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「ゼロ・ダーク・サーティ」

キャスリーン・ビグロー監督、
オスカーの舞台では本当に美しい女性だったけど
巨匠の気配充分。
彼女の才能を再確認した。


ネタは周知のことだけど、
それ以外でも様々にネタバレしてます。




目を覆いたくなるような拷問のシーンや
恐ろしいテロ事件が
余分な演出無く、たんたんと描かれる。
けっこう覚悟が必要なくらい、長い。

でも一転、ラストの作戦のシーンは
一秒も目を離せないし、
息をするのを忘れるほどエキサイティングなシーンになる。

ビンラディンの顔ははっきりとは出てこないのだけど
兵士が隠れ家の3階に向かうとき、
「オサーマ!」と呼びかけるのが
ものすごく現実的で心底恐ろしい。

ビンラディン捕獲には世界中で色々なニュースがあったので
“その後”というのも映画になったら面白いかもと思った。

遅々として進まないビンラディン逮捕計画にテコいれするために
まだ若いマヤが投入されたのも驚き。
そして7年、彼女は執念でビンラディンを追い詰める。
最初はテロリストたちの拷問も直視できなかった彼女が
だんだんと凄みを増して、
銃撃されてもへこたれない。
若い女性を駆り立てるのは何だったのか・・・。
友人の死か、国家への忠誠心なのか。

だとすれば、最後のシーンでの涙は何だったのか。

シウはあの涙は“虚しさ”の現れだったのだと思う。

ビンラディンを追うという重責から解放されてみて、
初めて彼女は自分のこの数年間を振り返る。

ビンラディンを仕留めても、
テロはなくならない。
世界の無駄な戦いの一つの顔でしかなかったということに気付いたのか。


赤外線カメラで撮影したというジェロニモ作戦のシーン。
実際に兵士たちも赤外線スコープで見ている光景なので
臨場感がすごかった。
あの赤外線スコープを着けた兵士たちになだれこまれ、
身内を殺されるシーンを目撃した子どもたちは
本当にモンスターが来たかのように思っただろう。
想像を絶するトラウマになり
心を立て直すことができない子もいるし、
立てなおすとしたら、それは復讐心で、という子もいるだろう。

それが一番恐ろしい。

ゼロ・ダーク・サーティ - goo 映画
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