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日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

シュタークスミス博士の大発明 8 ―ザ・スペシャルコンピューター―

2008年02月15日 | シュタークスミス博士(一話完結連載中)
「大発明だ!」シュタークスミス博士は叫んだ。「これで人類の未来が分かるぞ」
 博士の発明したものは、巨大なコンピューターだ。これには人類の持てる、ありとあらゆる分野のデータを入力してある。つまり、人類の英知の結晶と言うべきコンピューターなのだ。博士はこれによって人類の行く末を計算してみようと考えていた。
「これは単なるシュミレーションではない。これだけのデータが詰まっているのだ。計算結果は百パーセント現実となるはずだ」博士は指をコキコキと鳴らしてから、キーボードに向かい入力を始めた。「・・・我々人類ノ行ク末ハドウナルカ?・・・ さて、これでよし!」
 コンピューターは入力された質問を計算し始めた。
 いくつものパネルが明滅を繰り返し、カチャカチャと言う音が止む事無く続いた。長い長い時間が経った。博士はまだ何も映っていないモニター画面をじっと見つめていた。
 やがて画面が明るくなった。ついに答えが出たのだ。画面の中央に文字が並んだ。
「なになに・・・回答ヲ出サナイ方ガ人類ノタメデス・・・ えっ? どう言う事だ? そんなにひどい世の中になるのか?」
 文字が変わった。
「なんだって! ・・・オ先ニ失礼シマス、サヨウナラ・・・ ちょっと待て! 早まるな!」
 コンピューターの全システムが勝手に切れてしまった。


     著者自註 
 「シュタークスミス博士」と「宇宙探検隊」のシリアルナンバーをローマ数字表記からアラビア数字の表記に変更します。ローマ数字はⅩくらいまでは、なかなか格好が良いと思ったのですが、Ⅹを超え始めると、なんだか面倒だは、何番なのか分からなくなるはで、手間取ることが多くなってしまいました。そんなわけで、表記を変えることにします。もちろん、内容に変更はありませんので、ご心配なく(あまり心配もされていないかな)。
 ああ、偉大なりアラビア数字って気分です。


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