10月1日(日)
とうとう10月に入った。
東京の家で、毎日過ごすようになって、一体、私は何をしたんだろう?一日中、一階の部屋で、ぼんやりと過ごしているのが何時もの私である。
全く、何の生産性もなし!
これじゃあ、いけない!と思いながら、深夜を迎える。
やる事がいっぱいあるのだ。だけど……
な~んにも出来ていない。
最後には、厳しく注意をされるのだが、それも効果なし。
つまり、自分の足のせいにして、動こうとしないのだ。
心の中では、このままだと死ねないから、かえって、長生きするのかな?と勝手な事を考える。
まったく、いい気なものだ。
確かに、散らかりぱなしの自分の部屋を見れば、もう,呆れるばかり。
でも、手が出ない。
勝手なこと、都合のいいことを考える。
「散らかっているから、死ぬわけにはいかないよ!」
座れば、転んでしまう姿勢に手を焼いてしまう。
この辺で、つまらない話はやめにしよう。
何の生産性もなし!
今朝は近所のスーパーへ出かけた。
入り口には何人かの年配の人たちが椅子に腰掛けておしゃべりをしている。
「この人たちの後ろに並んでください」と、店の人。
今日は10月1日。駅弁が久しぶりに売られる日だ。
このスーパーでは、月初めに駅弁を得る。
種類はわずかだが、評判の良い物を扱っている。
今年も、その季節がやってきた。
何時もの『峠の釜飯』を買うことにした。
実は、ほとんどの人がその釜飯を狙ってくるのだ。
四つも、いや、八つも買っていく人がいる。
「お金持ちだね~!いや、外で食べれば、二人分ぐらいの費用かな?」
漬物を入れた小さなケースが別につく。
姉に任せて、少し離れたところで見ていると。漬物のケースを一つ落とした人がいる。
しばらくは机の上に置かれていたが、姉の番になって、私たちのカゴに『落とした漬物のケース』を入れた。
「その漬物は落とした物だから、取り替えてもらいなさいよ」と、姉に声をかける。
店の人は取り替えたが、一つだけ。
私の顔を見て、バツの悪い顔をした。
(ちゃ~んと、観察している人間がいるのよ!)
釜飯は内容が全く変わらずに充実していた。
しかし、私の味覚はかなり悪くなったので、味を噛みしめることが出来ない。
まあ,これも、私の不養生のせいか!
結局、二回に分けて完食。
信州の秋の味がした。
ふと,思った。
この釜飯、皇室の方々も召し上がられたかな?
昔は汽車の中で買った若い頃の思い出がある。