25期石神井バスケの広場

都立石神井高校バスケットボール部25期OBが開設したブログです。近況、思い出などを、お気軽にご投稿ください。

「神様からの贈り物」スリーポイントシュート   2023年度(令和5年度)東京都男子バスケットボールインターハイ予選2回戦  観戦記     25期 細田 浩

2023-06-02 15:54:50 | 日記
前関東大会予選3回戦の惜敗はつい一か月前のことで記憶に新しい。
勝てる試合を逃した悔しさを糧に充実した試合になるか、変わらず不調を囲っているか。
この時期、学年代わり体育祭(6月3日)の準備、予行練習が始まる。昔に比べかなりエネルギーは軽減されているようだが、石神井高校出身者なら分かる学校全体が夢の中に居るような特有の熱い喧騒の時間(我々の時代はそうであった)を迎えているだろう。気持ちの切り替え、練習量は十分か。
チームに内包する脆さを解消できぬまま新チームに代わって行くのか。
何と言っても3年生のラスト大会、短い期間でチーム構成、チームプレーの技術的な進歩を見せるのは難しいが、気持がこもった悔いないプレーを見てみたい。
今大会から声出し応援、応援人数制限も解除となり、やっと心おきなく観戦できるようになった。

石神井は1回戦はシードされ2回戦からの登場。

インターハイ東京都予選2回戦 
日時 2023年5月14日 
会場 都立井草高校
観戦者 
36期 山本OB会会長
25期 細田
その他保護者多数。

対戦相手の都立小岩高校には思いがある。平成19年度の関東大会予選ベスト32決めで石神井が小岩高校と対戦し勝利した。会場は石神井高校。点差は離れたが決して一方的な楽なゲームにはならなかった。あきらめない粘り強いチームであった。敗れた小岩高校の顧問の先生が相当悔く感じたようで帰りがけにどうしたら石神井のようなチームができるのかと話をしているのを聞いた。あれから4年、顧問が変わっていなければ手強いームになっているのではと。

今年の都立小岩高校は関東大会予選では関東大会出場のベスト8日本学園に9点差関東大会出場を逃した日大豊山に2回戦で17点差で負けている。
組み合わせ次第ではベスト32、16に入れる可能性がある実力が想定される。
関東、インターハイ共に100点ゲームで勝ち上がりオフェンス力はありそうだけっして侮れない。石神井の調子が戻っていないと厳しい試合になる。

前試合のハーフタイム、両チームウォームアップの為入場。
石神井高校、前大会時より多くの新入部員数。総員で50人を超えているのではないかと思う大所帯、壮観。他校観戦者より「石神井意外とデッケーなー」 の声。

小岩高校は新入生が帯同していないのかベンチメンバーのみ。
まとまった感じの運動能力が高そうなスマートなチーム。細身ながら190cm位のセンター。リバウンドの勝負か。

1P
石神井23:23小岩(23:23)

両チームノーマルなマンツーマンディフェンス。
オフェンスは石神井No.4のドライブ、センターとの合わせやポストプレーでペイントエリアでセンターNo.10が確実にスコアーを重ねる。No.10好調な出だし調子を戻したか。小岩もNo.7ミドルシュート、スリーポイントシュート、エースのNo.4のトランジションからのドリブルイン等で対抗。中盤より石神井がディフェンスリバウンドを奪取され始め、アンドワンのファウルを重ねるが小岩もフリースロー確率が悪い。終了間際、ブザービータースリーを決められる。
石神井ミドルシュート入らず、スリーは打つチャンスもできない。

2P
石神井9:15小岩(32:38) 

一進一退の攻防。石神井速攻のNo.4イジーレイアップやNo.10ゴール下のイジーフォローアップシュートが決められなくなる。
フリースローの成功率も半分以下、歯車が狂い始める。
前大会同様メンバーチェンジで打開を図る。
期待の1年生頑健センター187cm登場。リバウンドを奪取するもシュートまでのスキルはまだ無くひたすらパスアウトするもPF、SF共外郭からシュートを打つ積極性が見れず攻め手を欠く。しかし1年生、前大会ではリバウンドにも絡めなかったのが長足の成長。
結局、ゲームチェンジャーとはならずリードされての折り返し。

3P
石神井20 : 18小岩(52:56)

石神井オールコートゾーンプレスを仕掛ける。ディフェンスの強度が上がるも決定的なアドバンテージにはならず、逆にピリョウド途中から小岩のオールコートゾーンプレスにターンオーバーが増え早いトランジッションから得点される。両チームファウルが嵩むもフリースローの成功率悪い。消耗戦の様相。
両チーム共個人ファールが増える。
小岩のNo.4痛恨の4回目ファールでベンチに一時下がる。

4P
石神井18:14小岩(70:70)

石神井のディフェンスの強度が上がる。ファールはするな!の応援。石神井のディフェンスの強度が上がり、局面で勝り始め相手のファール、ターンオーバーでオフェンス回数増えるもスコアーできず。小岩エースNo.4ファイブファール退場、センター4回目のファールベンチに一時下がる。
場内大声援のなかラスト1分20秒で逆転1点差。勝利が見えたかと思うも得るフリースローをことごとく外す。これまでに無い出来。ラスト50秒で同点に持ち込まれる。
残り26.7秒で自陣からスローイン。連携がうまく行かずタフショット外れる。小岩ボール残り6.7秒。1Pのように超ロングシュートもありうる。必死のデイフェンス、小岩タフシュートが外れオーバータイム突入。5分間の延長戦決定。

OT(オーバータイム)
石神井12:5小岩(82:75)

開始早々小岩センターファイブファール退場。満身創痍に見える小岩ベンチから最後までバスケ楽しもうの声。諦めの空気は無い。
石神井高さのアドバンテージを最大限利用して圧倒できるかと思っていたが全くペイントエリアを攻めない。

そして、スリーポイントシュート。

シューターのNo.7が今試合殆ど初めて放った(と思う)。
ゆっくりきれいな弧を描いてリングに吸い込まれた。
何の脈絡もなく唐突に(と、思った)放ったシュートが決まったのだ。

えっ・・・と思うタイミングで。

エースキャプテン、有能なセンター、両主力が去った小岩であったが、それでも石神井は攻めあぐねていたのだ。このままでは「負け」もあるかもしれないと嫌な予感がしていた矢先であった。
続けてNo.4キャプテンが決定的なスリーを決める。ゲームオーバー。

厳しい評価をすれば、前大会に続き石神井の拙攻が目立った試合であった。
特に終盤、自チームのアドバンテージを生かす戦術眼を持って圧倒して欲しかった。

あのディープスリーシュートの成功は「神様からの贈り物」ように感じる。
3年生最後の大会。入学以来コロナ禍の洗礼を受け多分練習時間もままならず
およそ運動部では想像できないマスク装着の練習。それでもコロナ終息が見え始めてからは朝練、休日の練習試合、遠征、大晦日と元日以外休みのない年末年始、支えた父母、顧問、コーチ、OB、チーム石神井の努力への贈物。
初戦で敗北では遣り切れない、せつな過ぎる。
石神井バスケを目指して石神井高校に入学した多くの新入部員が見守る公式戦、次世代に繋ぐ為にも負けられない。

小岩高校も同様な努力を重ねたのであろう。石神井をあと一歩まで追い込んだ。あの顧問の先生はすでにベンチにいなかったが、スピリットは受け継がれれているような好チームだった。

6月4日はベスト64決めの自由学園戦。
会場:石神井高校
現チームの特徴として接戦の勝利の次の試合は良い結果が出ない。調子を早く戻して欲しい。
6月11日はベスト32決め
おそらく現在都立高校No.1実力校東大和南校戦。
ここでの勝利を見てみたい。

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1 コメント

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面白く拝読 (EN)
2023-06-03 18:55:54
臨場感溢れるワクワクする観戦記でした。対戦相手との過去の経緯、因縁も興味深く、また、試合そのものも接戦で、物語を見るように最後までハラハラしながら、読み進みました。唐突なスリーも、今回の物語のドラマ性を高めました。そしてそれを主題にあげた報告者の仕上げも、お見事、恐れ入りました。
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