史書から読み解く日本史

歴史に謎なんてない。全て史書に書いてある。

東征

2020-04-18 | 古代日本史
東征の真実とは高千穂に天降ったニニギの勢力は、(系図上)その曾孫のイワレヒコの代に到って、いよいよ東征の軍を興すことになります。このイワレヒコが初代天皇とされる神武帝であり、記紀共に天孫降臨以前を神代、ニニギからウガヤフキアエズまでの三代を神代から人代への移行期とし、神武帝をもって人代の始まりとします。東征起点の高千穂は日本列島でも西方の九州であり、目指す終点の地は畿内ですから、実質的な西日本制圧 . . . 本文を読む

記紀神話:高千穂

2020-03-20 | 記紀神話
高千穂峡(高千穂町HPより)木花咲耶姫と三子高千穂に到ったニニギは、現地の山祇の娘の木花咲耶姫を見初めて、彼女を妻に迎えます。舅に当たるヤマツミは、海の神ワタツミと並んで本来は単に山の神という意味であり、神を人に直してこれを山の首長と解すれば、新たな土地へ入植した農耕民が、在地の先住民と姻戚関係を結ぶことで、開発を平和裏に進めようとしたものと思われます。平安時代以降の武士の社会でも、都から天下って . . . 本文を読む

記紀神話:神々の系譜

2020-02-24 | 記紀神話
神々の再構築そこで試みにニニギがスサノオの孫であり、オオクニヌシがスサノオの娘婿または子孫であるという設定を外してみると、次のような系譜が残ることになります。それは即ち、出雲大社の御客座五神は別天つ神の五柱であること、オオクニヌシはとある神の六世の孫であること、オオクニヌシは戦争を避けるために無血で自国を高天原に明け渡したこと、その見返りにオオクニヌシは神として祀られたこと、戦場とならなかった出雲 . . . 本文を読む

記紀神話:天孫降臨

2020-02-16 | 記紀神話
天孫降臨の地葦原中国を平らげ終えたことで、天神は邇邇芸命(書紀では瓊瓊杵尊)を天降らせることにしました。ニニギの父はスサノオの子のオシホミミであり、母はタカミムスビの娘の万幡姫なので、アマテラスにとってニニギは甥の子に当たり、タカミムスビにとっては外孫になります。言わば次代のオシホミミを飛ばして次々代のニニギが天降ったために天子ではなく天孫降臨と呼ばれる訳です。そのニニギが天降った地は、九州の日向 . . . 本文を読む

記紀神話:国譲り

2020-02-05 | 記紀神話
『古事記』に見る国譲り出雲の物語を経て記紀神話は、大国主命から高天原への国譲りと、邇邇芸命(瓊瓊杵尊)による天孫降臨の話が続きます。そこでまずは『古事記』に沿って国譲りを見てみますが、例によって同書は個々の叙説を事細かに読んで行くとキリがないので、ここでは基本的に話の本筋だけを追うことにします。その『古事記』の国譲り神話は、天照大御神が「豊葦原の千秋長五百秋の水穂国は、我が御子の正勝吾勝勝速日天忍 . . . 本文を読む