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「柳と風」

イラン映画っていうと
馴染みがないかもしれないけど
アッバス・キアロスタミは小津ファンということで
なんだか日本の昔の子供を見るような懐かしさもある。

子どもの行動をただただ追っただけの作品。
でも純粋な子どものやることには
大人がハっとさせられるような要素がたくさんなのだ。

皆で遊んでいたのに
直接的な原因になったというだけで、
ガラスの弁償を迫られるクーチェキ君。
ガラスを入れるまで授業に出てはいけないと
教室の外の廊下に立たされている(!)
2週間そんなやりとりがあって、ついに先生に
「今日中にガラスを入れなければ退学だ!」と言われてしまう。
父は貧しい職工でガラス代は払えない。
しかも父は「なんでうちだけが払わなきゃいけないんだ!」とクーチェキに怒る。
そりゃごもっとも。でも、息子じゃなくて先生にそう言ってやってよ。

転校生が来て、
クーチェキにお金を貸してくれた。

なんだか遠い道を歩いてガラス屋に向かうクーチェキ。
色々と要領が悪いのがもどかしい。
子どもってそういうものなんだけど。

困難が次々と襲いかかり
色々学びながら生きていかなきゃならない。
これも人生。

大人は人生に重ねてしまう。

厳しすぎる“初めてのお使い”イラン版。

こんなに何でもないことを描いているのに、
ずっと忘れられないような強い印象を残すのは何故だろう。

「友だちのうちはどこ?」と合わせて、
シウのお気に入りの一つになった。




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