先代 ◆ SANPO な ブ・ロ・グ

村田 青朔 が 一所懸命 書き綴る
「踊り」 だとか 「アート」 だとか
その 周辺の事
「小説」も 載せたい

【アート】 段ボール 肉まん

2008-05-25 |  アートって、なにさ?
2007.
福住簾ゼミ
ハマート!2

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「本物」 の 力

「段ボール肉まん」も、そのヤラセ報道も、なぜ説得力を持っていたんだろう?

普通の段ボールをしっかりと味つけした、古典的な味わいの本格派。
時間をかけて発酵させた風味豊かな皮に包んで、あつあつに蒸しあげました。
・・・なんちゃって。

以下は、あくまで僕の場合です。
平常心を1とすると、ただ肉まんを食べたい気持ちは1.5。
美味しい肉まんを紹介する、グルメ番組を見たとする。
その肉まんを食べたいと思う感動は、2~3だ。

だが、あのヤラセ報道!
「段ボール肉まん」を食べたくない度は10だった。
食べたいと思う気持ちさえ、4ぐらいあった。

この場合、感動の向き(+・―)は問題にしていません。
感動の絶対値、の話です。

肉まんと無関係に、段ボールなんか食べたくないという感覚は3ぐらいかな?
これは通常の場合の感覚値。強制されたら、拒否感は6だろう。

あの報道は、食べることを強制していない。
なのに、「食べたくない感」が増幅されている。
「食べたい感」まで加わっている。
どんな力が働いているんだろう・・・?

「段ボール肉まん」自体が持っている力。
しっとりと醤油で煮込んだ、ジュワッっとした質感。
ふっくらと蒸された、ほかほか感! 本物でないのに、美味しそう!
ウソを本物らしさに包み込む、その堂々力。
それ自体は本物を主張していないにもかかわらず、だ。
煮込んで、刻んで、蒸すあたりが、たまらない。

だから食べたくなっちゃうのだ。
食べたくなっちゃうから、食べたくないのだ。
感動が膨らんじゃうのだ。

「あるかもしれない感」を的確に掴み取った、映像の力も大きい。
本物! と思わせるテクニック。ディテールの描写。
不衛生さのリアリズム。生活感・手作り感の醸し出す、それらしさ。

いかにも怪しい、見世物を覗き込むような雰囲気も一役買っている。
人は皆、騙されたい願望を持っているようだ。
毒と知りつつ手を出したくなる、誘惑。

これぞ虚実皮膜の反転力。・・・表現の世界は、深い!?

で、結論。 「本物」って、そんなもんだと思う。


2007.09.



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詳細不明 たぶん 2008-05-23頃 up

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