ヨーロッパ留学中に自分の国が消滅してしまった(らしい)"Hiruko"が、どこかにいるであろう同郷人を探す旅に出る。その途中で偶然に出会った人々も旅に加わり、奇想天外な物語が展開していく。
図書館で多和田葉子の小説『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』『太陽諸島』を借りた。これが三部作だとは知らなかったのだが、たまたま一度に三冊借りたので話の繋がりが把握しやすくてよかった。
舞台はデンマ . . . 本文を読む
読書が趣味のわたしは、ほぼ毎日何かしら本を読んでいる。それでもここ数か月は、読後感をブログに書こうと思えるほどの本に出会えず、なんとなくだらだらといろんな本を読んでいる状態であった。
が!
出会えた、やっと!!!
松永K三蔵の『バリ山行』に。
昨年末、近くの図書館に予約を入れていたのが、やっと借りられることになり、一気に読み終えた。
まず、文章のリズムがとても良い。わたしの好みにぴったり . . . 本文を読む
バックパッカーに愛された沢木耕太郎の『深夜特急』は、どのようにして誕生したか。著者にとって旅とは何なのか。旅と真摯に向き合い思うことを綴ったエッセイが非常に面白く、一気読みしてしまった一冊。
特に印象に残った箇所を書き出してみる。
著者は小学校3年のとき初めて一人で電車に乗って小さな旅をした。それが「すべての始まりだったような気がする。そして、たぶん、このときにあの『旅という病』に冒されること . . . 本文を読む
去年の夏、初めて寺地はるなの小説を読んだ。それは『ビオレタ』で、共感できる部分がたくさんあってとても嬉しくなった。他の小説も読んでみたいと思って図書館で手に取ったのが、この『川のほとりに立つ者は』である。あらすじも全く知らずに、ただ何となく題名と表紙の絵に惹かれて。
読後感は爽快ではあったが、同時に深く考えさせられた。繊細なテーマなだけに、単純にハッピーエンドというわけにはいかなかったのだろう。 . . . 本文を読む
今年発刊された柚月裕子の『風に立つ』を読んで、補導委託という制度を初めて知った。問題を起こした少年を、家庭裁判所が最終的な処分を決める前に、民間人や施設が一定期間預かって、生活の指導や観察をする制度だ。
岩手で南部鉄器工房を営む孝雄と息子の悟。2人の関係は決して良好とは言えない。孝雄に補導委託を引き受けたいと聞かされ、悟は驚く。自分の子どもさえ満足に愛せない人間が、どうやって他人の子どもの面倒を . . . 本文を読む
母国の大陸(アメリカ)を離れ島国(日本)に移住した作家が、中国の友人に誘われて、「大西部」へと旅に出かける。ブルーバードを延々走らせ、中国語を漢話と呼ぶ人達が暮らす地へと。蔵文を話す蔵民。チベットだ。
作家である「かれ」は、母親を亡くした悲しみが癒えないまま、旅を続ける。友人が「天路」と呼ぶ、チベット高原の道を行く。
思うように言葉が通じないもどかしさ。それでも、日本語と中国語と、教科書で少し . . . 本文を読む
遺体解剖時にアインシュタインの脳をこっそり盗んで保管していた病理学者。
地球外知性体と交信しようと試みた天文学者。
チェ・ゲバラが最期に残した言葉。
ゴリラとボノボとのコミュニケーションに情熱を傾ける2人の学者。
ある中国残留孤児の壮絶な人生。
チャレンジャー号爆発事故で命を落とした飛行士との心の対話。
『アンデスの聖餐』に記録された人肉食の驚愕の背景事情。
『二千億の果実』には、世 . . . 本文を読む