スリリングなイントロの走り出し、ホーンセクションのビート感で疾走感たっぷりの石川秀美らしいアップテンポな曲。
Dan Hartmanみたいなリズムパターンはディスコ調でAメロでテクノポップとの融合か。
全編に渡ってホーンが踊る。
サビのメロディアスさがいいですね。好き。
Aメロのダウンテンポがちょっとあれ?と思ったりもしたが、サビ最後のフレーズの歌謡曲との相性が良い。
こういう勢いのある曲で勢いのある歌唱を聴かせてくれる石川秀美のアーチスト力も好き。
曲自体は本当にザ・昭和アイドル歌謡曲である。青春ソングなとこが良いね。作詞家が竜真知子というのも納得。
彼女は河合奈保子作品にて、貫く少女の想いを表現していたが、スポーツ少女の石川秀美にもちょうど重なったイメージ像でこの曲に見合ってる出来である。
若干なんか要らないんじゃないか?という楽器音と、バックコーラス。アルバムイメージが宇宙っぽい?ので仕方ないか。
歌メロディも古臭いんだよな。特にAメロの節回し。いかにも80年代前半なアレンジとメロディが時代を反映している。
作曲家のクレジット:亀井登志夫。こちらも納得。彼は松本伊代の作品にて、独特の昭和歌謡らしさを残しているので、このメロディタイプな特性が出ている。
けっこうじんわり歌謡なアレンジメーカーの鷺巣詩郎という点もなかなか合ってますね。
作曲家、編曲家ともにこの曲が収録された5thアルバム:Semi-Sweetで最初で最後の石川秀美作品となるのだが、石川秀美に合った楽曲なのでもっとあっても良かったように
思う。また今曲における3人の作家は、けっこうメジャーな作家なのだが、この3人での組み合わせで出来た楽曲という点も趣深い。
ちょっと話はズレるけど、俺はBabyfaceの作る曲が好きで、彼が歌うより、彼の曲を色んな歌手が歌うところが好ましく思い、なんていうのだろう。
作家の特性は共通しているのに、表現者が違うことにより、歌手とメロディメーカーの両方を楽しく味わえる点が好き。
そのセンスがなんとなく秀美と伊代の楽曲における関係性から気づいた事である。
さて、話を戻して、この曲の一番の良さは石川秀美の歌唱力の向上である。青春時代における若いみずみずしいJuicyな歌声。
音程の安定さはもとより、曲にあってる音程以上の歌声を披露。声の圧力もちょうどいい。ブレスの入出度合いもいい。
確か、このアルバムの直前に喉を痛めていたのだけど、それにより声の魅力が増幅している。
また、それまで懸命さが前に出ていたボーカルも、強弱かつ伸びやかに歌うスタイルが確立してきており
与えられた楽曲に石川秀美がどのように表現しているか、いくかが楽しみな時期にもなっていた。
この時期あたりからアイドル歌手でありながら、独自のボーカルスタイルを確立できる稀有な存在であり、後に歌手としての石川秀美へと変貌を遂げていく序章である。
可憐な少女の中に真の意志を感じる歌手才能が飛翔する瞬間を垣間見る事ができる声である。
事実、この後におけるデビュー3年目のシングル功績、歌唱力は伸び盛りになってくる石川秀美であったし。
同名タイトルの1961年の映画”The Children's Hour”とは関係のない歌詞世界のようだ。
タイトルから連想しやすい物語。少し物悲しい背景描写から、一人の男を強く想い、慕い、応援する少女の話。
ん?随分とリアリティに富んでますねw
この曲と共に、この曲が収録されたアルバムは未CD化なので、復刻版が出ることを願ってやまない。
さて、石川秀美の最新ニュース、良くいうと最新活動として。今月は今までには珍しい曲がオムニバスアルバムに収録されリリースされました。
LOVE COMES QUICKLY~霧の都の異邦人~/石川秀美 from ”J-COVER 80’s ダンス&バラード”
珍しい選曲であるが、昨今のオムニバスアルバム好評なCD市場の中でようやくというべきでもあるPet Shop Boysのカバーを歌った第一人者である石川秀美。
現代にも嘱望されているところが嬉しいですね。
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