シュートが面白かった。ボールをもらうと、すぐにシュートがしたくなった。
そんなバスケット生活を送る中で、見本としたシューターは、24期の沢氏だった。得点力は爆発的だった。ボールを手にすると、私以上に、すぐにシュートを放った印象がある。シュートが好きで面白くてたまらなかったに違いない。シューターに一番必要な条件かもしれない。入る入らないは二の次だ。
沢氏のシュートがすばらしいのは、「軸」が安定しているためだった。脚力が強く、そして、背筋力が強かったに違いない。確か沢氏の兄さんは、高校柔道チャンピオンだったと思う。そんな兄さんのような柔道家にもなれただろう天性の背筋力が、シュートというロケット発射台を安定させた。
「軸」がブレると、そのブレ方が一定しない場合、左右方向のコントロールの調整が難しくなる。その都度、微妙に、ブレ方に応じて、調整する必要が生まれる。そんなことは、なかなかできるものではない。ただし、幼い頃からブレに応じた調整感覚な身についていると、軸が多少ブレても、安定したシュートが打てるのかもしれない。
しかし、多くのプレイヤーは、そうはいかない。日本の最近のプロのゲームを見ていても、そのプレーヤーが、シュート上手か否かは、すぐに見抜ける。シュートが下手なプレーヤーは、シュートを放つ瞬間、プロでも「軸」が必ずブレブレだ。失礼ながら、教えてあげたいほどだ。
発射台がブレていたら、ロケットも正しい軌道に上がらないだろう。
バスケットのシュートも同じだ、と思う。
「軸」が安定しさえすれば、シュートが簡単になる。
タイガーウッズも、遼君も、いいときは、見事に軸が安定していた。芯がまったくブレない独楽のように、綺麗に回転した。
バスケットは回転競技ではないが、やはり「軸」だ。わずか数センチブレただけでも、リングに到達した際には、十数センチの誤差に拡大し、リングに嫌われるだろう。
「軸」がブレると、シュートは難しくなる。
そして、人生も難しくなるようだ。
「軸」のない歳月を過ごした者の後悔も、つでに付け加えておく。
25期 中川 越
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