訂正記事を求めたら削除するというYahoo!ニュースの言論弾圧!
Yahoo!ニュースといえば、ウェブメディア、ニュースサイトの中でも、1、2を誇るネットサイトだ。
この記事の11月10日発行のものに、重大な誤りがあった。軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之氏の「陸から海へにらみ 石垣島など駐屯地新設で注目の「地対艦誘導弾」、どんな装備?」という記事だ。それは以下のように記述する。
(写真は、同記事掲載の地対艦ミサイル)
「2016年3月、与那国島に駐屯地を開設、そこに沿岸監視隊を置きました。この部隊の任務は、洋上を行く艦船を偵察、監視することです。引き続き、石垣島、宮古島、奄美大島にも駐屯地を建設する計画を打ち出しました。このなかで最初に建設されるのが石垣島となったのです。尖閣諸島から約110kmしか離れていないことを考えれば、最初にこの島が選ばれたのは当然といえます。ほかの島々に関しても、2019年内に動きがあると思われます。」
一読して、現地の人々はもとより、関係者はこの記事の重大な誤りに気付くだろう。
この記事が言う、先島―南西諸島の自衛隊基地で「最初に建設されるのが石垣島」というのは、完全な、重大な誤りだ(みっともないぐらいの)。すでに、2016~2017年から、奄美大島・宮古島では、自衛隊基地の建設が、急ピッチで進行しており、両基地とも2019年3月には開設まで予定されている(写真参照)。
そして、記事で書かれている、来年2月の「石垣島着工」は、先島―南西諸島の自衛隊基地建設の、まさに「最後」ともいえる着工なのだ。もっとも、種子島ー馬毛島など、他の島々においても自衛隊基地が予定されているから、南西諸島の基地建設の最後とは言えない。
(宮古島駐屯地の工事現場)
こんな、自衛隊の先島―南西諸島基地建設に関する、南西シフト態勢に関する、重大な記述の誤りは信じがたいが、問題は、この大きな誤りの訂正を指摘した記事の「コメント」の記述を、二度も削除する、ということが起こったのだ。
この「削除=検閲」を行ったヤフーは、ニュースサイト=言論機関としての役割を、放棄したに等しいといわねばならない。
現在では、多くの人々が、ウェブメディアから流されるニュースを見ているし、ある意味では、既存の紙媒体のメディアよりも影響力が大きい場合がある。
かつて、DeNA社が運営するすべてのキュレーションメディアが、「信頼性の薄い情報を流布した」し、「無断引用」「ほぼ盗作」「パクリ」「著作権侵害」として、「メディアの存在自体を揺がす取り返しのつかない致命的な問題」として「非公開」になった事件があった。https://ironna.jp/article/4752?p=1
ヤフーニュースも、読者の批判に意見を傾けず、読者のささやかなコメントまでも削除するようでは、「フェィク・ニュース」になりかねない、といわねばならない。
そして、軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之氏、あなたは、こんなデマ記事を書き、それを修正しないようでは、ジャーナリストを語る資格はない。
あなたが「自衛隊賛美」の記事を書いている「御用ジャーナリスト」であることを、ここで問うているのではない。「事実」の大きな誤りを指摘し、訂正を求めているのである。
それにしても、自衛隊の先島―南西諸島配備について、マスメディアが報道規制すると、ここまでの「とんでも事実⁉」が一人歩きすることになるのか。マスメディアの関係者にも、深刻な反省を促したい、と思う(この記事の読者コメントには、数十の書き込みがある)。
*なお、この記事の先島―南西諸島配備のミサイル部隊についても、幾つかの重大な誤りが散見されるが、ここでは、一つだけ指摘しておきたい。記事中の、奄美大島・宮古島に配備される地対艦ミサイル中隊は、熊本の第5ミサイル連隊ではない。この予定されているのは、第4ミサイル連隊(八戸)であり、この部隊から抽出された、2018年3月創設の西部方面隊直属(平時第8師団隷属)の西部方面特科連隊隷下、第301ミサイル中隊が、奄美大島に配備されると推測されている。
*菊池雅之 ツィッター、@kimatype75 から
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー編集部を経てフリーに。危機管理をテーマに警察や海保、消防も取材。現在アニメや漫画の監修等もしており、「東京マグニチュード8.0」や「ヱヴァンゲリヲン」「亡国のイージス」などをお手伝い。主な著書「陸自男子」「試練と感動の遠洋航海」「がんばれ女性自衛官」「特殊部隊の秘密」など
Yahoo!ニュースといえば、ウェブメディア、ニュースサイトの中でも、1、2を誇るネットサイトだ。
この記事の11月10日発行のものに、重大な誤りがあった。軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之氏の「陸から海へにらみ 石垣島など駐屯地新設で注目の「地対艦誘導弾」、どんな装備?」という記事だ。それは以下のように記述する。
(写真は、同記事掲載の地対艦ミサイル)
「2016年3月、与那国島に駐屯地を開設、そこに沿岸監視隊を置きました。この部隊の任務は、洋上を行く艦船を偵察、監視することです。引き続き、石垣島、宮古島、奄美大島にも駐屯地を建設する計画を打ち出しました。このなかで最初に建設されるのが石垣島となったのです。尖閣諸島から約110kmしか離れていないことを考えれば、最初にこの島が選ばれたのは当然といえます。ほかの島々に関しても、2019年内に動きがあると思われます。」
一読して、現地の人々はもとより、関係者はこの記事の重大な誤りに気付くだろう。
この記事が言う、先島―南西諸島の自衛隊基地で「最初に建設されるのが石垣島」というのは、完全な、重大な誤りだ(みっともないぐらいの)。すでに、2016~2017年から、奄美大島・宮古島では、自衛隊基地の建設が、急ピッチで進行しており、両基地とも2019年3月には開設まで予定されている(写真参照)。
そして、記事で書かれている、来年2月の「石垣島着工」は、先島―南西諸島の自衛隊基地建設の、まさに「最後」ともいえる着工なのだ。もっとも、種子島ー馬毛島など、他の島々においても自衛隊基地が予定されているから、南西諸島の基地建設の最後とは言えない。
(宮古島駐屯地の工事現場)
こんな、自衛隊の先島―南西諸島基地建設に関する、南西シフト態勢に関する、重大な記述の誤りは信じがたいが、問題は、この大きな誤りの訂正を指摘した記事の「コメント」の記述を、二度も削除する、ということが起こったのだ。
この「削除=検閲」を行ったヤフーは、ニュースサイト=言論機関としての役割を、放棄したに等しいといわねばならない。
現在では、多くの人々が、ウェブメディアから流されるニュースを見ているし、ある意味では、既存の紙媒体のメディアよりも影響力が大きい場合がある。
かつて、DeNA社が運営するすべてのキュレーションメディアが、「信頼性の薄い情報を流布した」し、「無断引用」「ほぼ盗作」「パクリ」「著作権侵害」として、「メディアの存在自体を揺がす取り返しのつかない致命的な問題」として「非公開」になった事件があった。https://ironna.jp/article/4752?p=1
ヤフーニュースも、読者の批判に意見を傾けず、読者のささやかなコメントまでも削除するようでは、「フェィク・ニュース」になりかねない、といわねばならない。
そして、軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之氏、あなたは、こんなデマ記事を書き、それを修正しないようでは、ジャーナリストを語る資格はない。
あなたが「自衛隊賛美」の記事を書いている「御用ジャーナリスト」であることを、ここで問うているのではない。「事実」の大きな誤りを指摘し、訂正を求めているのである。
それにしても、自衛隊の先島―南西諸島配備について、マスメディアが報道規制すると、ここまでの「とんでも事実⁉」が一人歩きすることになるのか。マスメディアの関係者にも、深刻な反省を促したい、と思う(この記事の読者コメントには、数十の書き込みがある)。
*なお、この記事の先島―南西諸島配備のミサイル部隊についても、幾つかの重大な誤りが散見されるが、ここでは、一つだけ指摘しておきたい。記事中の、奄美大島・宮古島に配備される地対艦ミサイル中隊は、熊本の第5ミサイル連隊ではない。この予定されているのは、第4ミサイル連隊(八戸)であり、この部隊から抽出された、2018年3月創設の西部方面隊直属(平時第8師団隷属)の西部方面特科連隊隷下、第301ミサイル中隊が、奄美大島に配備されると推測されている。
*菊池雅之 ツィッター、@kimatype75 から
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー編集部を経てフリーに。危機管理をテーマに警察や海保、消防も取材。現在アニメや漫画の監修等もしており、「東京マグニチュード8.0」や「ヱヴァンゲリヲン」「亡国のイージス」などをお手伝い。主な著書「陸自男子」「試練と感動の遠洋航海」「がんばれ女性自衛官」「特殊部隊の秘密」など