恋文 出すあてのない 其の六

　花径２cmほどの，小さな花。今日は，雨模様。花びらの開き方も少し小さめ。花言葉は，「幸福」素敵な言葉です。

　あの頃が，一番幸せだったのかも。

　ノートを見せてもらって，答えを書いて以来。周りは，そんなに変わった様子もなかったけど。女の子は，あまりわたしの周りには，近寄ってこなかったなぁ。これは以前と変わりなし。男どもは少し変わったかな。あなたは，可愛かったし，聡明だったから，クラスの男どもは，理由をつけて話しかけていたような。でも，あの件以来，手を出そうとする男は，いなくなった。男同士の会話でも，えっちゃんを可愛いとか，手を出すって，話は無くなったような。

　でもなぁ，奥手だったんよなぁ。積極的にアプローチするわけでなく，時々，見てるだけ。

　走ってる時。其の時が大好きだった。風と一体になって，其の中に身をおく。走って，吹き出てくるような汗を乾かしてくれる。時には，油断をすると風邪をひきそうに。

　一回君んちへ，行ったことがあったね。あれは，一緒にいた連れが，「行こう行こう」って強引に連れ出されたんだよ。玄関先で話をしたね。でも，喋ってたのは，奴がメイン。それに引き換え，見ていただけだったような。何故かとても恥ずかしかった。嫌われないかと心配をしてたのを覚えています。

　幸福なひと時を教えてくれたあなたに，今でも感謝しています。