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祖母殺した孫娘の悲哀と知られざる「老孫介護」の過酷さ

2021-08-16 15:30:00 | 日記

下記は日経ビジネスオンラインからの借用(コピー)です

「老孫介護」という言葉がある。
 1990年代後半から研究者や介護福祉関係者の間で使われていて、さまざまな“家族の都合”により孫が祖父母の介護を担っている状態をいう。一般的にはヤングケアラー(詳細は追って説明)と呼ぶことのほうが多いかもしれない。
 その老孫介護の痛ましい結末に至るまでの経緯を取材した毎日新聞の記事が、SNS上で大きな反響を呼んだ。「『限界だった』たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか」という衝撃的なタイトルでつづられた記事の内容は、日本では「見て見ぬふり」をされ続けてきた社会問題の理不尽さを想起させるものだった。
 言い方を変えれば、誰もがちょっとした人生のタイミングのずれにより、同様の事態に陥るやもしれないってこと。そして、これは何度もこのコラムで指摘しているとおり、社会のしくみの結果だ。家族の問題=他人のエピソードで終わらせてしまうのではなく、社会のしくみの問題=制度として捉えるべき問題である。
社会が知らない老孫介護の実態
 老孫介護の最大の問題は、その実態が社会に知られていないことであり、「孫」がいとおしさをイメージさせる存在であるが故に「お孫さんが介護だなんて。おばあちゃん(おじいちゃん)思いのいい子だね」などと美談にされがちなことだ。
 そこで今回は、「老孫介護」の実態とその問題点を考えてみようと思う。
 まずは事件の概要からお話しする。
 2020年9月18日。神戸地裁は、2019年10月に、神戸市の自宅で祖母(当時90歳)の介護中、口にタオルを突っ込んで窒息させ、殺害したとして、殺人の罪に問われていた22歳の女性(=孫)に対し、懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡した。
 裁判長が「犯行は危険なものでいささか短絡的」と指摘した上で、認知症の被害者を一人で介護し、その介護による「睡眠不足や仕事のストレスで心身ともに疲弊し、強く非難できない」としたように、亡くなった祖母には、22歳の孫以外に3人の子供(女性の伯父、父、叔母)がいて、いずれも徒歩5分圏内に住んでいた。にもかかわらず、介護は孫の女性がほぼ1人で担っていたという。
 女性がまだ幼い頃に両親は離婚し、小学校1年生のときに母親は他界。その後、児童養護施設に移された女性を引き取り、育てたのが、父方の祖父母だった。
 “おばあちゃん”に育てられた女性は短大に進学し、夢だった幼稚園教諭として働くことが決まった(中高時代は一時叔母宅で過ごしている)。同じ頃、祖母はアルツハイマー型認知症と診断され、次第に病状は進行する。身の回りのことができなくなり、徘徊(はいかい)をすることが増え、介護が必要になった。毎日新聞の記事によれば、「おばあちゃんを一人で家に置いておくのは危ない」というのが、親族の総意だったそうだ。
 ところが、女性の父親は病気で、清掃会社を経営する伯父は多忙、叔母には小さい子供がいたことから、「おばあちゃんに学費を出してもらったんや。あんたが介護するのが当然やろ」という叔母の一声で、介護は女性が担うことになった。
 当時、女性は幼稚園で働き始めて、まだ一カ月しか経っていなかった。それにもかかわらず、「認知症の祖母の介護」という、精神的にも肉体的にも難しい役割を任されてしまったのだ。
 長年慣れ親しんできた仕事をしている人でさえ、介護との両立は厳しい。介護を経験した人であれば、社会人になったばかりの22歳の女性が、どれだけ大変だったかは容易に想像がつくであろう。
たった2時間しか眠れない
 実際、女性は仕事から帰ると“おばあちゃん”に夕食を食べさせ、1~2時間おきにトイレに連れていき、排せつすればシャワーを浴びさせ、深夜の散歩に付き合い、睡眠時間は連日わずか2時間ほどしかとれなかった。
 近所には、父、伯父、叔母などの親族がいたし、祖母は昼間はデイサービスを利用するなど「国のしくみ」としての介護サービスは受けていた。なのに認知症の祖母を介護をする女性はたったの2時間しか、物理的に睡眠時間がとれない。これが“現実”なのだ。
 介護生活を始めて2週間で、女性は「介護は無理かもしれん」と父と叔母に訴えている。親しい友人には「祖母の介護を始めて、おむつ代や食費も自分で出している」と打ち明けていた。職場でも「おばあちゃんの介護をしている」と話すなど、SOSを発信していた。
 しかし、周りはそれを「SOS」とは認識しなかった。
 親族は女性に介護を任せ続け、同僚や知人たちは介護の話を真に受けなかった。「嘘つき」よばわりされることもあったという。
 そんな日々が続いた5カ月後の明け方に事件は起きた。
 女性が寝汗をかいていた“おばあちゃん”の体をタオルで拭いたときに、認知症の祖母は孫を自分の娘と勘違いし、「親をないがしろにすな」と怒鳴った。お湯でタオルを温めて拭き直したが、今度は「あんたがおるから生きていても楽しくない」と言われた。「ごめんね、ごめんね」と必死でなだめたが、祖母の非難はやまなかった。
 女性は祖母の口にタオルを突っ込み窒息死させた。気が付いたときには目の前に横たわる“おばあちゃん”がいたという。そして、女性は自ら「おばあちゃんを殺してしまいました」と110番したのである。
 ……なんという痛ましい事件なのだろうか。
 これまでも介護問題については繰り返し取り上げ、9月に公開した「『人に迷惑をかけるな』という呪いと自助社会の絶望感」の中で、「家族に介護を押しつける仕組みそのものに無理があることは明白なのに、少子高齢社会に向き合わず、問題を解決しようとする活発な議論すらしてこなかった」と書いた。
 だが、今回取り上げた「老孫介護」は、「家族」という2文字からは決して分かることのない事情だ。
 件の22歳の女性のようなケースだけではなく、経済的な問題から孫が介護に専念する場合がある。祖父母に十分な預貯金がなく、家族の誰かが介護費用を捻出しなければならなくなったとき、稼ぎのいい親が働きに出る一方で、稼ぐ力のない孫が親から渡されたお金だけで介護を担うことを余儀なくされる。
若年介護がはらむ大きな課題
 “大人”であれば、薬の管理や年金、保険金の受け渡し、さらには医師やケアマネジャーなども含めた専門家とのコミュニケーションをなんなくこなせるであろう。しかし、“子供”にとってそれは、大きな負担だ。
 介護では精神的なケアも必要となる。22歳の女性が「ごめんね、ごめんね」と必死でなだめたときにどれだけ追い詰められたか。精神的ケアほど心を消耗させるものはないと、私自身、年をとっていく親と接する中で一番感じている。
 また、8月に公開した「『ババア!』と暴言を吐いた自責の念とプレ介護問題」では、ドイツの介護制度を取り上げ、「介護する人の支援」の重要性を書いた。
 しかしながら、今回の22歳の女性の状況から分かるように、「介護する人」が若年者の場合、“大人になる過程”独特の課題があるため支援のあり方も、“大人”と分けて考える必要がある。
 “大人”であれば「親の介護が必要になってさ」「親がちょっと認知症で」などと一言こぼせば、「お互い大変だなぁ」と共感してくれる人がたくさんいるので、「私だけじゃないんだ」と心の疲れがやわらぎ、少しだけエナジーが充電される。
だが、若年者では無理。「老孫介護」あるいは「ヤングケアラー」の存在自体が世間に知られていないことに加え、「なんでジイちゃんの介護をやんなきゃなのよ?」などと嘘つき呼ばわりされたり、「いいお孫さんね」などと美談にされてしまったり。SOSを言えなくなる。実に孤独だ。
 そもそも老孫介護も含めた「ヤングケアラー」という存在が注目されるようになったのは、日本では2010年代以降だ。一般社団法人日本ケアラー連盟の設立が、大きな役割を果たした(2010年設立)。
ケアラー連盟では、介護を担う18歳未満の子供のことを“ヤングケアラー”、18歳からおおむね30歳くらいまでの介護者を、“若者ケアラー”と定義し、「介護を必要としている人も介護者も、ともに自分の人生の主人公になれる共生の社会をつくること」を目指している。
調査でも拾いきれないヤングケアラーの実数
 若いケアラーたちは、今回取り上げた祖父母の介護に加え、病気や障害をもつ親の介護をしたり、両親がさまざまな理由から子育てに専念できず、妹や弟の世話をしている場合もある。
 総務省が2013年に発表した「平成24年就業構造基本調査」では、15~29 歳の介護者数は17万7600人。高校生約6000人を対象に実施した調査では、ヤングケアラーが全体の5.2%存在していた。しかも、その半数は高校生になる前からケアを担っていたことが確認されている(濱島淑恵、宮川雅充「高校におけるヤングケアラーの割合とケアの状況」)。
 一方、「ヤングケアラー」問題に早くから取り組んでいる英国が2003年に実施した全校調査で、その平均年齢が12歳だったと報告されているので、日本でも15歳以下のヤングケアラーが相当数いると予想される。
 実際、日本ケアラー連盟が 2015 年に新潟県南魚沼市で全公立小中学校の教職員に実施したアンケート調査で、回答者の4人に1人が、「これまで接した児童や生徒の中にヤングケアラーと思われる子がいた」と回答(日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクト2015)。2016年に神奈川県藤沢市の公立小中学校などの教員を対象にした調査でも、1098人の回答者のうち半数に当たる534人が、「これまで接した児童や生徒の中に家族のケアをしているのではないかと感じた子供がいる」とした。
 「ヤングケアラー」という呼称は、英国が1990年代ごろから世界に先駆けて使い始めたもので、当時英国では、日本同様に在宅福祉を主軸とし、介護も含めたケアの担い手の核は、家族、友人、近隣の人など「自立」を中心とした地域ケアで、「公助」は全体のケアのごく一部を担うように位置付けられていた。
 ただ、日本とは異なり、ケアを担う人=介護をする人も同様に支援される人と位置付け、「ケアを担う人のためのケア」に積極的に取り組んでいた。
 そうした中で明らかになったのが、子供を中心とした若年者が、学業がままならない状況で家族の世話や介護をしているというリアルだった。
 そして、ヒアリングを中心とした研究を進める過程で研究者たちが痛感したのが、ヤングケアラーをどんなに外部の人間がケアしても、彼・彼女たちは家に帰れば「家族のケアをたった一人でしなくてはならない」という厳しい現実だった。
 いうまでもなくヤングケアラーの本業は「学業」である。本来であれば、“子供”は友人たちと勉強したり遊んだり、家族とともに過ごす経験をする中で、人生を生き抜くさまざまリソースを獲得する。
 しかし、ヤングケアラーにはその時間も余裕もない。家族の介護を担う責任から逃れられないため、学業や友人関係を含めたさまざまな機会を犠牲にする以外に選択肢がないのだ。それはリソースを獲得する機会がことごとく失われていくことを意味する。
依存する対象すら持てない子供たち
 そこで英国では、ヤングケアラーたちの支援には法律を変えることが重要だと考え、2014 年に「2014年子供と家族に関する法律(Children and Families Act 2014)」を成立させ、その中に「ヤングケアラー(18歳未満)」の項目を設けた。さらに「2014年ケア法(Care Act 2014)」という成人を対象とした法律も成立させ、その中で18~24歳までを「ヤングアダルトケアラー」と定義し、彼らに支援がなされるようにしている(澁谷智子「ヤングケアラーを支える法律 ――イギリスにおける展開と日本での応用可能性」)。
 さらに、どんなに良い法律を成立させても、うまく運用されないことにはヤングケアラーたちを守ることはできない。
 そこで6月の「ケアラーズ・ウィーク」には、テレビなどのメディアが積極的にヤングケアラーの話を取り上げ、地域のスーパーや図書館などでもヤングケアラーを啓蒙する活動なとが展開されていたと、実際に英国に滞在した澁谷氏は報告している。
 こういった英国の取り組みの前提となっているのは、「どんな福祉サービスも、子供の過度なケア役割に頼ってはいけない」という考え方であり、支援のあり方も家族全体を対象にしたものになっている。
 繰り返すが、冒頭の22歳の女性のケースでも「家族」という言葉ではひとくくりにできない事情があった。老孫介護も含めたヤングケアラー問題は、若者個人だけではなく「家族全体」を見渡した上で支援を模索しないことには解決できない。そうでなければ結局しわ寄せが、一見社会的しがらみの少ない「子供(=孫)」に及び、「家族の犠牲」になってしまうのだ。
 自立とは依存の先にあるものなのに、依存する手立てを知らない、依存する先もない子供たちが社会にいるという事実を、知っていただきたくて今回、この問題を取り上げた。
 先月、厚生労働省が、病気や障害などのある家族の介護をする18歳未満の子供、つまりヤングケアラーに関して、全国の教育現場を対象にした初の実態調査を12月にも始める方針を固めたと報じられた。つまり、やっと日本が、ヤングケアラー問題のスタート地点に立とうと、重い腰を上げたのだ。
河合 薫
健康社会学者(Ph.D.)


アナフィラキシーが怖い人に知ってほしい安心度

2021-08-16 14:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

ファイザー製新型コロナウイルスワクチン(コミナティ筋注、以下、ファイザーワクチン)は、日本を含め、世界中で広く用いられています。このワクチンが日本に導入された当初、医療従事者向け先行接種事業で安全性情報が収集されました。
私は、ワクチンの安全性を考えるうえで、特に副反応として挙げられているアレルギー反応の一種、アナフィラキシーに着目し、その情報をまとめた厚生労働省公開データを共同研究者とともに2次的に解析しました。
その結果が、2021年6月14日にイギリス・オックスフォード大学出版局が発行する国際的な医学誌『Journal of Travel Medicine(旅行医学ジャーナル、JTM)』誌に短報として公開されました。
アナフィラキシーとは、アレルギー物質(アレルゲン)が体内に入った後、数分後から十数分以内に起こる過敏反応のことで、皮膚や粘膜、呼吸器や循環器など、複数の場所に同時に症状が表れるのが特徴です。このうち、急な血圧低下や意識障害が起こるものを、アナフィラキシー・ショックと呼びます。
日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」によると、具体的な症状は発疹(じんましん)や赤み、かゆみ、唇やまぶたの浮腫、腹痛、嘔吐、喘鳴(ぜんめい・呼吸がゼーゼーする)、呼吸困難、血圧低下、意識障害など、実にさまざまです。
約18万人の医療従事者の接種状況から
国立病院機構など100の医療機関を対象に、医療従事者向けファイザーワクチンの先行接種が2021年2月17日から始められました。これは、日本人での安全性情報が当時は不十分だったため、まず新型コロナウイルスへの感染リスクの高い医療従事者で接種を行い、安全性のデータを集めようという政策的意図があったと考えられます。
3月11日時点で約18万人の医療従事者が1回以上の接種を終え、その副反応発現状況が3月12日の「第53回厚生科学審議会」の資料として公開されました。
しかし、生データとして公開されているだけでは、その医学的解釈は難しく、また、医学界で重要視されている第三者からの査読を受けた論文の形にまではなっていないため、その評価も困難です。そこで、この資料の中のデータを2次解析し、医学論文としてまとめたのです。
結果は以下の通りです。
アナフィラキシーを発現した人数は37名、平均年齢は40歳、94.5%が女性でした。アナフィラキシーの発現率は、100万回接種当たり204.2回でした(注:ワクチン副反応の頻度はこのような表現を使います、%で表すと「0.02%」になります)。接種から30分以内に発現した方は37名中31名いました。
アレルギー歴がある人は21名です。その内訳を見ますと、薬あるいはワクチン15名(最多:インフルエンザワクチン5名)、食品10名(最多:卵4名)、化粧品4名と続きました。アナフィラキシーの基準を判定するブライトン分類が評価されたのは17名で、うち7名が「因果関係あり」と判定されました。
本データから何がわかったのでしょうか。
アメリカよりも日本のほうが数値は高く出たものの…
まず、日本人のアナフィラキシーの発現率は高いという可能性です。
アメリカ疾病対策センター(CDC)のデータによると、2020年12月14日から翌年1月18日にかけてアメリカではファイザーワクチンが約994万回接種され、100万回当たり4.7件の頻度(約0.0005%)でアナフィラキシーが認められました。
一方、今回の日本人を対象とした結果は204.2回と、アメリカの結果よりかなり高い発現頻度が示されました。
ただ、この結果の解釈には注意が必要です。アナフィラキシーの定義が曖昧だったため、本当の診断例ではなく疑い例まで多く含まれていたこと、また、医療従事者対象でアナフィラキシーに注意すべきと事前に知らされていたため軽微でも念のための報告が多く行われていたことが考えられます。そのため、過剰報告になり実際よりかなり多めの数字が初期の段階では出ていたのではと推測されます。
さらに、この数字を考えるうえで着目すべきポイントがあります。
まず、37名のうち35名が女性です。そして、57%(21名)が何らかのアレルギー歴を有しておりました。特筆すべきなのは化粧品です。化粧品には、ポリエチレングリコール(PEG)が含まれているものが増えています。PEGとは、成分を安定化させたり、効果を長持ちさせたりするために添加する物質で、医薬品や高級化粧品にも使用されています。ファイザーワクチンにもPEGが添加されていますので、これがアレルギー原因物質の可能性が考えられました。その他、ワクチンアレルギーは計7名(インフルエンザワクチン5名に加え、肝炎ワクチン2名)おり、ワクチンアレルギー既往がある人も注意が必要です。
今回、ファイザーワクチンによる日本人のアナフィラキシーの発現頻度は、多めに見積もられた初期の報告では0.02%という結果でした。
アナフィラキシー発現は非常にまれだが注意は必要
それでも、この値は決して絶対的に高くはありません。にもかかわらず、今回のアナフィラキシーを重要視する理由は、極めて多くの方が接種を受けるため、「万が一」を想定する必要があるからです。
具体的には、専用の救護スタッフの配置、昇圧薬や抗アレルギー薬などの準備、スムーズな病院緊急搬送の手続きなどが挙げられます。一般人対象の接種事業では、われわれ医療従事者はアナフィラキシーに備えて入念に準備を行ってきました。
画像をクリックすると、長期戦の様相を呈してきたコロナ禍の今を追う記事一覧にジャンプします
その甲斐あってか、2021年8月4日に公表された厚生労働省の資料によれば、日本のアナフィラキシーの発現頻度は約0.0005%(アナフィラキシー360件/推定接種回数7400万回余り、100万回接種あたり5件の頻度)という結果で、アメリカ疾病予防管理センターの結果と同程度でした。さらに、そのほとんどは回復し、死亡は認められませんでした。
ですので、ファイザーワクチンの接種におけるアナフィラキシーは非常にまれな副反応として注意は必要なものの、日本人での接種を依然として推奨できる安心材料になると考えられ、ひとまずホッとしている次第です。
橋本 貴尚 : 薬剤師


なぜ、ゆとり世代の好青年が会社を辞めたのだろうか…慶應卒の若者の言い分

2021-08-16 13:30:00 | 日記

下記はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

新型コロナウイルスの影響は承知の通り、日本の経済界に混乱を招いた。国や自治体からテレワークなどを要請され、古い企業文化が根深く残る内資の会社は、その対応に四苦八苦した。ただ、企業活動を継続できているのであれば、それはいい方だ。東京商工リサーチによると、新型コロナウイルスの感染拡大が影響した倒産件数は、3月は全国で25件だったのが、4月末には114件まで膨れ上がった。
生きるか死ぬかの瀬戸際の中で、各企業の人事も対応を迫られた。春は定期異動の季節だ。更なる混乱を避けるため異動の発令を止める会社も出てきたが、中には社員が赴任先に引っ越してから、発令がストップするような事態も出ているようだ。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響で解雇や雇い止めされるケースが全国で2100人を超している。そして、今春に高校や大学などを卒業した生徒・学生に関しては、3月31日時点で23社の58人が内定取り消しとなった。
そんな中、せっかく入社できたのに、入社0日で会社を辞めた新入社員がいる。一体なぜ、ゆとり世代の彼は、会社を辞めたのだろうか。そこには、衝撃の言い分があった。
「勝ち組企業」を初日に退社したゆとりの言い分
「うちの会社は、とてもいい会社だと思います。面接官の人柄もいいし、給与も手取り月収35万。同級生から見れば勝ち組と言える企業で、ホワイト企業だったので。でも……」
今年3月に慶應義塾大学を卒業した川崎慎吾さん(仮名・22歳)は、昨年の新卒採用で見事内定を獲得した資本金数百億円の大手コンサルティング会社について、そう振り返る。しかし、一つだけ同期の50人以上のメンバーと異なる点がある。彼は今、その会社に在籍する社員ではないのだ。なんと川崎さん、入社初日にして“退社”しているのだ。しかも、会社には告げずに……。
なぜ働く前から辞めたのか。そしてなぜそれを告げないのか。話を聞くと、働くことへの意義が見いだせない若者像が浮かび上がってきた——。
都内の偏差値70の有名私立中高一貫男子校出身の川崎さん。中学時代から続けた陸上の経験からか身体は引き締まり、落ち着いた好青年といった印象を受けるが、大学3年生を迎えて取り組んだ就職活動に身は入らなかったそうだ。
ノータイ、ノージャケットで最終面接に挑む
「振り返れば就活をする覚悟も、しない覚悟もなくて中途半端でした。それがよくなかったのだと思います。就活サイトに登録したものの、エントリーシートもめんどくさくて出せなかったり、面接を無断欠席して行かなかったり……。でもなぜか1社だけ最終面接まで進んだんです。ただ、当日スーツのジャケットとネクタイが見つからなくて、遅刻して探すか、このまま行くか迷って、ネクタイもジャケットもなしで最終面接に行きました」
しかし、結果は内定。あっけなく川崎さんの就活は終わった。
「面接はたいした話はしていません。SPIテストの難易度が高かったので、地頭の良さを重視していたのではないかと思います」
晴れて内定を獲得し、内定者向けの研修が始まった。彼が内定先に違和感を覚え始めたのはこの頃からだった。
「10月から毎月課題が出されました。内容は、課題図書の要約と感想文、エクセルなどのオフィスソフトの操作、英語ニュースの翻訳。無理を強いられたものではなかったですし、ちゃんと新卒を育てるいい会社じゃんと思いました。ただ、僕は中学生のときから課題を課されるのは苦手だったんです」
「アルバイトと海外旅行で課題は一つも出せませんでした」
結果、川崎さんは課題を提出ができず、会社から何度も催促の連絡が入ったという。
「人事担当者は、電話口で『遅れてでも出そう』と優しく励まし、11月、12月を過ぎて年をまたいだときには『1月分だけでも』と譲歩して連絡してくれたんです。でも、こっちはバイトをしたり、卒業旅行でヨーロッパに行ったりしているうちに、どんどん月日は流れていく。時間もないしやる気もない。最終的に課題はアルバイトと海外旅行で一つも出せませんでした」
こうして迎えた4月1日。
入社日のことを「Xデーですね」と振り返る川崎さん。
当日の彼の動きを朝から振り返っていこう。
「前日には、地下鉄に乗って、駅へ着いて、ビルに入って……と会社に行くシミュレーションをしていました。でも課題をやっていない後ろめたさで、顔を合わせたくない自分もいました。結果、あっという間に朝を迎えて、気づいたら家を出なくてはならない11時。でもスマホをいじったまま11時は過ぎていました。『あ、終わったんだな』って何かが吹っ切れてそれまでです」
入社初日にバックレる。親にはまだ言ってない
こうして、川崎さんは入社初日にして内定先を無断欠勤した新人の第1号となった。
「もちろん、後悔することもあります。会社ってすごいじゃないですか。やることをこなせば月35万ももらえる。会社法人はリバイアサンみたいなものすごいデカい悪魔です。あの一部になれるなら心強いと思います」
川崎さんが終始口にしていたのは、「出社時間が過ぎたので終わりだと思った」という言葉。「時間が解決する」としばしば言われる訓言を、彼は悪い意味で倣ってしまった。
「今思えば、こういう意思決定を下した理由は2つあると思います。一点目に、僕には社会の役に立ちたいとか高尚な欲望を持っていないということ。二点目に、僕は普通に家族を持って生活したいという欲望を抱いていないということ。守るべきものもないし、社会貢献もしたくない。だから、結果的にこういう状況になりました」
現在、彼は仕事を辞めたことを親に言えていないという。
ポルノ作品を撮りたいからゴールデン街で働こうかな
「いまは知人に紹介された医療事務のアルバイトで週2日働いて就活しようかなと思っています。ただ、やりたいことといえば、ポルノ映像作品を撮りたいというのがあります。ただ、まったくの未経験なので、人脈作りが必要かなと。仕事をしながらゴールデン街とかで働いてみたいと思っています」
サラリーマンがやれるものならやりたい。でもやれなかった。
相反するもう一人の自分に耳を傾けるように、川崎さんは将来を模索していた。
さて、コロナで日本中が混乱している中でも、多くの組織には今年も新入社員が入ってきた。あなたの職場にはどんな新入社員が入ってきただろうか。是非教えてほしい。
ツマミ 具依フリーライター


眞子さま破顔! 小室圭さんのニューヨーク就職は計画通り 秋篠宮さまが認めた今秋“裏切り婚”

2021-08-16 11:00:00 | 日記

下記の記事は週間女性プライムからの借用(コピー)です

「7月末、小室圭さんはニューヨーク州の司法試験をオンラインで受験しました。12月中旬までに合否の結果が出る予定。ですが、すでに現地の法律事務所への就職が内定しており、今後も引き続きニューヨークに滞在すると報じられたことには大変、驚きました。なにせ、眞子さまは今秋の結婚を強く望まれているのですが、小室さんがしばらく帰国しないのであれば、秋の結婚に間に合わなくなってしまうからです。小室さんが帰国し、国民からの理解や祝福を得るための努力をしなければ、破談してしまう可能性もあるのでは……」(皇室担当記者)
おふたりの“未来予想図”に変化なし
 7月30日、小室さんはニューヨーク州の法律事務所に就職し、今後の生活基盤もアメリカに置く意向だと報じられた。
 小室さんが帰国しないのであれば、「眞子さまとの結婚をあきらめた」と考えられても仕方ないが……。
「いやいや、おふたりは現在も変わらず、当初の計画どおり、今秋の結婚をめどに準備を進められています。
 新型コロナの感染状況は考慮されるでしょうが、よほどのことがなければ、しかるべき時期に結婚関連の諸々の情報が宮内庁から発表されるはずです」(宮内庁関係者)
 一部では「年内結婚はあきらめた」とも報じられ、さらに今回の報道で破談もささやかれる中でも、おふたりの“未来予想図”は変わっていないというのだ─。
'17年9月3日、婚約内定会見での眞子さまと小室圭さん
 そもそも今秋の結婚が難しくなったのは、新型コロナウイルスの感染状況が大きく影響している。
「新規感染者数が東京では1日に3000人以上、全国では1万人を超え、過去最多の数字を更新しています。
 秋篠宮家は日本でコロナ感染者が発生した当初から、専門家や影響を被った団体の代表などとオンラインで何度も接見を重ね、国民を案じてこられました。死者や重症者が増加し、国民が困難を強いられている状況で、慶事である結婚行事を“秋篠宮家として決断するわけにはいかない”と、殿下がお考えになっているのは当然です」(同・前)
さらに、天皇陛下のご意向にも背くという懸念もある。
「'18年に行われたお誕生日会見で秋篠宮さまは“多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ納采の儀を行うことはできない”とご発言。
 そして今年2月、陛下のお誕生日会見では、眞子さまの結婚問題について“秋篠宮が言ったように、ご両親とよく話し合い、(中略)多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております”とのおことばが。国民からの批判が多い現状で結婚を強行することは、陛下の願いを“無視”するのと同義なのです」(前出・皇室担当記者)
陛下も眞子さまの結婚を“多くの人が祝福する状況”になるよう望まれている('20年12月)
 小室家が抱える金銭トラブルは解決しておらず、国民からの祝福を得るのは難しい状況にも変わりはない。
“窮屈な皇室からの逃避”を望まれる眞子さま
 殿下の課題をクリアしていない状況でもなお、結婚を望まれる眞子さま。皇籍離脱の意思を表明し、皇族や三権の長などで構成される公的機関『皇室会議』で承認を受け、皇室を離れてから小室さんと結婚される可能性も取り沙汰されていた。
 しかし、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんによると、それは現実的な方法ではないという。
「皇族女子の結婚は、一般国民と同様に憲法の『婚姻は両性の合意のみに基いて成立』という規定が適用されます。
 眞子内親王殿下が皇籍離脱の意思を表明された場合、それは“結婚するために皇室を離れたい”ということだと誰もが思うでしょう。本来、ご本人の権利である結婚に、国の機関としての皇室会議が関わることになりますし、結婚を認めるかどうかの審議のようになってしまう可能性もあり、好ましくありません」
 眞子さまが金銭トラブルだけでなく、陛下のおことばやコロナ、国民感情を無視しても今秋の結婚にこだわっておられるのは、皇族ならではの理由が……。
「昨年11月に“結婚は生きていくために必要な選択”といったお気持ちを発表され、今年4月には小室さんが金銭トラブルに関する文書を公表。おふたりは、互いに30歳となる10月に結婚することを逆算していると思えますが、それは眞子さまが主導しておられるのだと思います。
 つまり、眞子さまは“窮屈な皇室から早く出たい”とお考えなのでしょう。外出する際は必ずSPが帯同。海外に行くにも宮内庁を通じて外務省に申請し、訪問国に連絡して調整してもらうなど、旅行も簡単にできません。常にマスコミから注目される日々から解放され、自由な生活を送りたいとお考えになるのは当然です」(皇嗣職関係者)
 '18年2月に婚約が延期されてからも「眞子さまの結婚のご意思は非常に固い」ということは一貫していた。ご両親としても、その思いを尊重せざるをえなくなったのかもしれない。
昨年9月、紀子さまはお誕生日に公表された文書で《長女の気持ちをできる限り尊重したい》と綴られた
「昨年9月、紀子さまはお誕生日に公表された文書で《長女の気持ちをできる限り尊重したい》と綴られ、その2か月後に行われた殿下のお誕生日会見では“結婚することを認める”と述べられました。
今秋結婚は既定路線
 小室さんの渡米で、眞子さまのお気持ちが冷めるのをご夫妻は期待したようですが、その思いは変わらず、破談の方向に進むことはなかった。
『納采の儀』などの儀式はおそらく、ご夫妻を含めた関係者たちで日程やコロナ禍での実施方法を調整されている様子。祝福を受けるとは思えませんが、儀式を行わずに結婚したという、皇族ならではの“汚点”を残したくはないでしょうから」(同・前)
'90年1月に紀子さまが行われた『納采の儀』。眞子さまも今秋行われる?
 どうやら今回の小室さんに関する報道は、今秋結婚へのプロセスでしかないようだ。
「パラリンピックが終了する時期に結婚関連の話が一気に動くかと。だからこそ、事前に小室さんの“将来設計”を明かしたのでしょう。儀式はいくつかありますが、ひとつひとつの間をあける必要はなく、1か月以内でも行えます。
 儀式を行う場合、秋篠宮さまから“なぜ行うに至ったのか”といった主旨のお気持ちが発表される可能性があるのでは。その時期には儀式を行うため、小室さんもいったんは帰国し、国民を振り回し続けたけじめとして、会見を行うこともありえます。
 コロナ次第で日程は流動的になるでしょうが、ただひとつ確かなことは、おふたりの今秋結婚は現状、やはり既定路線だということです」(前出・宮内庁関係者)
 いまだ祝福できない多くの国民の思いを裏切り、おふたりは強引に悲願を達成されるのだろうか─。


コロナワクチンの事実上の“強制”は必然か

2021-08-16 10:00:00 | 日記

下記の記事は日経ビジネスオンラインからの借用(コピー)です


国内では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けのワクチンについて、打つことを強制してはいけないと言われている。だが、事実上の“強制”が今後生まれるかもしれない。
 実際、米国ではワクチン拒否者が解雇される事態となっている。CNNの報道によれば、Houston Methodist Hospitalの153人もの従業員が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチンを打たなかったという理由で自主退職を強いられたか、もしくは解雇されている。
 例えば、当院をかかりつけ医にしている大学生A君からの相談を紹介しよう。
 喘息とアトピー性皮膚炎を中心に、中学生の頃から当院をかかりつけにしている大学3回生のA君。学校でワクチンが打てるようになると聞いたが、幼少時に複数の薬剤で薬疹が生じたこともありできれば打ちたくない。20歳代前半なら感染してもほとんどが軽症で済む感染症に対して、登場して間もない、しかも既に20歳代が4人も死んでいるワクチンを打つのには抵抗があるという。学校に相談すると「ワクチンは義務ではなく必ずしも打つ必要はない」と言われたが、「ワクチンを打たなければ就職に不利になる」という噂がまことしやかに流れている……。
 現在、似たような相談が当院の20歳代の患者から相次いでいる。中高年に比べて若者の間でSARS-CoV-2のvaccine hesitancyはそれなりのムーブメントになっているようだ。その理由として、A君を含む当院の患者がよく言うセリフが「感染して死ぬよりもワクチンで死ぬ確率の方が高いことに納得できない」というものだ。
 数字だけ見ると、6月末までにワクチン接種後数日以内に死亡した20歳代は4人、感染して死亡した20歳代が8人で、母数の取り方や解釈の仕方によっては、ワクチンで死亡する確率の方が高いように考えるのだろう。
 他方、当院の若い患者の一部には「一刻も早くワクチンをうちたい」と訴える者もいる。中には「日本ではまだまだ順番が回ってこないから海外で打とうと思う」という者もいて興味深い。現在、米国とUAEでは、国籍に関係なく会場に行けば誰でも無料でワクチンを受けられるらしい。なぜ彼(女)らが早い接種にこだわるのかといえば、留学やワーキングホリデーに有利だと言われているからだ。その真偽は別にして、日本人を受け入れる国からすればワクチンは済ませておいてほしいというのが本音だろう。我々日本人も「海外のオリンピック関係者は来日前にワクチンを打って来てほしい」と願っているのではないか。
自主的にワクチン接種を望む人を増やすにはどうすれば?
 「ワクチン接種を強制することについてどう思いますか?」と医療者に問えば、ほとんどが「許されることではない」と答えるだろう。特に、病院長・理事長、行政に携わる医療者、公衆衛生学者、感染症専門医らがメディアに取材されたとしたらそのように答えるのではないか。
 だが実際はどうだろう。例えば、ワクチンは受けないという看護師が仮に転職活動を開始し、あなたが院長を務める病院/診療所に履歴書を持ってやってきたとしたらどうだろう。
 次に患者の視点から考えてみよう。ワクチン未接種の看護師の勤務するX病院は「ワクチン忌避の医療者が働いている」という噂が絶えない。その一方で、X病院の近くにあるY病院では、入口に「当院の従業員は全員コロナワクチンを済ませています」と掲示されているとすれば、どのようなことが起こるだろうか。
 話を再び当院の患者A君に戻そう。A君が仮に海外事業に興味があって商社を目指しているとしよう。A君が懸念しているようにワクチンを打たないと決めたことで就職に不利になることはないだろうか。
 もっとも、ワクチンを打っていなければ仕事ができないという“ルール”は今に始まったことではない。例えば、医学生や看護学生にとってB型肝炎や麻疹のワクチンは事実上の「強制ワクチン」といえるだろうし、教職者や教育実習生は麻疹、風疹のワクチンが義務になっていることも多い。ガーナやカメルーンなどアフリカのいくつかの国では黄熱ワクチンを接種しなければ入国が認められない。
 ワクチンを強制せず、自主的にワクチン接種を望む人を増やすためには、まず、SARS-CoV-2のワクチンの安全性をきちんと示すべきだろう。今後、100万人当たりの死亡率は麻疹やインフルエンザと変わりありません、ということが実証できれば反ワクチンの流れは縮小していくのではないだろうか。
 もう一つ、社会にとってどうしても必要なのは「特効薬」だ。日本を含む幾つかの国や地域ではインフルエンザワクチンに反対する意見が根強いが、インフルエンザワクチンを接種しなくてもそれほど厳しい非難を浴びることはない。その理由の一つは抗インフルエンザ薬があるからではないだろうか。要するに、インフルエンザはCOVID-19に比べると治癒しやすく、たいした感染症ではなくなっているわけで、その大きな理由は特効薬があるからだ。
 SARS-CoV-2ワクチンの安全性が確立し特効薬が登場するまでは、ワクチン未接種者への行動制限を求める声はなくならないだろう。海外渡航のみならず、今後は国内旅行、レストランや劇場、コンサート会場などでもワクチンパスポートのような話が出てくるのではないか。就職に向けてのワクチン接種の是非はこれから深刻な社会問題となるだろう。
 その差別に立ち向かうために我々医療者は何をすべきなのか。名案は思い浮かばないが、「外部への問題提起の前にまずは身内から」というのが僕の基本的な考えだ。だから、まずはvaccine hesitancyの医療者の気持ちを理解することから始めようと考えている。
谷口 恭(たにぐち やすし)氏
太融寺町谷口医院
1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。