽(かしわの番場)でした。 YouTubeに動画をアップロードしています。 演舞の様子をどうぞご覧下さいね。 (※移動の動画はデジカメでの撮影、演舞の動画はiPhoneでの撮影、記事内ではそれらの動画から取り出した静止画像を使用しています) (2016年05月16日アップロードの動画を、解析度の高いものと差し替えました。) |
(※間違いがありましたら、ご指摘のほど宜しくお願い致します)
■柿内沢鹿踊 其の六 御巡幸■ へ続く
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