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いろいろな社会問題があって、生活も決して楽ではない・・・物が安く買えればそれはありがたい事ではありますが・・・しかし、何でもかんでも安いからと言って買って来たものばかりに囲まれていると、何だか生活の質がすさんでくる様な気がします。この事に問題意識を感じる方も多い様で、最近では民芸品運動とか古民家建材とかいった、古いけれど必ずしも廉価ではなく、しかし味わいがあって使い捨てではない、手間をかけて作られた生活雑貨の価値が見直される時代になって来ている様です。
翻ってオーディオの世界はどうでしょうか。近年は激安品が増加して、高額なハイエンド製品と二極化してしまいました。中庸な価格帯の現行製品が少なくなってしまったので、この部分はヴィンテージ(中古)製品のマーケットになっている様です。
閑話休題
島津Model-1 につきましては、昨今の二極化に対して、無理をすれば手が届く中庸価格帯として位置付けられると考えております。言うなれば「趣味の高級品」であります。はい? 超小型スピーカーのくせに高すぎると?(笑)
この点は強調しておきたいと思うのですが、「趣味の高級品」のコスパがどうとか、どうせ製造原価は安いのだろうとか、その様な議論はまったく無粋と言ってよろしいかと思います。1セットで一千万円とか一億円とかいう話は富裕層向けの特殊なマーケットだと思いますが、無理をすれば何とか買える金額であって、あとは購入者にとってプライスレスな価値が見いだせれば、それは紛れもなく「趣味の高級品」なのだと思います。
実は、何でもかんでも安く安くという最近の風潮には危機感を感じております。この風潮によって、いつの間にか安かろう悪かろうの悪循環に陥って、本来の質の高い物を見出だす目も失われてしまっているのではないでしょうか。そして、生産効率の低い丁寧なモノ作りは絶滅危惧種になってしまいました。民芸品運動や古民家ブームの様な動きは、これらに対する希望の光に感じられます。
即ち、然るべき手間をかけて作られた本当の意味での良い物を、然るべき価格で購入して長く大切に使う、というのが本来の質の高い生活だったのだと思います。
私のスピーカーシステム作りもその様に考えております。音質や使用感には自信がありますが、それを作り上げるための然るべき手間もかけております。DSS振動板ユニットは手作りの塊の様な製品であり、従来の常識では営利法人が扱うなど到底あり得ない代物です。そして木工作家の加生氏が製作するキャビネットも、宮大工の様な丁寧で真剣な仕事です。更には、栗山馨プロデューサーの宣伝費をかけない営業努力。原価が高く、仕切り値が高いのにも関わらず、製品に惚れ込んで熱意で売って下さるショップの皆様。決して楽はしておりません。是非、違いの分かる貴方の目と耳で見出して頂ければ幸いです。