大丈夫かな、バスと運転手さん。
そうは思いつつ、他の乗客はさっさと出発し始める。
私がいたところで役には立たないし、他トレッカーの近くを歩きたいので、置いていかれては大変!と急ぐことにした。
ソロでは歩きたいけれど、初ソロバックカントリーだけに、本当にひとりだと怖くて不安(笑)。
だから、自分の視界の中に人を入れておきたかった。
オージー(オーストラリ人の意)の夫婦と共に歩き始めた。
自分自身が高校のときにオーストラリアに留学していたよと話すと、どこどこ?と地元トークが始まった。
話していくと、まさに世間は狭いということを発見。
今は、ニューサウスウェルズの田舎の方に住むご夫婦だが、
旦那さんの方が、私のホストシスターと同じ高校を出ていた(笑)。
そう、つまり先輩。
オーストラリア大陸広しといえど、まさかまさかの共通点が。
この日は、実にいい天気。
本日の同乗者は6人なので、視界には先行くkiwiおばちゃんズとオージー夫婦以外、人はいない。
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写真を撮りたくなりはじめたので、早速、自分ワールド開始。
夫婦に遅れをとらないように気をつけつつ、景色を楽しみ、写真を撮る。
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水たまりからも、美しい景色がのぞける。
しかし、心の中には常に不安がいっぱい。
不安その1;噂の川渡りはいつなのか。
その川がいつ出てくるのか、ドキドキしていた。
来る前に、インフォメーションセンターで川の水位を確認したら浅かったが、初の川渡り。
水の勢いは平気だろうか、靴を脱ぐべきか、そのままズブズブ行くべきか・・・etc。
細かい細かい心配事が積み重なって、緊張。
いつ出てくるのか、いつ出てくるのか、いつ出てくるのか。
川が出てくるまでは、絶対に前の二人から離れないように気をつけよう。
そして、ついに噂の川が !!
うん、あれはひとっ飛びーなんかでは渡れそうにない(笑)。
サンダルに履き替える前方の二人。
川幅は実に25mプールに及ぶほどあるのではないだろうか。
さすがに裸足もビーサンも渉には相応しくなさそうだ。
ということで、私はレインウェアを履き、その上にゲーターを履いた。
まずは、先に渡る二人の様子を拝見。
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とても気持ちよさそう!
自分も恐るおそる、ゆっくりと川の中へ足を進める。
流れも弱く、水はまさに清く澄んでいる清流。
「あれ、色々とブログで読んで緊張していた川だったけれど、今日は実にすばらしい~!」
川から出てゲーターを外してみると、靴の中まで浸水。
まったく意味がなかった(笑)!!
そして、数分歩くと再び川。そして、また川。
自分たちの横にずっと本流が流れている訳で、
それに合流する支流が小さいものから大きいものまで、いくつもある。
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前方の二人もさすがにサンダルに履き替えるのを面倒に感じたのか、靴のまま進んでいっているようだ。
靴の中はまさにプール。
チャプチャプ、ぽちゃぽちゃ。。。気持ち悪いい。
そして川以上のくせ者が存在した。
清流渡りなんて、さわやかな一時だった。
ここは私有地の牧場の中にバックカントリーコースが設定されているため、トラックがあることを示すオレンジ色のポールの数があまり立っていない。
一見、牧場は開けていて視界がいいようだが、生い茂る牧草は意外と背が高く、蛍光色のオレンジポールでも隠れてしまい見えない。
そもそも、ポールの間隔があき過ぎていて、あまりあてにならない。そして、ニセ道標ではないが、似たようなポールもたまにあったりして紛らわしい。
あてになるのは、今までのトレッカーが歩いてできた道をたどっていくことなのだが、牧場だけに、家畜の作った獣道も無数にあり、時として惑わされる。
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そして、小休止を取りたくても牧場一帯はぬかるんだ地、日陰は一切なし。そして家畜の糞が一帯に広がり、とてもとても休む場所などないし、そもそも、気持ち的に休もうと思えない。
次の道標となるポールを必死に探すがなかなか見えない。
ポールと踏み跡を注意深く追っていっても、ある時突然、両方とも消える。
「え? え! どこに道はいったのだろう・・・」
焦りは禁物と知りつつ、緊張と不安で焦る。
ふと横を見ると茂みの中に次のポールが立っていたりして、ハイカーを試しているのか?と思いたくなるような設置方法だ。
やっとポールを見つけたと思っても、深い川の向こうにあったりと、時として「ありえない場所」に設置されている。
それは、ただ「ありえない」ように見えるだけなのか、本当に「ありえない」場所なのか、そもそも整備されたルート、決められたルートがない場所なので、自分の判断で動くしかない。
安全な足元とルートを見失わないことに必死で、景色を堪能する余裕なんて消えていた。
早く牛糞だらけのぬかるんだ場所から脱出したくて、進むことに必死だった。
腰上以上の深さのある小川を渡るか、それとも右にそれて踏み跡とたどっていくか・・・。
私は踏み跡をたどった。
もしかしたら家畜の足跡かもしれない。。。
歩いているうちに、それを確実に感じるようになる。
底なし沼のようにぬかるんだ地。湿地帯だった。
怖くて、不安で戻ろうかと思ったが、戻ったところでも道があるようには思えなった。
そんな時、遥か先に、何かが太陽に反射した光が見えた。
あの夫婦だ!!
この道で行けるんだ!
不安が少し消え、進み続けた。
しばらくすると、男性が向こうから声を上げている。逆方向で進んできたトレッカーだろうか?
「あれ、あそこに人が歩いているということは、向こうが道?」
そう思って男性の方を見ていると、私の方を向いて、こっちへ来いの合図をしている。
道なき道、ぬかるんだ湿地を進んでいくと、やっと声が聞こえた。
「こっちに道がある。僕たちも君と同じ道を歩いていたけれど、そこはどうも牛が作った道のようだ。」
先を歩く夫婦の旦那さんの方が、私を見つけて呼びかけにきてくれたのだ。
人に会えた安心。
けれど、まだまだこんな道が続くのだろうかという先の見えなさで嫌になっていた。
こんなに冷たい汗と熱い汗が流れたのは、トレッキングでは初めてかもしれない。
夫婦と歩いていくと森林部分が多くなってきた。
やっと、日陰で休むことができる。
木の包んでくれる存在感にホッとした。
だいぶ先を歩いていたkiwiの3人組も休んでいた。
みんな、ホッとしたんだな。
そして、森の中をしばらく進むと、待ち望んでいた看板が現れた!!
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Mt.Aspring national parkの玄関口にやっとこれたのだ。
やっと来れたという安堵でいっぱいになった。
下調べで得た情報によれば、ここから先は整備された道があるとのこと。
しかし、ここまでで2-3時間。
精神的にだいぶ疲れてしまったので、この先の4時間が途方もなく長く感じられた。
ここから先の道は一本道なので、迷うことはなかった。
再び開けた草場に出ても、ここは国立公園の中。
オレンジ色のポールが牧場よりも狭い間隔で立っている。
プールのように水が浸水した靴で歩く。
ハットまであとどれくらいだろうか。
4泊分、そしていつもより多めにいれた食料の重さで体が痛い。
少し歩いては休み、歩いては休みの繰り返し。
一度、大きな岩をハットと見間違えた。
期待して近づいていくと、屋根ではなく岩だった(笑)。
それから、しばらくまた歩くと吊り橋が出てきた。
どうやら、今度は本当のハットがあるようだ。
橋の先にはグレートウォークにあったハットに劣らない立派なハットが建っていた。
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やっと、つけた。
そうは思いつつ、他の乗客はさっさと出発し始める。
私がいたところで役には立たないし、他トレッカーの近くを歩きたいので、置いていかれては大変!と急ぐことにした。
ソロでは歩きたいけれど、初ソロバックカントリーだけに、本当にひとりだと怖くて不安(笑)。
だから、自分の視界の中に人を入れておきたかった。
オージー(オーストラリ人の意)の夫婦と共に歩き始めた。
自分自身が高校のときにオーストラリアに留学していたよと話すと、どこどこ?と地元トークが始まった。
話していくと、まさに世間は狭いということを発見。
今は、ニューサウスウェルズの田舎の方に住むご夫婦だが、
旦那さんの方が、私のホストシスターと同じ高校を出ていた(笑)。
そう、つまり先輩。
オーストラリア大陸広しといえど、まさかまさかの共通点が。
この日は、実にいい天気。
本日の同乗者は6人なので、視界には先行くkiwiおばちゃんズとオージー夫婦以外、人はいない。
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写真を撮りたくなりはじめたので、早速、自分ワールド開始。
夫婦に遅れをとらないように気をつけつつ、景色を楽しみ、写真を撮る。
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水たまりからも、美しい景色がのぞける。
しかし、心の中には常に不安がいっぱい。
不安その1;噂の川渡りはいつなのか。
その川がいつ出てくるのか、ドキドキしていた。
来る前に、インフォメーションセンターで川の水位を確認したら浅かったが、初の川渡り。
水の勢いは平気だろうか、靴を脱ぐべきか、そのままズブズブ行くべきか・・・etc。
細かい細かい心配事が積み重なって、緊張。
いつ出てくるのか、いつ出てくるのか、いつ出てくるのか。
川が出てくるまでは、絶対に前の二人から離れないように気をつけよう。
そして、ついに噂の川が !!
うん、あれはひとっ飛びーなんかでは渡れそうにない(笑)。
サンダルに履き替える前方の二人。
川幅は実に25mプールに及ぶほどあるのではないだろうか。
さすがに裸足もビーサンも渉には相応しくなさそうだ。
ということで、私はレインウェアを履き、その上にゲーターを履いた。
まずは、先に渡る二人の様子を拝見。
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とても気持ちよさそう!
自分も恐るおそる、ゆっくりと川の中へ足を進める。
流れも弱く、水はまさに清く澄んでいる清流。
「あれ、色々とブログで読んで緊張していた川だったけれど、今日は実にすばらしい~!」
川から出てゲーターを外してみると、靴の中まで浸水。
まったく意味がなかった(笑)!!
そして、数分歩くと再び川。そして、また川。
自分たちの横にずっと本流が流れている訳で、
それに合流する支流が小さいものから大きいものまで、いくつもある。
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前方の二人もさすがにサンダルに履き替えるのを面倒に感じたのか、靴のまま進んでいっているようだ。
靴の中はまさにプール。
チャプチャプ、ぽちゃぽちゃ。。。気持ち悪いい。
そして川以上のくせ者が存在した。
清流渡りなんて、さわやかな一時だった。
ここは私有地の牧場の中にバックカントリーコースが設定されているため、トラックがあることを示すオレンジ色のポールの数があまり立っていない。
一見、牧場は開けていて視界がいいようだが、生い茂る牧草は意外と背が高く、蛍光色のオレンジポールでも隠れてしまい見えない。
そもそも、ポールの間隔があき過ぎていて、あまりあてにならない。そして、ニセ道標ではないが、似たようなポールもたまにあったりして紛らわしい。
あてになるのは、今までのトレッカーが歩いてできた道をたどっていくことなのだが、牧場だけに、家畜の作った獣道も無数にあり、時として惑わされる。
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そして、小休止を取りたくても牧場一帯はぬかるんだ地、日陰は一切なし。そして家畜の糞が一帯に広がり、とてもとても休む場所などないし、そもそも、気持ち的に休もうと思えない。
次の道標となるポールを必死に探すがなかなか見えない。
ポールと踏み跡を注意深く追っていっても、ある時突然、両方とも消える。
「え? え! どこに道はいったのだろう・・・」
焦りは禁物と知りつつ、緊張と不安で焦る。
ふと横を見ると茂みの中に次のポールが立っていたりして、ハイカーを試しているのか?と思いたくなるような設置方法だ。
やっとポールを見つけたと思っても、深い川の向こうにあったりと、時として「ありえない場所」に設置されている。
それは、ただ「ありえない」ように見えるだけなのか、本当に「ありえない」場所なのか、そもそも整備されたルート、決められたルートがない場所なので、自分の判断で動くしかない。
安全な足元とルートを見失わないことに必死で、景色を堪能する余裕なんて消えていた。
早く牛糞だらけのぬかるんだ場所から脱出したくて、進むことに必死だった。
腰上以上の深さのある小川を渡るか、それとも右にそれて踏み跡とたどっていくか・・・。
私は踏み跡をたどった。
もしかしたら家畜の足跡かもしれない。。。
歩いているうちに、それを確実に感じるようになる。
底なし沼のようにぬかるんだ地。湿地帯だった。
怖くて、不安で戻ろうかと思ったが、戻ったところでも道があるようには思えなった。
そんな時、遥か先に、何かが太陽に反射した光が見えた。
あの夫婦だ!!
この道で行けるんだ!
不安が少し消え、進み続けた。
しばらくすると、男性が向こうから声を上げている。逆方向で進んできたトレッカーだろうか?
「あれ、あそこに人が歩いているということは、向こうが道?」
そう思って男性の方を見ていると、私の方を向いて、こっちへ来いの合図をしている。
道なき道、ぬかるんだ湿地を進んでいくと、やっと声が聞こえた。
「こっちに道がある。僕たちも君と同じ道を歩いていたけれど、そこはどうも牛が作った道のようだ。」
先を歩く夫婦の旦那さんの方が、私を見つけて呼びかけにきてくれたのだ。
人に会えた安心。
けれど、まだまだこんな道が続くのだろうかという先の見えなさで嫌になっていた。
こんなに冷たい汗と熱い汗が流れたのは、トレッキングでは初めてかもしれない。
夫婦と歩いていくと森林部分が多くなってきた。
やっと、日陰で休むことができる。
木の包んでくれる存在感にホッとした。
だいぶ先を歩いていたkiwiの3人組も休んでいた。
みんな、ホッとしたんだな。
そして、森の中をしばらく進むと、待ち望んでいた看板が現れた!!
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Mt.Aspring national parkの玄関口にやっとこれたのだ。
やっと来れたという安堵でいっぱいになった。
下調べで得た情報によれば、ここから先は整備された道があるとのこと。
しかし、ここまでで2-3時間。
精神的にだいぶ疲れてしまったので、この先の4時間が途方もなく長く感じられた。
ここから先の道は一本道なので、迷うことはなかった。
再び開けた草場に出ても、ここは国立公園の中。
オレンジ色のポールが牧場よりも狭い間隔で立っている。
プールのように水が浸水した靴で歩く。
ハットまであとどれくらいだろうか。
4泊分、そしていつもより多めにいれた食料の重さで体が痛い。
少し歩いては休み、歩いては休みの繰り返し。
一度、大きな岩をハットと見間違えた。
期待して近づいていくと、屋根ではなく岩だった(笑)。
それから、しばらくまた歩くと吊り橋が出てきた。
どうやら、今度は本当のハットがあるようだ。
橋の先にはグレートウォークにあったハットに劣らない立派なハットが建っていた。
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やっと、つけた。
無事に帰ってこれて本当に良かった!