下記の記事は東洋経済オンラインから借用(コピー)です
コロナ禍で人と出会う機会も減り、婚活もままならない中、ネットでの出会いを求める人を狙った詐欺が多数報告されています。そのうちの1つが「国際ロマンス詐欺」です。国際ロマンス詐欺とは、「ネット上での出会いを通じて知り合った海外の相手に恋愛感情を抱かせて、金をだましとる手口」です。
もしかすると「外国人の軍人になりすまして『安全な日本に暮らしたいので日本に荷物を送った。その代金を立て替えてほしい』と、お金を取る手口でしょ。わかっているからだまされない」と、思う人もいるかもしれません。しかし、手口を知っていたはずの人たちも、次々に詐欺の毒牙にかかっています。
というのも、もはやなりすます職業は、軍人だけでなく、医師、エンジニア、投資家など多岐にわたっています。また、これまではアメリカ人、オーストラリア人などの白人を名乗る人物による犯行が目立っていましたが、最近は韓国人、台湾人などのアジア人を名乗る事例も報告されています。
ある日、インスタに届いたメッセージ
「彼を信じたい気持ちから、あれよあれよという間に、2週間で約470万円を送金してしまいました。本当にバカでした」
うっすらと涙をにじませながら語るのは、一般企業に勤める40代女性です。英語が堪能で話す口調もしっかりしているこの女性が、なぜだまされてしまったのでしょうか。そこには巧妙な詐欺の罠があったからです。
きっかけは9月中旬にインスタグラムに届いた、1つ年上のデンマーク人の男からの「ハロー」というメッセージでした。今回はSNSからのアプローチですが、国際ロマンス詐欺はマッチングアプリ、出会い系サイトなど、人と出会えるあらゆる場で発生する可能性があります。
女性も「ハロー」と応じると「LINEで連絡を取り合いませんか?」と言われて、やりとりが始まりました。
男は土木技師をしており、2年半前に妻と離婚。現在は娘と2人で暮らしている、と自身について説明しました。最初は「今、何してる?」「今日は仕事?」という、たわいもないメッセージを送ってきましたが、ある時、夢を語り始めます。「国家資格を受けて、それに合格すれば、小さい頃からの夢だった自分の会社を持てるんだ」。女性はそれに「合格できるといいね」と返事をします。
その1週間後、国家試験に合格して公共事業の契約も取りつけたと、男から喜びあふれる言葉が届きました。「自分は世界のどこでも働けるので、会社を作り日本に家を買って、君や娘と一緒に暮らしたい。まずは公共事業を成功させるよ」。
女性もうれしい気持ちから「あなたの夢をサポートしたい」と返事をします。これが“罠”であるとは気づかずに。心を許しつつある女性に対し、男は情熱的な言葉を重ねてきます。
* 「ほかの人には与えていない愛をあなただけに与えます」
* 「私たちの愛が永遠に続きますように」
* 「僕のことをダーリンと呼んでください」
男から寄せられる「愛の言葉」の罠
さらに男は「付き合ってもらえませんか? 結婚して生涯一緒にいましょう!」と、将来を意識した話を持ち出します。その言葉に女性は「すごくうれしい」と応じました。
女性は、結婚を前提に長い間付き合っていた男性から一方的に別れを告げられて、ショックを受けた直後にこの男と出会いました。前の交際相手はドライな人で愛情表現が苦手だったのに対して、この男は次々と愛の言葉を投げかけてきたといいます。
「愛情表現豊かなメッセージが、私の空いていた心のポケットにすっと入りこみ、心引かれたのだと思います」(被害女性)
「素敵なレストランに行って、あなたの美しい唇にキスしたい。あなたはとてもセクシーなので抱きしめたい。もっとおしゃべりができたらいいのに」と、キスマークの絵文字がたくさんついたメッセージを男は送ってきます。
女性が私も同じ気持ちと返すと、男は突然「自分はベッドで準備ができている」と言って、露骨な表現でオンライン上での性的なコミュニケーションを求めてきました。
本気とも冗談ともつかないような内容で、女性は最初は戸惑いながらも、外国では当たり前の愛情表現なのかもしれないと思い、半笑いのスタンプを返します。
と、いきなり男の局部の写真が送られてきました。「君の恥ずかしい写真も送ってね」。女性も冗談半分のノリで上半身裸の写真を送ると、男は「お互いに、ほかの誰にも見せないようにしないとね。ハハハ」と笑います。
このやりとりには、人間心理を巧妙に利用した罠が潜んでいます。それは2人だけの秘密の共有をすることで、より心の距離が近づいてしまうという効果です。同様の写真を送りつける手口は、別の被害女性からも聞いていますので、ロマンス詐欺では定番になっているのかもしれません。
山を越えたら、後戻りできなくなる――。詐欺では「山」を越えさせ後戻りできなくさせてから、本題の詐欺を行います。
翌日に男は、ドバイに行って工事するのにあたり、1万ユーロの税金を払う必要があると、女性に送金を要求。女性は不審に思って断りましたが、「君はサポートしてくれると約束してくれたじゃないか。あれはうそなのか!」と男は迫ります。
90万円を送金させた手口
ここで「あなたの夢を私がサポートします」という女性の過去の言葉を持ち出してきました。これは言質を取って相手を追い込む手法で、自分の発言に責任を持つ真面目な人ほど、断りづらくなります。ましてや、結婚まで約束させているのですから。女性は男の要求に応じて、90万円を日本の銀行に振り込んでしまいます。
次の日も、ガソリン代が必要と送金を求める連絡が届きましたが、女性は昨日支払った金額以上はないと返信します。すると男は、「自分の銀行口座にはお金があり、借りたお金も返したいので、送金を手伝ってほしい」と言うのです。
なぜ、自分で振り込みをしないのか。理由をたずねると「ここはネットワーク環境が非常に悪いため、銀行のサイトが開けない」とのこと。女性は貸したお金が戻ってくると信じて、同意します。
まもなくして、海外の銀行サイトだというURLとIDとパスワードを受信。アクセスするとその口座には、67万ユーロ(約8000万円)以上の金額が表示されていました。
男はまず、ある口座に1万5000ユーロを送金するように要求。その後に、貸した金額分を女性の口座に送金するようにいいます。女性は伝えられた口座情報を入力して手続きをしましたが、送金するには2段階認証のコード番号が必要でした。
しかし、男のもとに届いているはずの2段階認証のメールについて「ネットワーク環境が悪くてアクセスできない」「それで昨日もあなたにお金を借りた」と言われ、結局送金することができませんでした。
これは、偽の銀行サイトで「見せ金」を表示して、信じさせるという手立てです。送金に失敗したと思わせることで、後にお金を立て替えてもらう口実にもなります。女性はこの手に引っかかってしまい、その後も4回にわたり多額のお金を振り込みます。結局、男とは実際に一度も会うことなく、470万円という大金をだましとられたのです。
国際ロマンス詐欺では、①言質を取り、②結婚を意識させ、③性的な会話でとどめを刺し、ネット上のやりとりだけで巧妙な詐欺を行うのです。
抑えていた疑問が噴出
女性は詐欺被害にあったと、どのように気づくことができたのでしょうか。それは、ある日本の銀行口座に120万円を振り込んだ翌日、銀行から「この口座は、犯罪に使われている動きをしている」と連絡があったからです。この時、女性は「やっぱり詐欺だった!」と我に返りました。
これまでの経緯が頭の中を一気に駆け巡り、抑えていた疑問が噴き出したといいます。送金時にネットワークがダウンしていると言われた時も、LINEができるならメールを開けるはずではないかと聞いても「できない」の一点張り。おかしいとは思いながらも、相手との結婚を意識していたため、それ以上は深く追及できなかったようです。
「だまされた!」と思うと、急に体に震えがきてパニック状態に。それでも、気を取り直して警察に相談しましたが、「相手が外国人で日本にいなければ、捜査はできません。相手が日本にいるかどうか、あなた自身が確認してください」と、被害届は受理されなかったといいます。
また、だまされて振り込んだ別の銀行のサポートセンターに電話相談しても「専門の部署から連絡する」と言われたきり、女性のもとにいまだ連絡はありません。
国際ロマンス詐欺では「だまされる人にも問題がある」という風潮もありますが、私はそうは思いません。だます側が悪いのです。
振り込め詐欺の被害が話題になった当初も、被害者に対して同じような風潮がありました。それゆえに積極的に対策がされなかったため被害は一気に広がりました。しかも、警察は被害届を受理したがらず、銀行の対応もバラバラな様相も、その時の状況によく似ているのです。
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秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐる問題をきっかけに、女性皇族が皇室を離れる時に支払われる金額が話題になっている。どのような理由で、いくら支払われるのだろうか。
* 「秘蔵っ子」眞子さまの結婚 父が苦渋の選択に至るまで
Q 秋篠宮さまが会見で、長女眞子さまと小室圭さんの結婚を「認める」と発言した。結婚すれば、国から眞子さまにお金が支払われるんだって?
A 「一時金」のことだ。女性皇族は天皇や皇族以外と結婚すれば、皇族の身分を離れると皇室典範に定められている。その際、皇室経済法によって「一時金」が支出されるんだ。
Q 皇室経済法って?
A 皇室の財務や財政のことを定める法律だ。ここで一時金支給の理由を「皇族であった者としての品位保持の資に充てるため」としている。いわゆる「持参金」だね。金額については、皇室経済法や、同法施行法で上限額の算出方法が決まっている。宮家創設などにより、独立して生計を営む場合に国から年間に受け取ることになる皇族費(支出基準額)をもとに、その10倍以内が非課税で支払われる。
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2017年、婚約が内定し、記者会見する眞子さまと小室圭さん
* 【写真まとめ】眞子さま、これまでの日々を振り返る
Q 眞子さまが結婚したら、いくら支給されるの?
A 眞子さまの支出基準額は1525万円だから「1億5250万円以内」となる計算だ。ただ正式な金額は、内閣総理大臣らによって構成される「皇室経済会議」で結婚前に決め、その後、閣議決定される。 上皇ご夫妻の長女・黒田清子さんの結婚時に1億5250万円が支給されたのをはじめ、これまでの女性皇族方には上限額が支払われてきたから、今回も前例通り満額(1億5250万円)が支給される可能性は高い。
ここから続き
Q 金額については、どんな意見があるのかな。
A 一時金が税金から出ることもあり、金額については政府や宮内庁にも前々から批判の声が寄せられてきた。これに対し、宮内庁関係者は「皇室の方々は公的な活動に専念する立場で、民間で働くための職業的技能を磨くことも難しい。不動産などの財産も持ち合わせず、社会に出て行く身として、決して高い額とは言えない」と説明している。
安全面も課題だ。民間人と結婚した昭和天皇の五女・島津貴子さんは誘拐未遂騒ぎに巻き込まれた。セキュリティーの優れた住居確保などにも費用が必要で、ある元皇族は「一時金はマンション購入などにあてればほとんど残らない」と明かしていた。(長谷文)
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外科主治医による病理検査の結果説明を受けた。私の胃悪性腫瘍は10万人に1人の希少がん、ジストだった。追い打ちをかけたのが、極めて高い腫瘍の悪性度を示す、とてつもない数値だった。
生きる時間に限りがあるという現実を突き付けられた
目を疑った。
通常、がんなどでは、その程度をステージで分類する。ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳという具合に。
一方、ジストではそうではなく、超低リスク群、低リスク群、中リスク群、高リスク群と分類される。リスク高低の分かれ目の拠り所となるものの1つが、顕微鏡で調べた際の腫瘍細胞分裂像数だ。
腫瘍細胞分裂像数とは、腫瘍細胞が分裂する数、すなわち腫瘍ジストの勢いを示すものである。高いか否か、ボーダーラインとなる数は「5」。私のジストは、その腫瘍細胞分裂像数が、なんと「181個」だった。
生きられる時間に限りがあるという現実を突き付けられて、足元から崩れる思いだったが、何とか気を取り直して、腫瘍内科を受診した。これからは腫瘍内科医も主治医に加わってくれる。
今後の治療として、抗がん剤グリベックの治療を開始するという。
3年間、毎日飲み続ける治療である。治療は生易しいものではなく、決して楽でもない。不安は多々あれど、とりあえず今後の治療が定まった。
そして、抗がん剤開始前にCT検査を受けることとなった。
CT検査の結果では、幸いにも転移や再発は見られなかった。
予定どおり抗がん剤グリベックが処方された。ほかの抗がん剤と比べて副作用は比較的少ない。とは言え、やはりゼロではなく、吐き気・嘔吐(おうと)・下痢・食欲不振など多岐にわたる。白血球も減少する。
抗がん剤治療では、いちばん効き目があると考えられるものから試すのが鉄則である。中でも効果が期待でき、しかも副作用が少ないとされるグリベックだったが、もともと下痢気味だった私にとって、1日1回4錠はやはり厳しかった。状態は目に見えて悪化した。
「食べること」が拷問のようだった
期待のグリベックは、わずか20日後に、1日1回3錠、昼食後に変更を余儀なくされた。夕食後に飲むと、副作用による消化液の逆流で眠れなくなる。少し何かを飲み込んだだけで、すぐにおなかが張る。下痢も発生する。体重も、もっと減ってきた。
さらに、しゃっくりが頻繁に起きるようになっていた。しゃっくりにつられるように、消化液の逆流も悪化の一途をたどった。
胸やけにとどまらず、喉やけを引き起こすのも変わらない。定期薬や頓服(とんぷく)を飲んでも和らがない。苦しい。
消化液逆流による苦しみは相変わらず一晩中続いていたが、それよりもきつい拷問は、「食べること」だった。
朝食、昼食、夕食の3食。そしてそれぞれの2時間ほど後に間食が計3回。胃をほとんど切除しているので、少しずつ、小まめに食べないといけない。さらに昼食後に飲むグリベック。1日に合計7回、何かしら私は口に入れていた。食事や間食と言っても、それぞれひとかじりが限界だった。それでもこの7回が、まさに拷問だった。毎日7回の拷問にかけられていた。思わず、食事を運んでくる妻を怒鳴ってしまっていた。
でも、食べなければ体重は減り、体力も弱ってしまう。一方、食べれば消化液逆流が到来して、やはり弱ってしまう。胃を手術しているから仕方のないこととは言え、これもやっぱり苦しい。
私は、焦っていた。
これまでホスピス緩和ケア医として多くの終末期がん患者に関わり、最期にも立ち会ってきた。その数は2000人以上に及ぶと記憶する。
その中で、経験的に感じていたことがある。
それは、
「食べられなくなってくると、余命は1カ月ほど」
ということだ。
このことを示すデータが、ないわけではない。
「食べなきゃダメだ。命がなくなってしまう。いや、たとえそこまでならなくても、食べなきゃ体力もなくなり、抗がん剤も効かない。そして、何よりも体力がなくなれば、あの強い抗がん剤に耐えられない」
そう考えれば考えるほど、食べられなかった。
手術から3カ月、優に100キロを超えていた体重は、気づけば30キロも落ちていた。
手術から4カ月経つと、ようやくしゃっくりも治まり始め、つらいながらも、少しずつ「日常」を取り戻しつつあった。
非常勤の仕事も、少しずつ再開し始めていた。緩和ケア病棟への入院を考える患者さんやご家族の思いを聴き、病棟での生活を具体的に示す面談外来を午前中のみ、週2回ほど。お会いするのは私と同じくがん患者で、治療がもう困難となった人たちが主体だ。
この状態で緩和ケア医としての勤務を再開したことに、驚く人も多いと思う。だが、妻も子どももいる身だ。がん保険に入っていて助かっているとは言え、抗がん剤には費用がかかる。少しでも動けるのならば、家でじっとしているよりも働いているほうがいい。
何より、患者さんに向き合うことで、意識がわがジストに向かないばかりでなく、食事が摂れず体重と体力が奪われていく自分でも、まだ誰かの役に立てるというやりがい──ひいては私の生きがい、すなわち生きる意味を感じることができた。
突然やってきた心境の変化
ただし悲しいかな、面談を受けるほとんどの患者が、私よりも元気だった。元気に見えた。
そしてあるとき、ふと思った。
「10万人に1人のジストになったんだ。これからは、人のやらないことを1つでもやって生きていこう」
心境の変化は突然やってきた。
オレは今、生きている。食べられなくても半年生きてきた。もちろん他のがん患者さんと比べることはできないし、意味のないことだ。それぞれの病状も、置かれた環境も違う。
でも今、オレは確かに生きている──ただシンプルにこう感じることができたのだ。
「食べられなくても、生きられる」
こう考えられるようになって、ふぅっと全身の力が抜けたような気がした。
すると意識を変えたためか、少し気分が楽になり、少し体調も楽になった。さらになんと、食べられるようになってきた。まあ、食べられるようになったとは言っても、1人分は決して望めない。半分はおろか、4分の1人前ぐらいだ。でも、嬉しかった。
そして、退院して間もない頃、妻が消化液逆流に苦しむ私に、しきりに言っていたことを思い出した。
「下から喉に消化液が上がってくるんやったら、口から何か飲んで、上から下へ流し込んだったらええやん」
当時の私は、「そんなことできるわけないやろっ。できるんやったら、もうとっくにやっとるわっ」と、けんか腰で言い返したものだった。
食べられなくても、人は、生きられる時は生きられる
だが、食べられるようになってから、なぜかちょっと興味が湧いてきた。
いろいろな飲み物でトライしてみたが、最適だったのは意外なドリンク、スポーツ飲料・アクエリアス。こみ上げてきた消化液を、口に含んだアクエリアスで押し流してみると、なくなったわけではないが、喉やけ、胸やけが和らいだ。それから消化液の逆流が起きたときには、1度でダメなら、可能な範囲で2度、3度と繰り返し、この飲み込み流しを実行した。
当然だが、この「飲み込み流し」作戦は、どんな医学書にも書いていない。そもそも、「食べられなくても、生きられる」事実を書いてくれている医学の教科書など、この世にはない。
でも実際、身をもって私は経験した。半年間、ろくろく食べられなくても、人は、生きられる時は生きられるのである。
医学書に載っていることがすべてではない。
ジストを患った医者として、今、まさに断言することができる。
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日本人がやりがちな「寿命を削る」2つの悪習慣とは? パーソナルトレーナーの鈴木孝佳氏による『疲れない体を脳からつくる ボディハック』より一部抜粋・再構成してお届けする。
コロナ禍を受けて、リモートワークが推進されている現在。普通に通勤していた頃よりも心身の疲労を感じる人が増えています。その原因は脳と体の「刺激の偏り」にあるかもしれません。
ヒトは本来、自然の中で暮らす生き物で、日中は動いて夜は休むという生活を送ってきました。夜の間はしっかりと脳と体を休めることで、疲れやゴミを取り除いてリセットする。朝日がのぼり、あたりが明るくなるのと同時に起きて元気に活動する。刻々と変化する自然の中で生き抜くために、ヒトは脳と体のあらゆる機能を最大限に働かせていたのです。
ずっと体を動かさないとどんな悪影響が出るのか
さて、最近の自分の生活を振り返ってみたとき、この「ヒトらしい生活」を送れていると言えるでしょうか? 体を動かさず単調な生活を繰り返していると、実は脳は使わない機能を捨ててしまいます。
体を動かす脳がサビつけば、体もサビつきます。「脳への刺激があるかないか」というインプットの違いは、体のアウトプットにもすぐさま変化をもたらすのです。
例として、目を通じて脳に刺激(インプット)を送り、体を柔らかくする体験テストをしてみましょう。
①直立姿勢から足を閉じて前屈し、地面にどこまで指が近づくか確認する
②元の姿勢に戻り、20秒間“寄り目”で鼻先を見つめる
③再度、前屈をして確認する
寄り目だけで体が柔らかくなるテスト、いかがでしたか? 変わらなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、これを試していただいた方には、テスト前は半信半疑でも、深く前屈できるようになり、「魔法!?」とよく驚かれます。
前屈が苦手な方の多くは「体がかたいから」「筋肉が短いから」と考えています。しかし、このテストでわかるように、問題は筋肉の状態ではなく、目の使い方。スマホなどで偏った目の使い方をしていると、視覚情報とつながっている脳の機能も狭まってしまうのです。
そのため、目の運動を行い、脳への刺激(インプット)を増やすと、体のアウトプットである姿勢や柔軟性、筋力は簡単に変わります。テストで前屈がしやすくなった方は「体の動きやすさは筋肉の問題ではなく、脳への刺激の問題」だと体感できたのではないでしょうか?
脳への刺激が不足すると体はどんどん機能を失い、不調をきたすようになります。運動不足は世界的にも問題視されています。WHO(世界保健機関)は、2018年に世界中の14億人以上の成人(18歳以上)が運動不足で、2型糖尿病や心血管疾患、がん、認知症などにかかるリスクが高いことを発表しました。
これらが“生活習慣病”と呼ばれるように、無意識に過ごしている日々の習慣はダイレクトに健康へ影響しています。暴飲暴食や喫煙などの生活習慣が病気の原因になるのは、誰もが知っていることです。
実際に毎年の健康診断の結果を見て、お酒を控えて塩分を気にする方も多いはずです。しかし、すこし古いデータですが、日本における2007年の生活習慣病での死亡者数(図)を見てみると、過度な塩分やアルコールの摂取、糖尿病を引き起こす高血糖よりも「運動不足」のほうが死者数が多く、おおよそ5万人もの方が亡くなっています。
(出典:『疲れない体を脳からつくる ボディハック』より)
運動不足も、喫煙や飲酒と同じように健康を脅かす問題の1つなのです。
「座りすぎ」が日本人の生命を削る
また近年では、“座りすぎ”と死亡リスク増加との関連が研究されています。54カ国の死亡者数の3.8%にあたる43万人弱が、毎日、長時間座って過ごす生活習慣によって死亡しているという研究発表もあります。[※注2]
実は日本人は「世界一座っている」という調査結果もあるほど、1日の大半を座って過ごしている人が多い国です。
明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査によれば、1日9時間以上座っている成人は、7時間未満と比べて糖尿病になる可能性が2.5倍も高くなります。日本の糖尿病にかかる医療費は世界第5位ですが、もしかすると“座りすぎ”と関連しているのかもしれません。[※注4]
“運動不足”や“座りすぎ”といった身近で何気ない毎日の習慣が不調を招き、場合によっては命に関わるということがおわかりいただけたかと思います。自粛生活やリモートワーク中、家で座ってばかりの方は、ぜひちょっとした時間だけでも立ち上がるようにしましょう。
「短気は損気」は本当だった!怒る人が確実に損する3つのこと
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日本には古くから「短気は損気」という言葉がありますよね。これは「すぐに怒る人は結果的に自分が損をする」という意味を表しています。筆者は子どもの頃から怒りっぽく、よく祖母に「短気は損気だよ」といわれていたので、とても印象に残っている言葉でもあります。子どもの頃は「ふ〜ん、それで?」と流していましたが、今振り返って考えてみると、その言葉の重みに深く頷くばかり…。そこで今回は、感情的に怒ると確実に損する3つのことをご紹介します。
その1 「体調不良」
私たちの体にある自律神経は、「交感神経」「副交感神経」と呼ばれる2種類の神経に分けられます。この2つの神経がバランスよく働くことで、自然な眠りが誘発されたり体温調整ができたり、生命維持に欠かせない重要な働きをしています。
しかし、怒りすぎることで自律神経のバランスが乱れやすくなり、慢性化してしまうと体調不良をも引き起こしてしまう場合も。なぜ怒るだけで体調不良になってしまうのかというと、怒りの感情は交感神経を刺激し、活発にしてしまうからです。交感神経の出番が多くなればなるほど副交感神経が劣位の状態が続き、自律神経のバランスが崩れます。「自律神経失調症」にもつながりやすくなり、睡眠障害や各臓器の疾患などのリスクが高まる可能性もあるようです。
その2 「シワが増える」
感情的に怒りながら穏やかな表情をする人がいないように、怒っているときは眉間や額にシワがよっていることがほとんどではないでしょうか。たまに怒るのであれば問題ありませんが、1日に何回も怒っていると、その表情がクセになり、シワとなってやがて顔に定着してしまいます。シワが増えると怒っていないのに不機嫌そうに見られるだけではなく、実年齢よりも上に見られてしまいがちです。
特に、女性であればシワは大敵!老けて見えるのはもちろん、シワにファンデーションが溜まって化粧も崩れやすくなります。女性だけではなく、今は男性も美容に気を使う人が増えてきましたが、感情的になって怒ってばかりいると、気づかないうちにシワが増えてしまうかも…。
その3 「人間関係の悪化」
怒ってばかりいる人は、そうでない人に比べると人間関係で苦労しやすいでしょう。なぜなら、イライラして感情的になる人と親しくしたいと思う人は滅多にいないからです。例えば、まだまだ感情コントロールが苦手な子どもがイライラして怒ったとします。そのことによって周りが驚いてしまうこともありますが、大人は「まだ子どもだから仕方ない」という目線で見守ってくれますし、子ども同士では大人が思うよりも気にしていなかった、なんてことはよくあります。
しかし、いい歳をした大人が、まるで子どものように自分の感情を爆発させたらどうでしょうか。多くの人は「大人なのに自分の感情もコントロールできないのか」と、怒っている人に対してマイナスな印象を感じるのはいうまでもありません。こうした状況が続くと、「すぐ怒る人」「自分のことしか考えられない人」「近寄りたくない人」などと思われてしまい、人間関係を悪化させることにもなりかねません。
怒ってもいいことはない!セルフコントロール術を学ぼう
今回は、怒ることで確実に損することを3つご紹介しました。感情的に怒ることで体調が悪くなり、顔にシワが増えて老けて見られ、人間関係も悪化させてしまう傾向があります。「怒ることがよくないことなのは知っているが、どうしても感情的になってしまう…」という人もいるでしょう。
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新型コロナウイルスに加え、これからの季節は風邪やインフルエンザが本格的な流行期を迎える。通勤で人混みが避けられない人や、受験を控える家族がいる人は不安なシーズンかもしれない。身近な食品成分であるビタミンやミネラルの中には、不足すると感染リスクが高まる一方で、一定以上の量をとることで防御力を上げられる可能性を持つものがある。免疫に関する最新データをもとに、賢いビタミン・ミネラル摂取で流行期に備えよう。
ビタミンやミネラル含む食品、「免疫機能に寄与」と欧州で表示
2020年10月、米国のトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことは記憶に新しい。治療のために「抗体カクテル」と呼ばれる未承認薬を投与した医師団の報告には、こうした薬とともに食品成分である亜鉛とビタミンDも処方した、と記されていた。
ビタミンやミネラルは、全身の組織が機能し、新陳代謝するための調整役として働く。中でも亜鉛、ビタミンDは欧米では「免疫維持に役立つ成分」として広く知られる。こうした栄養素と免疫の関係について、世界中で研究が行われ、それをもとにした栄養指導や、消費者にわかりやすい表示が行われている。
感染から体守る粘膜免疫 高める食事、ここがポイント
ビタミンDで免疫維持 魚を食べて日光浴
例えばEU(欧州連合)域内では、EFSA(欧州食品安全機関)によって、6種類のビタミンと4種類のミネラルを適量含む食品で、「免疫システムの正常な機能に寄与する」というヘルスクレーム(健康強調表示)が認められている
一方、日本ではビタミンやミネラルは過剰摂取の懸念などの理由から、機能性表示食品の対象にもなっておらず、目下のところ何らかの免疫に関する表示も行われていない。このため、消費者自らの判断で、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が定める各栄養素の耐用上限量を超えない範囲で摂取する以外にない。
「私たちの体に備わる免疫には、体に侵入したウイルスや細菌を真っ先にやっつけようとする自然免疫と、万が一侵入したとしても排除に働く獲得免疫の2段階がある。自然免疫、獲得免疫、いずれの維持にも、ビタミンやミネラルは大きな役割を担う。中でも、特に免疫に欠かせないことを示唆するエビデンス(科学的証拠)が豊富なのが、トランプ大統領も処方されたビタミンDと亜鉛。当クリニックの患者で風邪を引きやすい人の血液検査をすると、ビタミンD、亜鉛ともに血中濃度が不足から欠乏域にあるケースが多い」と、微量栄養素を中心にその人に適した必要量を補充する治療を行う新宿溝口クリニックの溝口徹院長は話す。
日々の食事で十分な量を満遍なくとりたいところだが、実際は難しい。サプリメントなどの健康食品を利用し、ビタミン・ミネラルを補う方法を探る。
コロナ禍、栄養学者が摂取を薦めるビタミン・ミネラル
世界の栄養・免疫研究から見てみよう。イギリス、米国、ニュージーランド、オランダの栄養と免疫の研究者たちが、これまでに発表された研究をもとに議論し、「最適な免疫機能をサポートするために必要な栄養素と、その推奨摂取量」を掲載した論文を、『Nutrients』という栄養関連の国際的学術誌に発表した(2020年4月)[1]。
まず、免疫系の細胞や組織をサポートし、不足や欠乏が免疫機能に悪影響を及ぼして感染症に対する抵抗力を低下させる可能性がある微量栄養素として下記を挙げる。
ビタミンA、B 6、B 12、葉酸、C、D、E、ミネラルでは亜鉛、鉄、セレン、マグネシウム、銅。これらは、バランスのいい食事に加えて、多種類を含有するマルチビタミン・ミネラルサプリなどを用いて、不足しないように気を付けるべきだ、としたうえで、特に、下記(表)の成分に関しては、個別のサプリメントなどでしっかりとることを薦める。
さらに、新型コロナ感染後に起きることがある炎症の抑制に寄与することで、重症化リスクを下げる可能性があるω(オメガ)3脂肪酸のEPA、DHAの摂取も推奨に加えている点にも注目したい。どの成分の推奨量も、「日本の食事摂取基準2020年版」が定める耐用上限量内に収まっているので、試してみてもいいかもしれない。
このような推奨や提言は他にも多数発表されており、上記以外のビタミン・ミネラルを「しっかりとるべき成分」として挙げているものもある。「たとえば、ビタミンDとともに、ウイルスが侵入する粘膜を守るのに欠かせないビタミンAも重要なビタミンの一つ。炎症性の疾患を持つ人などには耐用上限量に近い量の摂取を薦めることもある」(溝口院長)。ちなみに日本人の食事摂取基準(2020年版)におけるビタミンAの耐用上限量は成人男女で2700マイクログラムRAE/日(約9000IU)となっている。
3大免疫サポート成分 ビタミンD、亜鉛とビタミンC
ビタミンやミネラルが新型コロナ対策に実際に役立つかを確認する試験も多数、進行中だ。世界で行われている臨床研究の登録ベータベース(ClinicalTrials.gov)でチェックすると、新型コロナとの関連で研究が進行中、あるいは計画されている微量栄養素には、ビタミンD、ビタミンC、亜鉛などがある。
しかし、現在のところ、感染リスクを下げたり、かかっても症状を軽くする可能性が実証されたりしたビタミンやミネラルはない。このため、すでに確認されている働きや、既存のデータから何をどうとるかを自分自身で考える必要がある。
溝口院長は「不足を防ぐべき2大成分は、ビタミンDと亜鉛。どちらも、ウイルスや細菌の侵入口となる(鼻、口を含む)上気道や腸管の守りを高める粘膜免疫の維持に欠かせない」と説明する。さらに、「ウイルスが粘膜を突破して体内に侵入したときに戦う免疫細胞の働きを高める栄養として、ビタミンCも薦めたい」(溝口院長)。
これら3つの栄養素について、感染症との関連を示した研究を順に紹介する。
1:ビタミンD
まず、感染防御力を高めるという点で世界でもっとも注目されているといっていいのがビタミンD。ビタミンDは全身にこれを受け止めて働く「受容体」という受け手が存在し、ホルモンのように働くことがわかってきた。「ビタミンDは粘膜面から分泌されるディフェンシン、カテリシジンといった抗菌たんぱくの発現などをコントロールしている」(溝口院長)。
肺の上皮細胞には多くのビタミンD受容体が存在し、肺炎やぜんそくなど肺のさまざまな炎症に関わるという報告[2]や、日本の学童に冬の期間4カ月のビタミンDを投与(1日あたり30ng=1200IU)したところ、インフルエンザ感染リスクが約40%減少した、という報告[3]もある。
月には、血液中のビタミンD値と新型コロナ感染リスクに関する研究が発表された(グラフ)。この研究で、新型コロナの陽性率が最も低かった「血中25(OH)D濃度55ng/mL以上」という人たちのビタミンD値の高さについて溝口院長はこう説明する。「日本人ではほとんど見かけないくらいの高レベル。ビタミンDを豊富に含むサケやしらすなどの魚を食べない、皮膚でDの生成を促す日光に当たらない、という人の血中ビタミンD濃度を当クリニックで調べると、欠乏ラインである20ng/mlに満たないどころか、1桁台の人もいる」(溝口院長)。ビタミンD濃度は通常、その指標となる25(OH)Dの濃度で測定する。
ビタミンDは「骨を強くするビタミン」という印象が強いが、免疫にも必須。「ビタミンD摂取を習慣づけると、風邪を引かなくなった、筋肉が落ちない、という声も多い」(溝口院長)。感染防御力や活力がある体を支える栄養素として覚えておきたい。
米国50州で2020年3月から6月中旬にかけて、19万1779人(年齢の中央値54歳)の血中ビタミンD濃度の指標となる血中25(OH)D濃度と新型コロナ感染陽性率の関連を調べた。陽性率は、血中ビタミンD欠乏群(血中25〔OH〕D濃度20ng/mL未満)で12.5%、適量群(血中25〔OH〕D濃度30~34ng/mL)で8.1%、多い群(血中25〔OH〕D濃度55ng/mL以上)で5.9%と、強く関連していた。ちなみにこれは、血中ビタミンD濃度と関連する居住地の緯度や人種の他、性別や年齢層の影響を除外して計算したもの。(データ:PLoS One. 2020 Sep 17;15(9):e0239252.)
2:亜鉛
2つ目が亜鉛。「細胞の代謝に重要な働きを果たし、皮膚や粘膜を良好な状態に保つために欠かせないミネラル」(溝口院長)という。
コロナウイルスをはじめとするRNAウイルスという種類のウイルスが体内で複製されるときに必要な酵素の働きを阻止する[4]、亜鉛を補うと、炎症を引き起こす物質の生成を抑えるといった報告がある[5]。グラフのように、血液中の亜鉛が不足していると、肺炎に罹りやすく、肺炎期間が長引き、抗生物質の投与も多くなるとする研究もある。
米国の33の介護施設の高齢者617人を対象に、血中亜鉛濃度と肺炎の発生率と期間、抗生物質の使用との関連を調べた。対象者全員に亜鉛7mgを含む必須ビタミンとミネラルを毎日、1年間摂取してもらった。血中亜鉛濃度が低い(70ng/dL未満)群、正常(70ng/dL以上)群に分けて分析した結果、亜鉛濃度正常群では、肺炎の発生率、期間、抗生物質の処方の数と使用日数が減少していた。(データ:Am J Clin Nutr. 2007 Oct;86(4):1167-73.)
3:ビタミンC
体内で生じる活性酸素を消去する抗酸化物質であるビタミンCは、「体内に入り込んだウイルスや細菌を攻撃する好中球、マクロファージといった免疫細胞を素早く集結させ、攻撃力を発揮するときに大量に必要」(溝口院長)。多くの感染症では、免疫細胞の活性化により活性酸素が多く放出されるため、ビタミンCの需要が高まるとされる[6]。
1万1306人を対象に、1日200mgかそれ以上のビタミンCサプリメントを毎日摂取した期間の風邪罹患(りかん)について分析した研究報告では、一般住民では罹患リスクが3%とわずかしか低下しなかったが、肉体的ストレスを短期間受けた598人(マラソンランナー、スキーヤー、兵士を含む)では、罹患リスクが52%低下していた[7]。肉体的負荷がかかると平常時より風邪を引きやすくなるが、ビタミンCの働きによって免疫機能が高まることが期待できる。
「風邪を引いたときには、さらにビタミンCの必要性が高まる。キウイやレモンといった食品類をとる程度では追いつかない。サプリメントでとるのがお薦め」(溝口院長)
ビタミンDは魚類に、亜鉛はカキや牛赤身肉などに豊富だが、毎日食べるのは難しい人も多いはずだ。ビタミンCも、高用量になると野菜や果物からとるのは難しい。免疫対策として毎日一定量をとり続ける場合はサプリメントからとるのが便利だといえる。
積極的な栄養介入による治療を研究する「日本オーソモレキュラー医学会」の理事も務める溝口院長は世界の臨床研究データを見つつ、サプリメントの処方量を考える。
「不定愁訴を抱えていたり、感染症にかかりやすい虚弱な人では、1日2g以上のビタミンC、成人の耐用上限量に近い30~40mgの亜鉛をとってもらうこともある。こうした処方をしばらく続けることで、疲れにくい体質になったり、睡眠の質がよくなったりすることも多い」という。ある程度の量をとって反応をみたいという人は、安全面も考え、一度専門医に相談してみるとよさそうだ。
ビタミンやミネラルが不足すると、発酵食品など他の食品成分の刺激を受けても、体内の複雑な免疫システムは効率的に働かない。この機会に、自らの食生活の偏りや不足している可能性がある栄養素をチェックし、流行期に向けて、体調を整えたい。