お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・43』

2009年11月11日 | 名医ハリー(ショートショート)
211
「ハリー先生とアリス先生、仲良くどこへお出掛けなの?」
「お二人とも風邪をひいたので、開業医のパージェス先生のところよ」
「そうなの。この病院じゃ、待たされるものねぇ・・・」


212
「スミスさん、外出なんて、珍しいわね」
「パージェス先生のところらしいわ。軽い風邪なんですって」
「ここの内科に診てもらえばいいのに。面倒な人ね」
「ここの内科の先生って、スミスさんの奥さんの関係者なんですって・・・」
「そうなの。ちょっとした風邪も、命懸けね・・・」


213
「ねえ、看護師のお姉さん、風邪ひいちゃうと、クラクラするし、息が荒くなっちゃうわ」
「大人になると、風邪をひかなくても、そうなる事があるものなのよ、メイベルちゃん・・・」


214
「あなた、咳をしながら看護するの止めなさいよ! 患者さんに風邪がうつるじゃないの!」
「・・・これ、内科からの特命なのよ。業績拡張のため、院内で風邪の患者さんを増やしてくれって・・・」
「じゃあ、しっかりやりなさいよ!」


215
「大変よ! 待合室から出入り口を抜けて、外へ向かって長蛇の列が延々と出来てるの!」
「それはみんな、パージェス先生のところの患者さんのようね・・・」





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