5月27日〔土)姶良市姶良公民館において平成29年度 姶良市歴史民俗資料館「ふるさと歴史講座」(1回目)が開催されました。13時30分から受付が始まり、受講料を支払って、講座日程資料、1回目の資料、姶良市歴史民俗資料館への入場優待券などをいただきました。
14時・・開会挨拶(姶良市歴史民俗資料館 館長)・・「ふるさと歴史講座」は21年目を迎え、今回の受講者は96名となった。今年も講座日程の通り色々な分野の講師を招いて、10回の講座を予定しているので、生活に役立ててほしいとの話があり、講師の紹介がありました。
講師の鹿児島大学地学部 准教授 井村隆介先生は、火山地質学の専門家としてテレビ出演や新聞でも取り上げられており、最近では5月21日、27日の南日本新聞にも掲載されています。今回は「鹿児島の自然史」につて講演していただきますので、よろしくお願いします。
講師の井村隆介先生が登場し、パワーポイントを使って「鹿児島の自然史」について講演が始まりましたので、その概要を紹介します。
①九州地方の地震活動・・九州大学「地震火山観測研究センター」ホームページの、九州の地震活動(15分毎に更新)を画面に出して、現在、1か月の累計、1年間の累計を示し、熊本地震の影響で、熊本地方に地震が多く発生しているが、現在の空白地帯は、今後、地震が発生する恐れがあるので、油断することなく、地震対策(家具の固定など)をしっかり行うようにとの話でした。
②南九州(鹿児島)の地理的特性・・●南北に長い・・気温差が大きい・・平均気温が鹿児島市と名瀨(奄美市)では5℃違い、これは鹿児島市と福島の差に相当する。●海に隔てられている・・移動が容易でない・・南西諸島の海底地形・・渡瀬線(トカラギャップ)・・海面が下がっても動植物の移動が困難な境界線・・世界的に見ても、同じ県内で渡瀬線があるケースは他にはない。●屋久島の植生垂直分布・・屋久島は高低差により、植生垂直分布が多様で世界遺産に登録されている。
③氷期・間氷期サイクル・・●地球は10万年サイクルで氷期・間氷期を繰り返しており、弥生時代から現在までは温度が上昇する間氷期(後氷期)に相当・・氷期になれば気温が低下し、海面が現在より100m低下した場合・・一部は陸続きになる・・
④南九州(鹿児島)の植生の垂直分布・・●屋久島、種子島、開門岳、甫与志岳、高隅山、桜島、シラス台地、霧島山・・山や台地の成り立ちにより、植生の垂直分布が異なってくる・・火山活動による新たな山の出現など・・開聞岳と甫与志岳では高さは同じでも植生に差がある。●霧島の植生の垂直分布・・霧島は火山の活動、偏西風の影響などにより、植生の垂直分布が異なっている。・・今回の講演の一部を紹介しましたが、パワーポイント画面を写真に撮り添付してありますので、興味のある人は見てください。
15時30分・・閉会挨拶(姶良市歴史民俗資料館 館長)・・講師へのお礼の言葉の後に次回の講座の予告があり、散会しました。
今回初めて受講して、鹿児島県の地理的特性と共に、目先のことにとらわれず、数万年単位、地球規模で考えることの重要性について認識することができたので、参加して良かったと思っています。
会場の様子を写真で紹介します。
開演前の会場全景
開会挨拶(姶良市歴史民俗資料館 館長)
講演の開始
パワーポイントを使って説明する講師
講演の最後
閉会挨拶(姶良市歴史民俗資料館 館長)