0.5円パチンコとパチンコをする高齢者の増加（朝日新聞の記事「銀玉映す 高齢者の孤独」）

11月13日の朝日新聞夕刊に「銀玉映す高齢者の孤独 定年・独居 パチンコ屋へ」の記事が掲載されていた。

『パチンコに熱中するお年寄りが増えている。独り暮らしの寂しさを紛らわせるためだったり、定年後の毎日の退屈しのぎだったり。3年前の規制強化でギャンブル性の高いスロット機が禁止され、客離れ場深刻になっている業界も高齢者からの集客に「生き残り」への期待を寄せる。一方で、借金を重ねて大金を浪費する依存症が新たな社会現象になろうとしている』の見出しから始まる記事だが、これで大半の内容は理解できると思う。

更に「集客競争 0.5円パチンコ」「依存症ご注意 内緒で借金、家族崩壊」の見出しも踊っていた。これはかなり深刻と思う。

内容を読むまでもなく、憂鬱になった。いくつか憂いべき事があるが、私が考えるのは以下の項目だろう。

1. ギャンブル性の高いスロット機が禁止された事により、若者のパチンコ離れが加速。パチンコ業界は、お年寄りをターゲットに価格を劇的に下げた。
   以前、1円パチンコを言う言葉を聞いたが、更に進んだみたいだ。つまり究極の薄利多売への道を業界が進んでいるような気がする。
   昔の栄光などなく、体力競争の形となったようだ。社会的に見て、この業界が健全かと言うといろんな意味で、多くの問題はあるとは思うが、ついに行きつく所まで来ている気がする。
   ・09年はピーク時（95年）の約7割弱の21兆円に減少。店舗も同様に7割弱の約1万2600点に激減しているとの事。
   これでも、まだ市場規模としては十分大きい方だと思う。今までが、店舗も含めて多すぎた。
   ・2か月分の年金が支給される偶数月の15日は通常より、台の稼働率が２～３割上がるらしい。
   公益財団法人「日本生産性本部」の15歳以上への調査結果によると、60歳以上のパチンコ遊戯人口（推計値）は過去10年間は200万人～300万人で推移していたが、昨年は急増して約430万人にのぼり、遊戯人口全体の25％を占めているとの事。 
   これは人口構成とほぼ同じとなり、かなり危ない面を持っている。
   
   私も大学生時代に、日々の糧を得る為にお世話になった。そう昼間から1日中パチンコ台の前に座って、パチンコをしていた。もちろん指で１個ずつはじくタイプだったが。煙草も含めてかなりの食材もここで調達していたと思う。
   その後、結婚後に、止めた。そう時間がもったいなくなったからだ。
   しかし、その後もこのパチンコ屋の前を通る度に不思議に思っていた。そう開店前から、普通の日に、多くの人が入り口でオープンするのを待っていた。若者から女性、お年寄りも。今考えてみると、この業界そのものの必然性に疑問が灯る？？？自分も昔お世話になって置きながら勝手な言い分と思われだろう。
   しかし、明らかに、この業界がグレーに近い業界であるのも確かだ。そして民間で唯一のギャンブルだ。
   
   従って、お金が絡む。依存症となる。と言う悪循環が発生する。
    
2. 定年退職された方が、何もする事がなくて、パチンコをされている。
   別にパチンコをする事が悪い訳ではない。しかし現実にはその為にお金が必要となる。そのお金をどうするか？これの業界の一つの回答が、0.5円パチンコだろが、それでもパチンコ中毒となった方は、それで済まないと言う事になる。
   パチンコしかする事がない定年退職者の数はおそらくかなりいると予想されるが、これもお年寄りがパチンコに寄って問題が起きる危険性を多く抱えている。
   
   会社員の現役の時に、一番良いのはパチンコ等に時間を使う事無く、定年退職した後の為に時間をかけて、人間関係を広げるとか、趣味を広げる準備をしておく事に期待したい。そうでなければ、上記で私が上げた用に、定年後何もする事がない。つまりパチンコでも行こうとなるからだ。特に現役の時にパチンコをされていた方程そうなるだろう。私が結婚後、パチンコをやめたのは、時間がもったいなかったからだ。逆を言えば、定年退職後に何もする事がなければ、同じ危険性をはらんでいると言える。

私の周辺にもパチンコが好きな方は多い。もちろんコントロールされていると思うが・・・。しかしその内何人かが、ここ数年でパチンコをやめた様だ。原因は面白くなくなったからだそうだ。同じギャンブルと言う意味では競馬はまだ続けているとの事らしい。

パチンコを発散の為に使うのももちろん良いとは思う。自制心があればだが・・・。そして損をするのも自分の責任なのだから・・・。しかし現実には、自己を紺とルールできる方は少ない。だから、いずれまたこのパチンコの問題はおきるだろう。