さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

「国宝」上下巻 読了

2022-10-05 22:50:53 | さるみみ文庫2022

吉田修一の歌舞伎を題材とした作品。

ハードカバーが出版されたときにサボさんと「買うか否か」を

書店でかなり悩んだ末に「文庫が出るまで待とう」と結論して、

あれから一体何年経過したのだろう。ようやく買って先にサボさんが読了し

「これ読んだら絶対に歌舞伎が見たくなる!」と大絶賛して数か月後。

本当は別の本を読むつもりだったのに「イヤこっちだ」と推しがすごくて

読んでみたらあっという間だったこの2冊。おそらく1週間程度で2冊とも読んだかも。

波乱万丈な女形の人生に圧倒される作品だったのは間違いないが、

個人的には盤上の向日葵の方が好きだったかな~。

でも、読んだら歌舞伎を知りたくなるというのは間違いない。

歌舞伎を見に行ったこともないし、役者とか○○屋とかの屋号も詳しくないけど

こういう日本の文化を知りたいと思うのは年をとったからなのかなあ?

文章の語り口調もよかったけど、登場人物のキャラの立ち具合もよかったし

「悪人」とか「怒り」とか私はあまり好きではなかったけど「路」とか

結構前だけど「パレード」なんかもよく、全体的に作品にムラがないと思う。

薬丸岳も真保裕一もいいときはよかったけど、途中から面白さが薄くなったな、

と思っていたので、どんな作家も書き続けていると注目されて数作はいいものが多いけど

旬を過ぎるとなんかイマイチになって離れちゃうんだよね、ということが多い。

そう考えると吉田修一はある一定の鮮度を保ちながら続いているなあ、と思う。

まあ私が言うのも偉そうなんだけどさ。

ということで、安定の吉田修一作品をまた堪能できるおすすめ本。

しかもなんとなくめでたい感じがするのでお正月休みに一気読みしたいところ。

かくいう私は夏に読んだけど(爆)


「盤上の向日葵」読了

2022-10-03 14:23:40 | さるみみ文庫2022

柚木裕子作品。

実は私、1年半くらい前から将棋に取り組んでいる。

まあきっかけはあの藤井聡太5冠なんだけど、ボケ防止のために

詰将棋やったり「見る将」としてAbemaTVにお金を払ってまで将棋見てる。

そんな私にとって将棋関連小説というのは期待大!柚木裕子は将棋ネタも

書けるのか?とあまり期待せずに読んだんだけど、断然作品はよろしかった。

心情描写もストーリー展開もよく、できればもうちょっと対局での緊張感や

棋譜の話になったりすると嬉しかったけど、将棋がわかる、将棋が好きという読者ばかりでは

ないと思うので、ここは致し方ない。

3月のライオンも読んでいる私としてはあの漫画に出てくる宗谷冬司を重ねて

読んでいたのよね(実在の棋士としては豊島九段のビジュアル…)

ハラハラドキドキはパレートの誤算と同様。

映像化されたようだけど、私の中でのイメージと映像化作品はいつも異なるので

そこは絶対見ないと決めているところで、当然この作品の映像も見てないし、配役の確認も

しておりませなんだ。

将棋知らなくても存分に楽しめるミステリー作品なので、会社で読書好きな人にも

柚木裕子のパレートの誤算とこの作品は勧めておいた。

うん、満足。藤井くんの竜王戦も楽しみだわさ。今回の挑戦者である広瀬八段は、なんと

札幌市出身!私はもちろん竜王を応援するけど、広瀬八段にもぜひ頑張ってほしいわさ。

 

 


「地球、この複雑なる惑星に暮らすこと」読了

2022-10-01 22:09:46 | さるみみ文庫2022
NHK、Eテレの「100分で名著」で安部公房の「砂の女」が取り上げられたのが
今年の6月。「砂の女」は私にとってもサボさんにとっても本当に衝撃的な
読んだ後にあれこれ語った思い出の作品であり、「怖い」作品でもあって、それが
100分で名著に取り上げられるってことで、ホント読んでるんだけど、ワクワクしながら
番組を見たのよね。そしてその作品の解説が「ヤマザキマリ」ということで
この人もまた興味はあるんだけど、なんとなくどんな人なのか入り込めてなかったこともあり
興味深く放送を見ていた我が家。
夫は「ヤマザキマリ怖い」というんだけど、私は「ヤマザキマリとお友達になりたい」と
思ったくらいちょっと気に入った。そして安部公房が好きだというところも気にいった!

そんなきっかけと今年前半の「養老孟司ブーム」もあいまってこの本を買ったんだけど
いくら気になっている2人の対談とは言え、ちょっと前半から虫の話ばかりで退屈した。
基本的に対談形式の本はあまり得意ではないんだけど、この対談本もやはりテーマがね。
あとは話が対談だとどんどん移り変わっていったり、途中で切れたりしてどうも流れていくから
それって会話で良くて、なんであえて活字に起こす?とか思うのもあって
いくら今年になって私が注目している二人ではあるものの、この本はいらなかったと反省。

本の後半ではヤマザキマリの息子が対談の中に参加してるんだけど
話のオチがどこにあるのかわからず終了。ちょっと残念。