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正式発表の”PET SHOP BOYS”のカバーソング。PSBが書き下ろしたというコメントがアルバムの帯に書かれているのだが、PSBが本国の英国でリリースしたのが先でした。
Love Comes Quickly
Release Date - 24th February 1986
Highest Chart Position - #19
PSBはこの曲の前に「West End Girls」で大ヒット、ランキングも1位を取っている。デビュー時こそサッパリだったが、Re-Releaseで爆発的大ヒット。まさに、って感じでした。テクノPOPかつ、RAPみたいな感じで斬新な、イギリスらしい曲で、個人的にも少し注目していた。
小6?~高校生くらいまで、大阪の実家時代に好んで見ていた番組があって、サンテレビの「POPベティハウス」という番組で、洋楽MTVが放送される番組であり超お気に入りのため、注目していた。この曲のミュージッククップがまた、面白いつくりであった。
1984~の大躍進のMTVと、欧州から続々と世界的ヒットとなるバンドが登場していた時代の晩期でもあった。
PSBは曲のアタリハズレが激しいものの、現在でも活動しつづけるダンスミュージックグループ。
本家の方の彼らも、この曲は大好きらしいが、世間的にはイマイチヒットせず。前作が1位で、今作が19位という結果。
後にどちらの曲も収録されているアルバム「Please」や、リミックスアルバム「Disco」をレンタルで聴いていて1986年の俺の洋楽ヘヴィーヒッターアルバムでした。ちなみに前年度も英国バンドの”THE STYLE COUNCIL”の「Our Favorite Shop」というアルバムがヘヴィヒッターであり、イギリスの音楽文化の風潮を学んでいた頃でもあったので、PSBにも注目したのは自然な出来事だったと思う。
![20th 20th](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4d/38/5aaed4ecd2ec9197351c90fe46cf8469_s.jpg)
さて、そして石川秀美のLOVE COMES QUICKLY。
1986年5月イギリス・ロンドンに滞在し現地でアルバムレコーディング、そして、ローマ~ヴェネツィア~リミニ~ニース~パリと約一ヶ月間ヨーロッパをまわり写真集、ビデオ撮影などを行っていた。
石川秀美のLOVE COMES QUICKLYのMTVもその時の映像。日本でも1985年あたりからMTVというか、イメージビデオが出来つつあった時代。たまにスペシャル番組でいろんな歌手の映像が流れていた。石川秀美の映像:偏西風、もしくはベスト版:Spark of 20th Lifeでそれは見られる。
石川秀美の前シングル:SHADOW SUMMERでずいぶんと、抑え気味な歌唱法になったなぁという感があったのだけど、今作につながる為だとも考えられる。
この曲は日本にはなじみのない、ミディアムテンポのテクノポップ?な感じで、石川秀美の持ち味のひとつでもあるのだが、なかなかそこまで受けれいられなかった。
というのも1986年・夏~世間ではおにゃん子クラブが大流行で、1980年代前半組のアイドル歌手は皆、苦戦を強いられていた頃でもあった。
余談になるが、この苦戦があったからこそ、80年代前半組の後期作品は実に全員、質の高いアルバムや、楽曲、そして歌唱力なども向上し「大人の歌手」へと皆それぞれ味わいを深くし良い作品を残している。売上結果こそ出なかったものの、そのアーチストパワーはお見事。
本家のPSB自体もちょっと、コケた曲だからねぇ。決して悪くはないのだが、歌謡アイドル勢力が強い中のこの曲は・・・地味。同時期の河合奈保子の「刹那の夏」も同じくらい地味。
ここで、石川秀美のシングルセールスもかなりDOWNしてしまう。そのせいか、テレビで歌ったのは数回で、アルバム中のアップテンポな曲を歌っていたから、スタッフも危惧したのであろうか。
否、企画時期がいつだったのだろう?オリジナルの結果を検証しなかったのだろうか?これはちょっと無謀な気がする。せめて両A面とか。
面白いことに、石川秀美のシングルには両A面がない。なぜ?それだけ、シングル1曲に力を入れていたんだと思われるが・・・
曲の出来は、オリジナルとほぼ変わりなく、カッコよくできあがっている。これまでの洋楽調の曲調を自分のモノとしているだけに、石川秀美の発する日本語歌唱もマッチング。
イントロのフェードインなんて、洋楽じゃないとありえない!?
全体的な印象こそ「地味」ではあるが、全編にわたってのリズムとメロディは今聴いても古さを感じさせない出来栄え。
石川秀美もファルセット法や、低音、高音を使い分けての、一曲の中でのさまざまな歌唱法を披露している。
この時の衣装も良かった!
ちょっと、たるい感じの曲が、大人になった現在、聴いていてとても心地よく、そしてそれは、夏というよりも晩夏や秋に、一番似合ってるように感じる。
実際、自分の目で確認ができてないのだが、この秀美バージョンのLOVE COMES QUICKLYはイギリスでも発売されたらしい・・・
当時は、アルバムの中の一曲?ちょっと地味かな?ぐらいにしか思っていませんでしたね。
決して嫌いな曲じゃないんだけど、セールス面を見ても、やはり冒険だったかなという感じの曲ですね。