PF法での真空バルブ応用について
PF法(Pore-Free、日軽金が開発)は、金型内の空気・特にその中の80%の窒素を酸素に置換して金型内部に酸素だけを存在させて、鋳造品の品質向上を狙う鋳造法であるが、一般的なPF法では、酸素吹き込みの直前に金型を完全に閉じないでわずかに開いた状態で酸素の吹き込みが行われる。この時に酸素への置換が完全に行われればPF法は有効であるが、しばしば空気中の窒素が金型内に残留するため、巣の形で鋳造品に現れると考えられる。引け巣の問題は別です。
ここでDC金型に真空バルブを設置して大気開放で使用すると、金型内の窒素と酸素の置換が効率良く行われる、つまり大量の酸素を一方の入口から吹き込み真空バルブ(管路断面が確保されている)から窒素80%の空気を排出すれば、PF法としての本来の能力を十分に発揮することができると考えられる。この時、金型スリーブから真空バルブまでの管路の流れに、行き止まりや淀みができないように流れ(FLOW)に留意した金型設計がなされれば、PF法を有効 に応用することができると期待される。
もう少し詳しく書くと、真空バルブと言ってはいるが真空ポンプで吸引する必要はなく、大気に排出するだけなので、トラブルの少ない稼働が期待できる。実際に稼働したら軽く真空を掛けて吸引してみるも面白い。
注記: いい結果が得られたようです。'24.09.11